2部 第13章 第5話
長老との会話で彼が本物の父ではないことを再認識したコッコロは、改めて『現実』への帰還について考える。ソルオーブを受け取って一旦その場を離れた折、長老はオクトーの手によって捕縛されてしまった。
-------------- situation:
『長老』の器
--------------
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
エルフの里の社に侵入していた魔物を退治したコッコロ。
そこで、彼女に声をかけたのは──……
voice: vo_adv_2113005_000
長老:
【chara 193112 face 1 (normal)】
……コッコロ、か……?
voice: vo_adv_2113005_001
エルフ:
【chara 6511 face 4 (sad)】
長老……!
まだ起き上がってはいけません!
voice: vo_adv_2113005_002
エルフの子供:
【chara 5411 face 4 (sad)】
あたしたちをかばったから……
ごめんなさい、ちょーろー……
voice: vo_adv_2113005_003
長老:
【chara 193112 face 1 (normal)】
この程度……気に病むことはない。
それに……
voice: vo_adv_2113005_004
コッコロ:
【chara 180511 face 6 (surprised)】
お父さま……!
voice: vo_adv_2113005_005
長老:
【chara 193112 face 1 (normal)】
よく戻ってくれた、コッコロよ。
……しかし、その姿は……
voice: vo_adv_2113005_006
コッコロ:
【chara 180511 face 5 (shy)】
こ、これは。
わたくしと主さまの絆が、力になったもので……
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_2113005_007
エルフの子供:
【chara 5411 face 6 (surprised)】
あれっ?
コッコロおねーちゃん、いつものかっこうになっちゃったー
voice: vo_adv_2113005_008
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
ぁっ……
そ、その。
【chara 105913 face 1 (normal)】
戦いが終わったこともあり、少し気が緩んでしまったようです……
voice: vo_adv_2113005_009
エルフ:
【chara 6511 face 1 (normal)】
でもコッコロさん、すっごく強かったわ!
voice: vo_adv_2113005_010
長老:
【chara 193112 face 1 (normal)】
ああ。
本当に、頼もしくなった。
voice: vo_adv_2113005_011
長老:
【chara 193112 face 1 (normal)】
どうやらアメス様の加護が、我が娘を導いてくれたようだ。
お前の成長をこうして見ることができて、うれしく思うぞ。
voice: vo_adv_2113005_012
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
あ、ありがとうございますっ……
voice: vo_adv_2113005_013
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
…………
voice: vo_adv_2113005_014
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
……やはり、そうです。
『この』お父さまは、アメスさまの真実をご存じでいらっしゃらない。
つまり、今の世界と同じく……仮初の存在……
voice: vo_adv_2113005_015
長老:
【chara 193112 face 1 (normal)】
……どうした?
voice: vo_adv_2113005_016
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
い、いえ。
【chara 105913 face 1 (normal)】
なんでもありません……
voice: vo_adv_2113005_017
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
お父さま……【chara 105913 face 1 (normal)】
いえ。
エルフの里の長老、エルフィリア・タレル・ダール・ゾラさま。
このたびは、折り入ってお願いに参りました。
voice: vo_adv_2113005_018
長老:
【chara 193112 face 1 (normal)】
──ああ。
voice: vo_adv_2113005_019
コッコロ:
【chara 105913 face 1 (normal)】
お父さまのお手元にあるというソルオーブを、
お譲りいただきたいのです。
わたくしの主さまを、お導きするために……
voice: vo_adv_2113005_020
長老:
【chara 193112 face 1 (normal)】
ソルオーブ……?
voice: vo_adv_2113005_021
コッコロ:
【chara 105913 face 1 (normal)】
はい。
【chara 105913 face 6 (surprised)】
内部に塔の姿の一部を映した、拳大の宝玉なのですが……
voice: vo_adv_2113005_022
長老:
【chara 193112 face 1 (normal)】
……それならば、
社の奥の神像に埋め込まれているはずだ。
すぐに持ってこさせよう。
voice: vo_adv_2113005_023
エルフ:
【chara 6511 face 1 (normal)】
はい、お任せを……!
voice: vo_adv_2113005_024
コッコロ:
【chara 105913 face 2 (joy)】
ありがとうございます……!
【chara 105913 face 6 (surprised)】
ですが、よろしいのでしょうか?
【chara 105913 face 1 (normal)】
神像の装飾を……
voice: vo_adv_2113005_025
長老:
【chara 193112 face 1 (normal)】
これは私情や贔屓ではないぞ、コッコロ。
お前とお前の仲間たちは今、この里の窮地を救った。
ならば相応の報酬で恩を返すのは、当然のことであろう。
voice: vo_adv_2113005_026
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
で、ですが。
【chara 105913 face 4 (sad)】
わたくしにとっては、
故郷の里のみなさまをお助けすることこそ、当然のことで……
voice: vo_adv_2113005_027
長老:
【chara 193112 face 1 (normal)】
遠慮は無用だ。
お前にとって、最も大事な『主』を導くためなのだろう。
そして……
voice: vo_adv_2113005_028
長老:
【chara 193112 face 1 (normal)】
私にとって、最も大事な娘の役に立つのなら。
それは何よりの喜びだ。
voice: vo_adv_2113005_029
エルフの子供:
【chara 5411 face 1 (normal)】
そーそー!
えんりょしちゃだめー!
voice: vo_adv_2113005_030
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
は、はい……
voice: vo_adv_2113005_031
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
……不思議です。
【chara 105913 face 1 (normal)】
『この』お父さまは、仮初の存在で……本物では、ありません。
だというのに……
voice: vo_adv_2113005_032
コッコロ:
【chara 105913 face 2 (joy)】
こうして、話していると。
本物の……『現実』のお父さまと話しているかのように……
胸に、あたたかい気持ちがこみあげてきます……
voice: vo_adv_2113005_033
コッコロ:
【chara 105913 face 2 (joy)】
…………
voice: vo_adv_2113005_034
コッコロ:
【chara 105913 face 1 (normal)】
かつて、わたくしは……
『現実』に帰還しても、主さまのおそばにあり続けると。
そう、決意いたしました。
voice: vo_adv_2113005_035
コッコロ:
【chara 105913 face 1 (normal)】
その決意には、今も一片の揺らぎはございません。
voice: vo_adv_2113005_036
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
ですが……
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_2113005_037
コッコロ:
【chara 105911 face 4 (sad)】
あぁ……なんということでしょう。
アメスさまが、ミロクによって人質にされてしまうとは……!
Choice: (1) 許せない……!
----- Tag 1 -----
voice: vo_adv_2113005_038
ペコリーヌ:
【chara 105811 face 6 (surprised)】
『アメスさま』……あの怪物の肩に捕らわれていた、
ネビアちゃんに似た女の子が、
コッコロちゃんたちの神様……みたいなひと、なんですね。
voice: vo_adv_2113005_039
コッコロ:
【chara 105911 face 4 (sad)】
……はい。
Choice: (2) それに、僕の仲間なんだ……!
----- Tag 2 -----
voice: vo_adv_2113005_040
ペコリーヌ:
【chara 105811 face 6 (surprised)】
……『前の記憶』っていうやつ、ですか。
{player}くんが、そこまで言うなんて……
【chara 105811 face 3 (anger)】
あの男のこと、ますます許せませんね。
voice: vo_adv_2113005_041
コッコロ:
【chara 105911 face 4 (sad)】
たしか、
「一週間後にソルの塔で、すべてのソルオーブと交換」……
と、言っていましたが……
voice: vo_adv_2113005_042
ペコリーヌ:
【chara 105811 face 4 (sad)】
ソルオーブは、わたしたちにとっても必要なものです。
渡しちゃうわけには、いかないんですが……
voice: vo_adv_2113005_043
コッコロ:
【chara 105911 face 4 (sad)】
……さようでございますね。
ひとまずは、お父さまの所にあるソルオーブを回収しながら
対策を考えなくては……
voice: vo_adv_2113005_044
キャル:
【chara 106011 face 4 (sad)】
…………
voice: vo_adv_2113005_045
ペコリーヌ:
【chara 105811 face 6 (surprised)】
キャルちゃん……?
voice: vo_adv_2113005_046
コッコロ:
【chara 105911 face 6 (surprised)】
キャルさま……
voice: vo_adv_2113005_047
コッコロ:
【chara 105911 face 4 (sad)】
……その。
わたくしたちが駆け付ける前に、
ミロクからキャルさまに、何かを言われていたご様子でしたが……
voice: vo_adv_2113005_048
キャル:
【chara 106011 face 4 (sad)】
…………
voice: vo_adv_2113005_049
キャル:
【chara 106011 face 4 (sad)】
ほんの少し……思い出しちゃった……
voice: vo_adv_2113005_050
キャル:
【chara 106011 face 4 (sad)】
……『現実』のこと。
……親のこと……
voice: vo_adv_2113005_051
キャル:
【chara 106011 face 4 (sad)】
……本当の、あたしが……
どれだけ、みじめだったかってこと……
Choice: (3) キャルちゃん……
----- Tag 3 -----
voice: vo_adv_2113005_052
ペコリーヌ:
【chara 105811 face 4 (sad)】
ええと、その……
【chara 105811 face 1 (normal)】
……きっと、ミロクが嘘をついてたのかも……
voice: vo_adv_2113005_053
キャル:
【chara 105811 face 6 (surprised)】
【chara 106011 face 4 (sad)】
わかんないッ!!
わかんないわよ嘘か嘘じゃないかなんて、
あたしにはっ、そんな、そんなことぉっ……!!
voice: vo_adv_2113005_054
キャル:
【chara 105811 face 4 (sad)】
【chara 106011 face 4 (sad)】
でも、あたしは……
あたしはっ……
……嘘でも……ほんとでも……
voice: vo_adv_2113005_055
キャル:
【chara 106011 face 4 (sad)】
……あんなところに……戻りたく、ないっ……
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_2113005_056
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
ペコリーヌさまも、主さまも、
そしてわたくしも……
キャルさまをお慰めする言葉を、見つけることができませんでした。
voice: vo_adv_2113005_057
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
アメスさまや、シェフィさまのことも
考えなくてはならないとはいえ……
他ならぬキャルさまが、あれほどに心を痛めているというのに……
voice: vo_adv_2113005_058
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
……ですが。
もし、わたくしたちが『現実』に戻れたとして……
今のこの世界は、どうなってしまうのでしょうか。
voice: vo_adv_2113005_059
コッコロ:
【chara 105913 face 1 (normal)】
すべての人が『懲役』から解放されたなら。
【chara 105913 face 4 (sad)】
この世界は、危険な空間として……
最悪、完全に廃棄されてしまうかもしれません。その場合……
voice: vo_adv_2113005_060
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
……わたくしたちが出会い、共に過ごし、
絆を結んだこの世界が……消えてしまう……?
voice: vo_adv_2113005_061
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
……いいえ。
消えるのは、それだけではありません……
voice: vo_adv_2113005_062
長老:
【chara 193112 face 1 (normal)】
……コッコロ?
voice: vo_adv_2113005_063
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
……!
も、申し訳ありません。
【chara 105913 face 4 (sad)】
少々、考え事をしていまして……
voice: vo_adv_2113005_064
エルフ:
【chara 6511 face 1 (normal)】
あの、コッコロさん。
お探し物の宝玉というのは、こちらで合っておりますでしょうか?
voice: vo_adv_2113005_065
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
【chara 105913 face 2 (joy)】
はい……!
間違いなく、ソルオーブでございます。
voice: vo_adv_2113005_066
長老:
【chara 193112 face 1 (normal)】
そうか。
それは良かった。
voice: vo_adv_2113005_067
エルフの子供:
【chara 5411 face 6 (surprised)】
よくわかんないけど、【chara 5411 face 2 (joy)】
良かったね!
コッコロおねーちゃん!
voice: vo_adv_2113005_068
コッコロ:
【chara 105913 face 2 (joy)】
ありがとうございます、みなさま。
これで、主さまをお導きすることが叶う……はずです。
voice: vo_adv_2113005_069
長老:
【chara 193112 face 1 (normal)】
ふむ……
そのことだが、コッコロよ。
まずは……
voice: vo_adv_2113005_070
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
……?
いかがなさったのですか、お父さま。
voice: vo_adv_2113005_071
長老:
【chara 193112 face 1 (normal)】
……お前の仕える少年が、里に来ているというのなら。
まずは、この社へと導いてくれぬか?
挨拶のひとつも、しなくてはならぬだろう。
voice: vo_adv_2113005_072
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
そ、そうでございますね。
【chara 105913 face 1 (normal)】
戦いがあったため、うっかりしておりました。
voice: vo_adv_2113005_073
長老:
【chara 193112 face 1 (normal)】
うむ……
voice: vo_adv_2113005_074
エルフ:
【chara 6511 face 2 (joy)】
ふふっ。
【chara 6511 face 1 (normal)】
長老さまったら……珍しく、緊張なさっておりますね?
voice: vo_adv_2113005_075
エルフの子供:
【chara 5411 face 6 (surprised)】
えーっ?
ちょーろー、なんでー?
voice: vo_adv_2113005_076
エルフ:
【chara 6511 face 1 (normal)】
それはもちろん。
【chara 6511 face 2 (joy)】
これから娘さんの、将来の……ふふふっ♪
voice: vo_adv_2113005_077
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
…………
voice: vo_adv_2113005_078
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
……『この』お父さまや、里の方々……
【chara 105913 face 1 (normal)】
プレイヤーではないみなさまが、すべて。
【chara 105913 face 4 (sad)】
世界と共に、すべて……消えてしまうかもしれないのですね……
voice: vo_adv_2113005_079
エルフの子供:
【chara 5411 face 1 (normal)】
コッコロおねーちゃん!
【chara 5411 face 2 (joy)】
一緒に、おにーちゃんを迎えにいこー!
voice: vo_adv_2113005_080
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
は、はい。
【chara 105913 face 2 (joy)】
ではお父さま、少々お待ちを……
voice: vo_adv_2113005_081
長老:
【chara 5411 face 1 (normal)】
【chara 193112 face 1 (normal)】
ああ。
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
…………
……
voice: vo_adv_2113005_082
エルフ:
【chara 6511 face 6 (surprised)】
……!?
ちょ、長老!
【chara 6511 face 4 (sad)】
里の入り口のほうから、また魔物の叫び声が……!
voice: vo_adv_2113005_083
長老:
【chara 193112 face 1 (normal)】
む……
voice: vo_adv_2113005_084
オクトー:
【chara 106211 face 1 (normal)】
へーえ、アンタが『嚮導老君』……の、アバターかー
voice: vo_adv_2113005_085
長老:
【chara 193112 face 1 (normal)】
──何者だ。
voice: vo_adv_2113005_086
オクトー:
【chara 106211 face 1 (normal)】
名乗るほどの者じゃないよー、っていうか……
voice: vo_adv_2113005_087
オクトー:
【chara 106211 face 3 (anger)】
ぶっちゃけ、無意味って感じじゃない?
アバター相手に挨拶なんて、いちいち──さ!
voice: vo_adv_2113005_088
長老:
【chara 193112 face 1 (normal)】
くっ……!
voice: vo_adv_2113005_089
エルフ:
【chara 6511 face 4 (sad)】
ああっ!
長老……!
voice: vo_adv_2113005_090
オクトー:
【chara 106211 face 2 (joy)】
はーい、捕まえたーっと。
voice: vo_adv_2113005_091
オクトー:
【chara 106211 face 1 (normal)】
……中身が『本物』だったら、さすがに手は出せなかったけど。
これならどうとでもなりそうかなー
voice: vo_adv_2113005_092
オクトー:
【chara 106211 face 4 (sad)】
──さーて。
ここから先も、うまくいくといいんだけど……ねぇ。