第9章 第5話
キャルとの戦いに敗れ、王宮の牢屋に囚われていたペコリーヌ。悲嘆に暮れている中、蝶に化けていたネネカが現れる。ネネカは自らを七冠の一人であると語り、疑問点に答えてほしいとペコリーヌに頼む。


-------------- situation:
変貌の幻蝶
--------------

-------------- place:
牢屋
--------------

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ペコリーヌ:
【chara 105813 face 3 (anger)】 ふんぬぬぬぬ……!

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ペコリーヌ:
【chara 105813 face 4 (sad)】 う~。駄目っぽい、
やっぱり『王家の装備』がないとちからがでません。
壁を押しても殴っても、びくともしませんよ。

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ペコリーヌ:
【chara 105813 face 4 (sad)】 わたし、こんなに非力だったんですね。

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ペコリーヌ:
【chara 105813 face 4 (sad)】 大量のカロリーを消費する代わりに、
わたしに無敵の戦闘力を与えてくれる『王家の装備』……

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ペコリーヌ:
【chara 105813 face 4 (sad)】 その特性は敵に知られてるみたいで、
あっさり没収されちゃいました。

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ペコリーヌ:
【chara 105813 face 1 (normal)】 カロリーを消費しなくなって、
お腹が空かなくなったのはいいんですけど。

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ペコリーヌ:
【chara 105813 face 4 (sad)】 これじゃあ、お腹ペコペコのペコリーヌちゃん……
っていう渾名が相応しくない感じですね。

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ペコリーヌ:
【chara 105813 face 4 (sad)】 無力で、自分では何もできないお姫さまに逆戻りです。

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ペコリーヌ:
【chara 105813 face 4 (sad)】 いつも退屈を持て余して……
窓から人々の暮らしを羨ましく思いながら眺めてた、
あのころのユースティアナに。

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ペコリーヌ:
【chara 105813 face 4 (sad)】 …………

voice: vo_adv_2009005_010
ペコリーヌ:
【chara 105813 face 6 (surprised)】 ……うん?

voice: vo_adv_2009005_011
ペコリーヌ:
【chara 105813 face 6 (surprised)】 えっ? あれっ、蝶々が飛んでる……?
ど、どこから入りこんだんですか?

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ペコリーヌ:
【chara 105813 face 4 (sad)】 ここは窓もない、
完全に閉鎖された王宮の地下監獄なのに……?

voice: vo_adv_2009005_013
???:
【chara 1 face 1 (normal)】 下がりなさい。

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ペコリーヌ:
【chara 105813 face 6 (surprised)】 えっ、今のは誰の声?
まさか、蝶々が喋った……んですか?

voice: vo_adv_2009005_015
???:
【chara 1 face 1 (normal)】 だから、下がりなさい。
そこにうずくまっていられると、邪魔ですから。

voice: vo_adv_2009005_016
ペコリーヌ:
【chara 105813 face 4 (sad)】 えっ、えっ?
【chara 105813 face 1 (normal)】 よくわからないけど、わかりました!
ちょっと壁際に下がります~!

voice: vo_adv_2009005_017
???:
【chara 1 face 1 (normal)】 よろしい。
素直で助かりますよ……
ユースティアナ・フォン・アストライア。

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???:
【chara 1 face 1 (normal)】 ううん、今はペコリーヌと呼ばれているんでしたっけ。
立場を失い流浪の身となった、
運命に弄ばれた悲劇のプリンセス……

voice: vo_adv_2009005_019
???:
【chara 1 face 1 (normal)】 あなたに用があります。
牢獄の囚人を監視する刑務官が交代のために一時的に姿を消す、
短い間だけですが……私とお喋りでもしませんか?

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ペコリーヌ:
【chara 105813 face 6 (surprised)】 え、えぇっと……?

voice: vo_adv_2009005_021
???:
【chara 1 face 1 (normal)】 ふむ。
この姿だとどうやら驚きや戸惑いが勝ってしまって、
会話にもならないようですね。

voice: vo_adv_2009005_022
???:
【chara 1 face 1 (normal)】 では仕方ありません……
礼儀として、こちらも素顔を見せましょうか。

movie: 200900501
story_still_200900501
voice: vo_adv_2009005_023
ネネカ:
【chara 107011 face 1 (normal)】 あなたがどの程度、
我らについての知識を持っているかは不明ですが……
この名前に聞き覚えはありますか?

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ペコリーヌ:
【chara 105813 face 1 (normal)】 変貌大妃、ネネカ?
あっ、聞いたことがあります!
あの金ピカの鎧を着込んだ、マサキっていうひとがその名前を……?

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ネネカ:
【chara 107011 face 6 (surprised)】 ……あの馬鹿と、どこかで会ったのですか?

voice: vo_adv_2009005_026
ペコリーヌ:
【chara 105813 face 1 (normal)】 はい。かくかくしかじかで……
わたしたち、『七冠』だっていうあなたに会いに行ったんですけど。
その先で、ぼろぼろに負傷してたマサキさんと合流したんです。

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ネネカ:
【chara 107011 face 1 (normal)】 ……生きているのですね、あれは。

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ペコリーヌ:
【chara 105813 face 1 (normal)】 はい。けっこうな大怪我を負っていたはずなんですけど、
口調だけはいたって元気そうでしたよ。
……【chara 105813 face 4 (sad)】 あなたのことを、すごく心配していました。

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ネネカ:
【chara 105813 face 1 (normal)】 【chara 107011 face 6 (surprised)】 ふ、ふぅん……
【chara 107011 face 1 (normal)】 まぁ、あれのことは今はどうでもよろしい。

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ネネカ:
【chara 107011 face 1 (normal)】 私はべつに心配していませんでした。
殺しても死にませんからね、あの手の単細胞生物は。

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ペコリーヌ:
【chara 105813 face 4 (sad)】 酷い言いぐさ……
【chara 105813 face 1 (normal)】 でもまぁ、呑気に雑談してる暇はなさそうですしね。
そのへんは置いといて、今はもっと大事な話をしましょうか。

voice: vo_adv_2009005_032
ペコリーヌ:
【chara 105813 face 1 (normal)】 ネネカさん。
あなたも王宮に囚われている、という話は聞いていましたけど……
ご無事だったんですね、それはまぁ良かったです。

voice: vo_adv_2009005_033
ネネカ:
【chara 107011 face 4 (sad)】 無事ではありませんよ。
今この瞬間も、私の本体はある魔法装置に動力源として接続され、
生き血を搾られるような苦痛を味わいつづけています。

voice: vo_adv_2009005_034
ペコリーヌ:
【chara 105813 face 6 (surprised)】 ほ、本体?
【chara 105813 face 4 (sad)】 というと、今わたしの目の前にいるあなたは……?

voice: vo_adv_2009005_035
ネネカ:
【chara 107011 face 1 (normal)】 これは分身です。
魔法装置に接続されそうになった寸前、
肉体のいちぶを切り離してこっそり逃がしたのですよ。

voice: vo_adv_2009005_036
ネネカ:
【chara 107011 face 2 (joy)】 ちなみに私には、変身能力があります。
この世に存在する、ありとあらゆる生物に変身できるのです。
やや修練が必要ですが、様々な無機物にも変身が可能です。

voice: vo_adv_2009005_037
ネネカ:
【chara 107011 face 2 (joy)】 ゆえに、私は変貌大妃という二つ名で呼ばれるわけですね。

voice: vo_adv_2009005_038
ネネカ:
【chara 107011 face 1 (normal)】 その変身能力は、この分身も備えています。

voice: vo_adv_2009005_039
ネネカ:
【chara 107011 face 1 (normal)】 それにより監視の目をかいくぐり、虫や小動物……
ときには観葉植物の葉っぱや出入りする人間の装飾品などに変身し、
人目を忍んで動いているわけです。

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ネネカ:
【chara 107011 face 1 (normal)】 この王宮地下監獄には強力な結界が仕掛けられており、
ちょっとでも変事があれば刑務官に伝わります。
各種の監視・感知装置も常時、起動状態です。

voice: vo_adv_2009005_041
ネネカ:
【chara 107011 face 4 (sad)】 ある程度ならば、私が魔法で誤魔化せますが……
【chara 107011 face 1 (normal)】 こうして短時間のみ会話する程度のことはできても、
あなたを脱獄させるような真似は難しいです。

voice: vo_adv_2009005_042
ネネカ:
【chara 107011 face 4 (sad)】 今あなたの目の前にいる私は、あくまで分身……
『七冠』としての権能、
そのすべてを発揮できるわけでもありませんから。

voice: vo_adv_2009005_043
ネネカ:
【chara 107011 face 1 (normal)】 話に聞く限り、以前、ラジニカーントやクリスティーナ……
他の『七冠』が、
この地下監獄からの脱獄を達成してしまったようですしね。

voice: vo_adv_2009005_044
ネネカ:
【chara 107011 face 1 (normal)】 そのために、警備レベルも上昇しています。
自力での脱出は不可能でしょう。

voice: vo_adv_2009005_045
ネネカ:
【chara 107011 face 4 (sad)】 私もいくつか策を練ってみましたが、
今のところ有効な方法が見つかっていません。

voice: vo_adv_2009005_046
ネネカ:
【chara 107011 face 3 (anger)】 まったくもう。
ぜんぶ他の『七冠』のせいです。

voice: vo_adv_2009005_047
ネネカ:
【chara 107011 face 1 (normal)】 私は例外として……
【chara 107011 face 3 (anger)】 『七冠』は普通に生きているだけで、
周りに迷惑をかけますね。度し難い。

voice: vo_adv_2009005_048
ペコリーヌ:
【chara 105813 face 4 (sad)】 えっとぉ……
あんまり説明されてもわからなかったんですけど、
その『七冠』というのは何なんでしょう?

voice: vo_adv_2009005_049
ペコリーヌ:
【chara 105813 face 1 (normal)】 わたしたち、それが知りたくて調べてたんですよ。

voice: vo_adv_2009005_050
ネネカ:
【chara 107011 face 1 (normal)】 『七冠』とは、この世界を創造した七柱の神……のようなものです。
【chara 107011 face 2 (joy)】 ええ、そのように理解していれば宜しいでしょう。

voice: vo_adv_2009005_051
ペコリーヌ:
【chara 105813 face 6 (surprised)】 か、神さまなんですか?
【chara 105813 face 4 (sad)】 何か、すごく人間味がありますけど……?

voice: vo_adv_2009005_052
ネネカ:
【chara 107011 face 4 (sad)】 まぁ、神のような権能を持つものの、単なる人間ですからね。
【chara 107011 face 1 (normal)】 神のごとき立場で、神のごとき奇跡が起こせる、
七人の超越者……だと思ってください。

voice: vo_adv_2009005_053
ネネカ:
【chara 105813 face 1 (normal)】 【chara 107011 face 1 (normal)】 私たちのことなど、今はどうでもいいですしね。
今はそれよりも、目の前の困難を打破しましょう。

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ネネカ:
【chara 107011 face 1 (normal)】 私は囚われの身ながら、
ある程度は分身をあちこちに派遣して情報を収集しています。
【chara 107011 face 4 (sad)】 ですが、完全には現状を把握できていません。

voice: vo_adv_2009005_055
ネネカ:
【chara 107011 face 1 (normal)】 お手数ですが、いろいろと疑問点に答えていただけませんか?
情報を補完したいのです。

voice: vo_adv_2009005_056
ネネカ:
【chara 107011 face 2 (joy)】 中世ファンタジーじみたこの世界観においても、
情報こそが真の宝ですから。

voice: vo_adv_2009005_057
ペコリーヌ:
【chara 105813 face 4 (sad)】 は、はぁ……べつに、それは構いませんけど。
【chara 105813 face 1 (normal)】 ひとりで膝を抱えてても仕方ないですし、
話し相手ができただけで嬉しいですから。

voice: vo_adv_2009005_058
ペコリーヌ:
【chara 105813 face 2 (joy)】 ふふ。
【chara 105813 face 1 (normal)】 時間もないようなので、ざっくりと概要だけ説明しますね。