アネモネ（サマー） 第1話
ネフィ＝ネラの命令で一緒に海で遊ぶこととなったアネモネたち。遊びに興味が持てず{player}に冷たい態度を取ってしまうが、それでも自分を気遣う彼の姿にもやもやとした感情を抱くのだった。
-------------- situation:
私の知らない世界
--------------
ナレーション：
【chara 0 face 1 (normal)】
海風が吹き抜ける砂浜にて。
{player}はビーチボールを手にし、
アネモネと対峙していた。
voice: vo_adv_1354001_000
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
では──どうぞ。
Choice: (1) いくよアネモネちゃん、それっ！
----- Tag 1 -----
voice: vo_adv_1354001_001
アネモネ：
【chara 135411 face 3 (anger)】
──ふっ！
ナレーション：
【chara 0 face 1 (normal)】
{player}がトスしたボールは、
アネモネが操る蔦に叩き落とされ
砂浜に深々とめり込んでいた。
voice: vo_adv_1354001_002
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
相手にボールを触らせなければ──勝ち。
でしたよね。
voice: vo_adv_1354001_003
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
じゃ──私の勝ち、ですか。
Choice: (2) ちょっと違うかな……
----- Tag 2 -----
voice: vo_adv_1354001_004
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
──……
難しい、ですね。
やっぱり。
voice: vo_adv_1354001_005
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
これが本当に──彼への労いに？
【chara 135411 face 7 (special_a)】
媛の考えは、よくわからない──
--- Switch scene ---
ナレーション：
【chara 0 face 1 (normal)】
この日の朝。
{player}とアネモネたちは、
再びランドソル近郊の海岸を訪れていた。
voice: vo_adv_1354001_006
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
では──ジオ・ゲヘナに帰るまで、もうしばらくここで？
voice: vo_adv_1354001_007
ネフィ＝ネラ：
【chara 129711 face 1 (normal)】
然り。
此度は得難き『ばかんす』の好機故
玉響の暇を、心して愉しむが良かろうて。
voice: vo_adv_1354001_008
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
でも──楽しむことなんて、特にないです。
休みなら、ジオ・ゲヘナで過ごしても同じでは──？
voice: vo_adv_1354001_009
ネフィ＝ネラ：
【chara 129711 face 6 (surprised)】
……フム。なれば──
【chara 129711 face 1 (normal)】
モネや。わっちのジオ・ゲヘナは騎士殿の働きに、大いに助けられて候。
此の大恩に報い、汝が騎士殿を労いなんし。
voice: vo_adv_1354001_010
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
え──
【chara 135411 face 3 (anger)】
いやです。
voice: vo_adv_1354001_011
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
──というか。
労え──と言われても
何をすればいいか──わかりませんし。
voice: vo_adv_1354001_012
ネフィ＝ネラ：
【chara 129711 face 1 (normal)】
悩むに及ばず。
【chara 129711 face 2 (joy)】
当人に訊ぬるを、無粋と取る御方でもありますまい。
のう、騎士殿？
voice: vo_adv_1354001_013
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
──はぁ。
仕方ないですね──
voice: vo_adv_1354001_014
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
一応、聞きます──
【chara 135411 face 6 (surprised)】
私に──してほしいことは？
Choice: (3) それなら、一緒に遊ぼう。
----- Tag 3 -----
voice: vo_adv_1354001_015
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
遊ぶ──？
私が、貴方と？
Choice: (4) ……嫌？
----- Tag 4 -----
voice: vo_adv_1354001_016
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
──……
voice: vo_adv_1354001_017
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
いえ──従います。
媛の、命令なので。
voice: vo_adv_1354001_018
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
ですけど──内容は、任せます。
【chara 135411 face 4 (sad)】
貴方が好む遊びが、どういうものか──
【chara 135411 face 9 (special_c)】
私にはわかりませんから。
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_1354001_019
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
なんですか、これ──
ただのバケツ、ですよね。
これを、遊びに使う……？
voice: vo_adv_1354001_020
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
砂を詰めて、水を入れて、ひっくり返して──
【chara 135411 face 6 (surprised)】
当然、砂の塊ができますが。
Choice: (5) ここから砂の城を作るよ。
----- Tag 5 -----
voice: vo_adv_1354001_021
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
砂の城──？
【chara 135411 face 4 (sad)】
そんなものを作って、いったい何が──
Choice: (6) アネモネちゃんも一緒にやろう。
----- Tag 6 -----
voice: vo_adv_1354001_022
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
──……【chara 135411 face 7 (special_a)】
わかりました。
それが貴方の望みなら──付き合います。
voice: vo_adv_1354001_023
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
ふぅ──できました。
【chara 135411 face 6 (surprised)】
犬か猫くらいしか、住めない大きさですが。
voice: vo_adv_1354001_024
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
でも──こんな場所じゃ、すぐに波で崩れますよ。
Choice: (7) 崩れちゃってもいいんだよ。
----- Tag 7 -----
voice: vo_adv_1354001_025
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
──……？
【chara 135411 face 4 (sad)】
理解、できません。
どうせ崩れてしまうなら──
voice: vo_adv_1354001_026
アネモネ：
【chara 135411 face 9 (special_c)】
──最初から、作らなければいいのに。
そう考えるのが当たり前じゃ──
voice: vo_adv_1354001_027
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
これは──小さい風船、ですか。
それと、伸び縮みする紐？
【chara 135411 face 4 (sad)】
今度は何を──？
Choice: (8) 水ヨーヨーだよ。
----- Tag 8 -----
voice: vo_adv_1354001_028
アネモネ：
【chara 135411 face 1 (normal)】
ええっと──水を入れた風船を、紐で指に繋いで。
【chara 135411 face 6 (surprised)】
それで──風船を叩けばいいのですか？
Choice: (9) うん、やってみて。
----- Tag 9 -----
voice: vo_adv_1354001_029
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
わかりました。では──
ナレーション：
【chara 0 face 1 (normal)】
バシッ、バシッ！
バシッ、バシッ、バシッ！
voice: vo_adv_1354001_030
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
──要領は掴めました。
簡単ですね。
【chara 135411 face 7 (special_a)】
でも──
voice: vo_adv_1354001_031
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
風船を叩くと、紐に引かれて戻ってくる──
この繰り返しで、遊びになるんですか──
Choice: (10) 楽しくない？
----- Tag 10 -----
voice: vo_adv_1354001_032
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
──わかりません。
voice: vo_adv_1354001_033
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
……もう少し、繰り返したらわかるかも？
【chara 135411 face 7 (special_a)】
はぁ──
ナレーション：
【chara 0 face 1 (normal)】
バシッ、バシッ！
バシッ、バシッ、バシッ！
バシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシッ──ぱちゃんっ！
Choice: (11) 冷たいっ！？
----- Tag 11 -----
voice: vo_adv_1354001_034
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
──あ。
Choice: (12) それじゃ、次は……
----- Tag 12 -----
voice: vo_adv_1354001_035
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
もう──十分じゃないですか。
Choice: (13) ……アネモネちゃん？
----- Tag 13 -----
voice: vo_adv_1354001_036
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
──やっぱり私には、遊びというものがわからなくて。
意味も、見出せなくて──
voice: vo_adv_1354001_037
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
──貴方も、楽しくはないでしょう。
【chara 135411 face 9 (special_c)】
少なくとも、媛の言うような『労い』には──
Choice: (14) 楽しいよ。
----- Tag 14 -----
voice: vo_adv_1354001_038
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
っ──……
voice: vo_adv_1354001_039
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
ご機嫌取りの出まかせ──じゃなくて。
私と過ごして、楽しいって──本気で考えてる？
voice: vo_adv_1354001_040
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
どうして──？
【chara 135411 face 4 (sad)】
私、こんな態度で。
彼だって──私のことを嫌って当然なのに。
voice: vo_adv_1354001_041
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
──わからない。このひとが、理解できない。
……でも──
voice: vo_adv_1354001_042
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
あの旅で、リアの心を──ほんの少し、理解できたように。
彼のこと、もっと理解できたら──
voice: vo_adv_1354001_043
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
──ううん、何を考えてるんだろう。
私が彼を理解するなんて──歩み寄るなんて、あり得ないのに──
voice: vo_adv_1354001_044
アネモネ：
【chara 135411 face 9 (special_c)】
だって、そんなの──想像するだけで……ざわざわする。
戦いの最中に、こんな感情に呑まれたら──負ける。
媛の近侍として──相応しい私じゃ、なくなる──
Choice: (15) アネモネちゃん、大丈夫？
----- Tag 15 -----
voice: vo_adv_1354001_045
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
──っ！
【chara 135411 face 3 (anger)】
気安く触らないでください──！
Choice: (16) あ……ごめん。
----- Tag 16 -----
voice: vo_adv_1354001_046
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
はっ──【chara 135411 face 4 (sad)】
い、いえ、その──
そこまで突き放すつもりは、なくて──言いすぎでした。
voice: vo_adv_1354001_047
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
今のって──？
気持ちと関係なく、きつい言葉を放っちゃって──
voice: vo_adv_1354001_048
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
──何か、おかしい。
胸の奥に──……ううん。
全身に、もやもやした不快感が──
voice: vo_adv_1354001_049
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
これは、なんだろう。私──苛立ってる？
彼の振る舞いに──【chara 135411 face 4 (sad)】
それとも、他に何か──
Choice: (17) アネモネちゃん、こっちへ！
----- Tag 17 -----
voice: vo_adv_1354001_050
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
えっ──なんですか？
【chara 135411 face 4 (sad)】
そんな強引に──
ナレーション：
【chara 0 face 1 (normal)】
{player}は戸惑うアネモネの手を引き、走り出す。
そして、海水浴客向けの設備が並ぶ一角へと彼女を連れていった。
Choice: (18) アネモネちゃん、シャワーを浴びよう！
----- Tag 18 -----
voice: vo_adv_1354001_051
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
ど──どうしてそんなことを？
【chara 135411 face 4 (sad)】
わ、わかりました──
シャワーくらい、一人で行けますから──
voice: vo_adv_1354001_052
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
あ──……
水を浴びたら、なんだか体が潤うような──
不快感が、洗い流されていく──？ これって──
voice: vo_adv_1354001_053
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
──お待たせしました。
自覚、なかったんですけど──
シャワーを浴びたら、体の不調が治ったみたいです。
voice: vo_adv_1354001_054
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
水分が足りなかったのか、それとも他の何かが──
【chara 135411 face 6 (surprised)】
貴方には、何か心当たりが？
Choice: (19) うん。潮風のせいかもって。
----- Tag 19 -----
voice: vo_adv_1354001_055
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
──……なるほど。
ここの風が、べたつくように感じるのは──
塩分を多く含むから……
voice: vo_adv_1354001_056
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
負担とまではいかなくても──悪影響があったかも、です。
基本的に、植物は塩水に弱いですし……
これからは、気を付けないと──
Choice: (20) 元気になってよかった。
----- Tag 20 -----
voice: vo_adv_1354001_057
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
──……
【chara 135411 face 7 (special_a)】
別に──普段の私と、そこまで変わらなかったですよね。
貴方への態度だって、いつもあれくらい──
Choice: (21) そんなことないよ。
----- Tag 21 -----
voice: vo_adv_1354001_058
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
えっ──？
Choice: (22) アネモネちゃんは、いつも優しいから。
----- Tag 22 -----
voice: vo_adv_1354001_059
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
──…………
voice: vo_adv_1354001_060
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
やっぱり──このひとの考えは、わからない。
【chara 135411 face 7 (special_a)】
でも──
voice: vo_adv_1354001_061
アネモネ：
【chara 135411 face 1 (normal)】
私がどんなに拒絶しても──
よくわからないことを言って、笑うんだろう。
一瞬そう思ってしまって──実際、その通りだった。
voice: vo_adv_1354001_062
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
それは──私が彼のことを、理解してるから──？
彼と私の間の距離が……近くなっている、とか──
voice: vo_adv_1354001_063
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
そんなの、ありえない──……はず──
voice: vo_adv_1354001_064
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
──やっぱり、胸──
もやもやする──
きっとまだ──……潮風が、残ってるせい──
Choice: (23) アネモネちゃん、何か言った？
----- Tag 23 -----
voice: vo_adv_1354001_065
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
いえ、何も──
【chara 135411 face 6 (surprised)】
それよりもう一度、シャワー──浴びてきます。
……遊びの続きは、そのあとで──