アネモネ（サマー） 第3話
{player}と一緒に海の家で働くこととなったアネモネ。最初は乗り気でなかったが、客のために働く彼を眺める中で、その心に興味を持ち始める。それは、彼女が他者に歩み寄ろうとする証だった。
-------------- situation:
一滴にこもる想い
--------------
--- Switch scene ---
ナレーション：
【chara 0 face 1 (normal)】
──カチャッ！ カチャッ！
ジュワアアァァァ～～……
voice: vo_adv_1354003_000
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
──私、何してるんだろう──
voice: vo_adv_1354003_001
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
──潮風と、湯気に包まれて……ずっと腕を動かして──
【chara 135411 face 1 (normal)】
……飽きた──
voice: vo_adv_1354003_002
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
あぁ──食べ物なんて、お腹に入れば同じなのに。
どうして、味にこだわるの──
voice: vo_adv_1354003_003
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
──ううん、考えても仕方ない。
【chara 135411 face 4 (sad)】
今は、働くしか──
--- Switch scene ---
still display end
ナレーション：
【chara 0 face 1 (normal)】
その日の朝。アネモネが目を覚ますと、
出かける準備をする{player}を見かけた。
voice: vo_adv_1354003_004
アネモネ：
【chara 129612 face 7 (special_a)】
──おはようございます。
【chara 129612 face 6 (surprised)】
今日──引き続き、休みの予定では？
Choice: (1) ちょっとした依頼があって。
----- Tag 1 -----
voice: vo_adv_1354003_005
アネモネ：
【chara 129612 face 6 (surprised)】
──そうですか。
【chara 129612 face 7 (special_a)】
なら、私とは別行動で──
voice: vo_adv_1354003_006
アネモネ：
【chara 129612 face 6 (surprised)】
昨日はずっと一緒にいたし──
媛に言われた『お礼』なら、もう十分。
【chara 129612 face 4 (sad)】
──の、はず──……
voice: vo_adv_1354003_007
アネモネ：
【chara 129612 face 6 (surprised)】
──…………
voice: vo_adv_1354003_008
アネモネ：
【chara 129612 face 7 (special_a)】
あの、それなら──
仕事──私も手伝います。
Choice: (2) ありがとう、助かるよ！
----- Tag 2 -----
voice: vo_adv_1354003_009
アネモネ：
【chara 129612 face 6 (surprised)】
『お礼』には、まだ足りない──
──……と、媛なら、言う気がする──
voice: vo_adv_1354003_010
アネモネ：
【chara 129612 face 4 (sad)】
それに──蔦で、縛っちゃったし……
このままだと、もやもやが残る──ような……
voice: vo_adv_1354003_011
アネモネ：
【chara 129612 face 7 (special_a)】
……「ちょっとした依頼」──なんですよね。
なら──早く終わらせましょう。
【chara 129612 face 6 (surprised)】
それで、どこへ──？
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_1354003_012
海の家の店長：
【chara 1413 face 2 (joy)】
いや～、引き受けてくれてありがとう！
急に遠出しないといけない用事ができてね。
でも君になら、店番だって安心して任せられるよ。
voice: vo_adv_1354003_013
海の家の店長：
【chara 1413 face 1 (normal)】
そんなにお客さんの多い日じゃないし、
二人も来てくれたなら大丈夫だろう。
【chara 1413 face 2 (joy)】
それじゃ、よろしく頼んだよ！
voice: vo_adv_1354003_014
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
──あの。
依頼って、まさか──
Choice: (3) 海の家の店番だよ。
----- Tag 3 -----
voice: vo_adv_1354003_015
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
──想定外、です。
魔物退治か、何かかと──
Choice: (4) 無理そうなら……
----- Tag 4 -----
voice: vo_adv_1354003_016
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
っ──
【chara 135411 face 3 (anger)】
引き受けた以上は──やります。
仕事を放りだすなんて──カノンさんじゃ、あるまいし。
voice: vo_adv_1354003_017
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
それで、具体的な仕事は──
【chara 135411 face 6 (surprised)】
お客さんを案内して、注文を受けたりする、接客担当と──
注文された料理を作る、調理担当ですか……
Choice: (5) 人と話すのが苦手なら、調理がいいかな？
----- Tag 5 -----
voice: vo_adv_1354003_018
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
私──料理、できません。
voice: vo_adv_1354003_019
アネモネ：
【chara 135411 face 9 (special_c)】
食事なんて、空腹を満たせればそれでいいですし──
料理を覚える時間で、戦闘訓練するほうが──有益でしたし。
Choice: (6) そっか……
----- Tag 6 -----
voice: vo_adv_1354003_020
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
なら──料理は彼に任せて、接客を？
ううん、そんなの──もっと無理。
voice: vo_adv_1354003_021
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
昨日、知らないひとに話しかけられただけで、逃げてしまったのに。
客として、もてなすとか──無理。
voice: vo_adv_1354003_022
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
……でも──、どちらかはやらないと。
接客か、料理か──選ばないと。
【chara 135411 face 9 (special_c)】
嫌だからって逃げたら、カノンさん並みに──……
voice: vo_adv_1354003_023
アネモネ：
【chara 135411 face 9 (special_c)】
──……
voice: vo_adv_1354003_024
アネモネ：
【chara 135411 face 9 (special_c)】
──…………っ。
voice: vo_adv_1354003_025
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
──……料理──……やり、ます。
Choice: (7) ありがとう、僕もサポートするよ。
----- Tag 7 -----
voice: vo_adv_1354003_026
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
──……最初の一回。
やり方、見せてもらえますか──
【chara 135411 face 7 (special_a)】
メモして、覚えますので。
ナレーション：
【chara 0 face 1 (normal)】
こうしてアネモネは、海の家の臨時手伝いとして
調理担当を引き受けることとなった。
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_1354003_027
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
はぁ、本当に──
こんなことに、なるなんて──
voice: vo_adv_1354003_028
アネモネ：
【chara 135411 face 9 (special_c)】
──手順は、大体わかった。
湯気の熱さだって、ジオ・ゲヘナの空気と比べれば、平気──
voice: vo_adv_1354003_029
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
苦情もまだないし、なんとかやれてはいる──
でも──
Choice: (8) アネモネちゃん、焼きそば二つ！
----- Tag 8 -----
voice: vo_adv_1354003_030
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
はい──すぐに。
voice: vo_adv_1354003_031
客のお兄さん：
【chara 1 face 1 (normal)】
やっぱ海の家なら焼きそばだよなっ。
店員さん、とびきり美味しいのよろしく♪
voice: vo_adv_1354003_032
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
…………
voice: vo_adv_1354003_033
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
美味しいの、と言われても──
メモした通りに作るので、精いっぱい──
voice: vo_adv_1354003_034
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
騎士のひとが、見本で作ってくれたほうが──
ずっと美味しそうだった──
【chara 135411 face 9 (special_c)】
やっぱり──私には向いてない……
voice: vo_adv_1354003_035
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
でも──彼を労うのが、媛からの頼み──
せめて、足を引っ張らないように──
voice: vo_adv_1354003_036
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
──あ。
voice: vo_adv_1354003_037
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
──鉄板に、汗が……
【chara 135411 face 1 (normal)】
……でも──
誰も見てないし──毒じゃないから、いっか──
voice: vo_adv_1354003_038
アネモネ：
【chara 135411 face 2 (joy)】
──……ふぅ。
voice: vo_adv_1354003_039
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
焼きそばの作り方も──かき氷の作り方も。
樽から麦しゅわをこぼさずに注ぐ方法も──なんとか、覚えた。
【chara 135411 face 6 (surprised)】
騎士のひとのほうは──……
voice: vo_adv_1354003_040
客のおじさん：
【chara 1 face 1 (normal)】
兄ちゃん、ごちそうさん！
お代ぴったし、ここに置いとくよっ。
Choice: (9) ありがとうございます、またのお越しを！
----- Tag 9 -----
voice: vo_adv_1354003_041
客のおじさん：
【chara 1 face 1 (normal)】
こっちこそ、ありがとうな。
元気な声を聞くとこっちも気持ちよくなるってもんさ！
voice: vo_adv_1354003_042
客のおばさん：
【chara 1 face 1 (normal)】
こんにちは～……あら、新しいバイトの子？
Choice: (10) はい、注文はこちらにどうぞ！
----- Tag 10 -----
voice: vo_adv_1354003_043
客のおばさん：
【chara 1 face 1 (normal)】
じゃ、このトロピカルジュースをいただくわ。
うふふ、若いお兄さんのおもてなしなんて新鮮ねぇ♪
voice: vo_adv_1354003_044
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
店の中を駆け回って、客のひとたちと話して、料理を運んで──
【chara 135411 face 4 (sad)】
やっぱり──仕事、すごく大変そう。
voice: vo_adv_1354003_045
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
でも──あの顔は、愛想笑いには見えない。
【chara 135411 face 7 (special_a)】
大変なのに、楽しそうに笑ってて──
voice: vo_adv_1354003_046
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
きっと、うれしい──のかな。
【chara 135411 face 1 (normal)】
客のひとたちに礼を言われたり、褒めてもらえたりするのが──
voice: vo_adv_1354003_047
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
──あれ……私、何を考えてるんだろう。
【chara 135411 face 4 (sad)】
あのひとがどんな気持ちでいるか、なんて──わかるはずもないのに。
voice: vo_adv_1354003_048
アネモネ：
【chara 135411 face 9 (special_c)】
……こんなの気の迷い、疲れているだけ。
今は、料理に集中しなきゃ──
焦げちゃうし……
voice: vo_adv_1354003_049
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
──あ。
--- Switch scene ---
still display end
voice: vo_adv_1354003_050
アネモネ：
【chara 135411 face 2 (joy)】
──……ふぅ──
voice: vo_adv_1354003_051
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
──ひと、減ってきた──？
そっか──お昼時を過ぎたから……
voice: vo_adv_1354003_052
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
でも──疲労を、感じてる。
戦うより、負担は少ないはずなのに──
気にするべきことが、多すぎて──
Choice: (11) アネモネちゃん、大丈夫？
----- Tag 11 -----
voice: vo_adv_1354003_053
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
っ──
【chara 135411 face 7 (special_a)】
大丈夫です、これくらい──
Choice: (12) でも、交替するのもいいかなって。
----- Tag 12 -----
voice: vo_adv_1354003_054
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
──そんな必要、ないです。
料理、まだ失敗してないはずですし──【chara 135411 face 4 (sad)】
それに──
voice: vo_adv_1354003_055
アネモネ：
【chara 135411 face 9 (special_c)】
私には──貴方みたいな接客、できないですから。
voice: vo_adv_1354003_056
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
貴方は──接客、向いてると思います。
【chara 135411 face 7 (special_a)】
お客さんと話すのが好きで、笑顔ができて──
voice: vo_adv_1354003_057
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
でも私は──知っての通り、です。
きっとお客さんを、不愉快にさせます──
Choice: (13) 笑顔じゃなくても、大丈夫。
----- Tag 13 -----
voice: vo_adv_1354003_058
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
──え？
Choice: (14) 一生懸命な気持ちは、伝わるよ。
----- Tag 14 -----
voice: vo_adv_1354003_059
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
そんなの──どうして言い切れるんですか。
何を根拠に、そんな自信たっぷり──
Choice: (15) だって僕には、伝わってるから。
----- Tag 15 -----
voice: vo_adv_1354003_060
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
──……！
voice: vo_adv_1354003_061
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
私の心が、伝わってるなんて──
【chara 135411 face 4 (sad)】
そんなはずないって、言いたいのに──言えない。
voice: vo_adv_1354003_062
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
だって──私、理解してしまっている。
このひと──嘘は、言わない、って──
voice: vo_adv_1354003_063
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
でも──今まで、拒んでいたのに。
誰かを理解しようとすることも、誰かに理解されることも──
voice: vo_adv_1354003_064
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
だって──媛以外は。
私のことを知った誰かは──利用しようとしてくる。
それが、当たり前だったから──
voice: vo_adv_1354003_065
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
でも──
【chara 135411 face 6 (surprised)】
そうじゃない、別のつながりもあるのかな。
媛や、このひとや、リアだけじゃなくて──
voice: vo_adv_1354003_066
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
──…………
voice: vo_adv_1354003_067
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
わかりました──接客、します。
【chara 135411 face 4 (sad)】
──たぶん、無理ですが。
Choice: (16) 大丈夫、みんな優しいから。
----- Tag 16 -----
voice: vo_adv_1354003_068
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
──そう、かも……【chara 135411 face 1 (normal)】
ですね。
voice: vo_adv_1354003_069
客のお姉さん：
【chara 1212 face 6 (surprised)】
すみませーん。
【chara 1212 face 1 (normal)】
……あれ、あなたも店員さん？
voice: vo_adv_1354003_070
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
は、はい──
【chara 135411 face 4 (sad)】
臨時の、手伝い……です──
voice: vo_adv_1354003_071
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
その、初めて、なので──
えっと。
失礼だったら──すみません。
voice: vo_adv_1354003_072
客のお姉さん：
【chara 1212 face 1 (normal)】
そうなんだ？
【chara 1212 face 2 (joy)】
大丈夫、ばっちりできてると思うよ。お仕事頑張ってね！
voice: vo_adv_1354003_073
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
──ありがとう、ございます。
【chara 135411 face 1 (normal)】
では、注文──どうぞ。
ナレーション：
【chara 0 face 1 (normal)】
その後、アネモネと{player}は協力して仕事をこなし、
無事閉店時間を迎えた。
voice: vo_adv_1354003_074
アネモネ：
【chara 135411 face 2 (joy)】
──ふぅ……
【chara 135411 face 6 (surprised)】
なんとか、なった……？
Choice: (17) アネモネちゃん、お疲れさま。
----- Tag 17 -----
voice: vo_adv_1354003_075
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
はい──
お疲れさまでした。
【chara 135411 face 4 (sad)】
──それと、その……
voice: vo_adv_1354003_076
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
──ありがと、ございました。
【chara 135411 face 1 (normal)】
いろいろ、助けてくれて──……
Choice: (18) どういたしまして！
----- Tag 18 -----
voice: vo_adv_1354003_077
アネモネ：
【chara 135411 face 4 (sad)】
──その反応……
何に対してのお礼なのか、わかってますか？
Choice: (19) 何となく分かるから、大丈夫だよ。
----- Tag 19 -----
voice: vo_adv_1354003_078
アネモネ：
【chara 135411 face 6 (surprised)】
──そうですか。
【chara 135411 face 7 (special_a)】
貴方がいいなら、いいですけど──
voice: vo_adv_1354003_079
アネモネ：
【chara 135411 face 7 (special_a)】
──彼に、心を許したわけじゃない。
【chara 135411 face 1 (normal)】
でも──もう少し、理解しようとしてもいいのかも──
voice: vo_adv_1354003_080
アネモネ：
【chara 135411 face 1 (normal)】
お互いに、理解して──前より少しだけ、距離が近くなる。
それくらいなら──
