第12章 第13話
キャルは『陛下』への思慕と、ペコリーヌたちを騙して近付いて殺すつもりだったことを告白し、激しい自己嫌悪に陥る。それを聞いたコッコロはまっすぐな愛情を示し、みんなの元へ帰ってきてほしいと話す。


-------------- situation:
私に罰を、あなたに赦しを
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キャル:
【chara 106031 face 1 (normal)】 ……あはは。可笑しいでしょ。
【chara 106031 face 3 (anger)】 これが、あたしの『陛下』との唯一の幸せな記憶。

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キャル:
【chara 106031 face 1 (normal)】 一緒におにぎりを食べて、他愛ないお喋りをして……
【chara 106031 face 4 (sad)】 それ以外はずっとほとんど無視されて、
罵られて、失敗したらお仕置きされて。

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キャル:
【chara 106031 face 4 (sad)】 それだけだった……
でも、ほんの一瞬でも、たった一度でも幸せな時間を過ごせたのよ。
それだけで、あたしが『陛下』に尽くすには充分な理由になる。

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キャル:
【chara 106031 face 4 (sad)】 だって。
あたし、生まれてきて良いことなんかひとつもなかったもん。

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キャル:
【chara 106031 face 4 (sad)】 親は変な宗教に嵌まって、
わけわかんない理由であたしに厳しくしたりするし。

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キャル:
【chara 106031 face 4 (sad)】 学校でも塾でも友達できないし、趣味もないし、
お勉強やバイトや家事をするだけの毎日で……
ゆっくり擦り切れて、ぜんぶ嫌になっちゃったのよ。

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キャル:
【chara 106031 face 3 (anger)】 そんなときに、あたしは『陛下』の話を聞いたの。
あたしの親戚かもしれない、偉大なひとのことを……

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キャル:
【chara 106031 face 1 (normal)】 あたしと似ていて、でも偉くて立派で、尊敬されてるひとがいる……
それは、あたしの誇りになったの。
生きていく気力を湧かせるための、希望になったのよ。

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キャル:
【chara 106031 face 1 (normal)】 そんなひとに、意を決して会いに行ったら……
【chara 106031 face 4 (sad)】 決して優しくはしてもらえなかったけど、
【chara 106031 face 1 (normal)】 認められて、特別なちからを与えられたの。

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キャル:
【chara 106031 face 1 (normal)】 嬉しかった……!
あぁ、あたしはこのために生まれてきたんだって思ったのよ!
【chara 106031 face 4 (sad)】 どれだけ苦しくても報われなくても、【chara 106031 face 3 (anger)】 がんばるしかないじゃない!

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キャル:
【chara 106031 face 4 (sad)】 『陛下』が、あのひとが、あたしの幸福のぜんぶだったの……
あたしと同じように孤独なあのひとに寄り添えるのは、
愛せるのはあたししかいないって思ったわ。

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キャル:
【chara 106031 face 4 (sad)】 世界中のひとがあのひとを憎んでも、
悪者だって決めつけても、あたしだけはあのひとの味方。
あたしだけは、あのひとを愛そうって決めたのよ。

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キャル:
【chara 106031 face 4 (sad)】 ねぇ、あたしは間違ってる?
もしもそうなら、【chara 106031 face 3 (anger)】 あたしは他にどうすればよかったの?

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キャル:
【chara 106031 face 4 (sad)】 みじめな、馬鹿な小娘は、
どん底のまま、どっかで野垂れ死ねばよかったの?

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キャル:
【chara 106031 face 4 (sad)】 教えてよ、ねぇ!
あたし、どうすればよかったの……?

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ペコリーヌ:
【chara 105831 face 4 (sad)】 キャルちゃん……えっと、キャルちゃんですよね?
洗脳されてない、過去の回想でもない、
わたしたちの知ってるキャルちゃん?

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キャル:
【chara 106031 face 1 (normal)】 うん。【chara 106031 face 4 (sad)】 何かずっと、夢を見ていたみたいだわ……
でも、あたしがあんたたちにしたことは覚えてる。

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キャル:
【chara 106031 face 3 (anger)】 たとえ洗脳されていたとしても、そんなのは言い訳にならないわ。
【chara 106031 face 4 (sad)】 あたしは自分の意思で、『陛下』の命令に従ったの。

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キャル:
【chara 106031 face 4 (sad)】 ううん。あたしがそうしたいと思って、実行したのよ。
あんたを殺そうとしたの……
最初から、いつか裏切ることになるってわかってた。

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キャル:
【chara 106031 face 3 (anger)】 あんたの愛情を、信頼を、ぜんぶ見ないふりしてあんたを殺す!
【chara 106031 face 4 (sad)】 いつか、そうなるってわかってたのに!
あたしは、あんたたちの好意を利用して居座ってたの!

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キャル:
【chara 106031 face 3 (anger)】 そして、あんたたちを酷い目に遭わせた!
あたしは、あんたたちの敵だったのよ!
【chara 106031 face 4 (sad)】 あんたたちはあたしが仲間だって、大好きだって言ってくれたけど!

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キャル:
【chara 106031 face 4 (sad)】 あたしはそんな、どうしようもないやつよ!
助けられる価値なんてない!

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キャル:
【chara 106031 face 4 (sad)】 あたしは吐き気がするほど悪いやつよ、
【chara 106031 face 3 (anger)】 軽蔑して唾を吐いて殺して屍体を踏みにじってよ!

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キャル:
【chara 106031 face 4 (sad)】 そうされるべきだった! もっと早く!
あんたたちを傷つけちゃう前に……!

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コッコロ:
【chara 105931 face 6 (surprised)】 キャルさま。

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コッコロ:
【chara 105931 face 1 (normal)】 そんなふうに、自分を責めないでくださいまし。
誰だって過ちを犯します、
わたくしたちは全知全能の神さまではないのですから。

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コッコロ:
【chara 105931 face 3 (anger)】 人間なのですから。
【chara 105931 face 4 (sad)】 迷い、惑い、失敗する、不完全な生き物なのですから。
でも、だからこそ愛おしいのだとわたくしは思います。

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コッコロ:
【chara 105931 face 1 (normal)】 いいえ。いつもトラブルだらけで、失敗も数おおく、
毎日毎日ドタバタ騒ぎを繰り広げる【美食殿】の皆さまに……
【chara 105931 face 2 (joy)】 わたくし、それを教わったのです。

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コッコロ:
【chara 105931 face 2 (joy)】 あぁ、何という愛おしい方々でしょう……
毎日、皆さまと食卓を囲むときを心待ちにしておりました。
今日は、いったいどんな楽しいことが巻き起こるのだろうと。

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コッコロ:
【chara 105931 face 2 (joy)】 それは穏やかで、
けれど変化のなかった故郷では味わえなかった感慨です。

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コッコロ:
【chara 105931 face 1 (normal)】 美食です、【chara 105931 face 2 (joy)】 至福の時間でございました。
皆さまが、キャルさまが与えてくださったのですよ。

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コッコロ:
【chara 105931 face 1 (normal)】 キャルさまは、己を唾棄すべき悪人のように仰いました。
【chara 105931 face 3 (anger)】 ええ、たしかに尊敬できない点も多々ございます。
いつも文句ばかりで、すぐ怒るし、天邪鬼で意地っぱりで。

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コッコロ:
【chara 105931 face 4 (sad)】 けれど。
キャルさまは、決して魔物のような悪の権化ではございません。
【chara 105931 face 2 (joy)】 わたくしには、いつでも優しかったです。

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コッコロ:
【chara 105931 face 2 (joy)】 食べたり歩いたりするのが遅いわたくしを気遣って、
いつも見守ってくださいましたよね。

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コッコロ:
【chara 105931 face 2 (joy)】 コロ助、なんて呼んで……
お箸が上手に扱えぬわたくしに、スプーンを取ってくれたりしました。
転びそうになったら手を取って、【chara 105931 face 4 (sad)】 大丈夫? と尋ねてくださいました。

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コッコロ:
【chara 105931 face 4 (sad)】 すべて、覚えております。
そんなお優しいキャルさまが、わたくしは大好きです。

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コッコロ:
【chara 105931 face 1 (normal)】 そのように、己の為したことを反省し、
【chara 105931 face 2 (joy)】 悔やんで涙を零すようなあなただから……

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コッコロ:
【chara 105931 face 2 (joy)】 わたくしたちは、愛しています。
そして生きて、また再び食卓を囲みたいと望むのでございます。

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コッコロ:
【chara 105931 face 2 (joy)】 またキャルさまに、
コロ助~って呼ばれながら【chara 105931 face 4 (sad)】 スプーンを渡されたい。

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コッコロ:
【chara 105931 face 4 (sad)】 口元が汚れていたら、さりげなく拭っていただきたい。
まだまだガキねって、呆れられたい。
これまでと同じように、あなたと同じ時間を過ごしたいです。

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コッコロ:
【chara 105931 face 4 (sad)】 ですからキャルさま、子供っぽい我が侭ではございますが……
どうか、帰ってきてください。
【chara 105931 face 2 (joy)】 【美食殿】のみんなで囲む、幸せな食卓へ。