2部 第14章 第9話
城の中で目を覚ましたシェフィは再びゼーンと対峙し、全てを懸けた一撃を放つ。一方エリスは{player}との大切な記憶と、ミソラが集めた七冠の情報を糧に、自身の願いを叶えようとしていた。
-------------- situation:
理想郷の入口
--------------
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
一同が、ソルの塔から脱出する少し前。
キャルと別れたペコリーヌは一人、
シャドウの天使たちに必死の抗戦をしていた。
still display end
voice: vo_adv_2114009_000
ペコリーヌ:
【chara 105811 face 3 (anger)】
プリンセス……ストラーイク!!!
voice: vo_adv_2114009_001
TYPE-Rシャドウ:
【chara 192721 face 1 (normal)】
……!
voice: vo_adv_2114009_002
ペコリーヌ:
【chara 105811 face 3 (anger)】
はぁ、はぁっ……!
voice: vo_adv_2114009_003
ペコリーヌ:
【chara 105811 face 4 (sad)】
この、シャドウたち……いったい、どれだけいるんでしょうか……
voice: vo_adv_2114009_004
ペコリーヌ:
【chara 105811 face 4 (sad)】
{player}くんが、強化の力を届けてくれているおかげで。
なんとか戦えてますけど……
voice: vo_adv_2114009_005
ペコリーヌ:
【chara 105811 face 6 (surprised)】
こうして一人っきりで戦うのって、すごく久しぶりな気がします。
【chara 105811 face 4 (sad)】
最近はずっと、誰かが近くにいてくれましたから。
【chara 105811 face 3 (anger)】
でも……
voice: vo_adv_2114009_006
襲撃される市民1:
【chara 1 face 1 (normal)】
──きゃああぁっ!
voice: vo_adv_2114009_007
ペコリーヌ:
【chara 105811 face 6 (surprised)】
っ!!
【chara 105811 face 3 (anger)】
今度は、あっち……!!
voice: vo_adv_2114009_008
ペコリーヌ:
【chara 105811 face 3 (anger)】
ジュンさんたちと、合流したいのに……!
探しに行くための時間が……!
voice: vo_adv_2114009_009
襲撃される市民2:
【chara 1 face 1 (normal)】
ひぃぃい~っ!!
voice: vo_adv_2114009_010
ペコリーヌ:
【chara 105811 face 3 (anger)】
逃げてください!
街のみなさんっ!!
voice: vo_adv_2114009_011
ペコリーヌ:
【chara 105811 face 3 (anger)】
たとえ、一人っきりだって。
わたしは最後まで戦い抜いてみせます。
だって──
voice: vo_adv_2114009_012
ペコリーヌ:
【chara 105811 face 3 (anger)】
誰かに創られた世界でも。
国も歴史も、街のみなさんも、お父さまもお母さまも……
ぜんぶ、ぜんぶ偽物だったとしても……
voice: vo_adv_2114009_013
ペコリーヌ:
【chara 105811 face 3 (anger)】
わたしにとっては
みんなみんな大切な、守るべきひとたちなんですからっ……!
voice: vo_adv_2114009_014
キャル:
【chara 180611 face 3 (anger)】
シェフィーっ!
あんた、どこにいんのよーっ!!
voice: vo_adv_2114009_015
キャル:
【chara 180611 face 4 (sad)】
こんだけ見晴らしがいいのに見つからない……ってことは。
あいつ、ひょっとしてやられちゃったんじゃ……
voice: vo_adv_2114009_016
キャル:
【chara 180611 face 3 (anger)】
……ううん。
たとえ、バケモノみたいに強いゼーンが相手だからって。
【chara 180611 face 1 (normal)】
そう簡単には、いかないはず。あいつだって【美食殿】なんだから……
voice: vo_adv_2114009_017
キャル:
【chara 180611 face 4 (sad)】
なら、どこ行ったのかしら……
塔に戻ったか……それか、あの城の中とか……?
voice: vo_adv_2114009_018
キャル:
【chara 180611 face 6 (surprised)】
っていうかほんとなんなのよ? あの城みたいなの。
【chara 180611 face 4 (sad)】
とんでもない魔力のカタマリじゃない。
voice: vo_adv_2114009_019
キャル:
【chara 180611 face 3 (anger)】
ソルの塔を乗っ取るか何かしようとしてるみたいだけど。
【chara 180611 face 4 (sad)】
もし万が一、あんなでかい塔が城ごと墜落とかしたら……
街がぺちゃんこになっちゃう! 復興とか絶対ムリなレベルだわ!
voice: vo_adv_2114009_020
キャル:
【chara 180611 face 4 (sad)】
しかも塔の真下は、王宮なわけだし。
陛下だって、まだ地下にいるはずなんだから……
最悪、生き埋めに……
voice: vo_adv_2114009_021
キャル:
【chara 180611 face 4 (sad)】
──ああもうっ!
ぜんぜん手が足りないっ!
ペコリーヌやコロ助のところにも助けに行きたいのにっ……!
voice: vo_adv_2114009_022
キャル:
【chara 180611 face 3 (anger)】
とりあえず、あの城に乗り込んでみるか……!
【chara 180611 face 4 (sad)】
いま調べに行けるの、あたしだけだし。
【chara 180611 face 3 (anger)】
おかしなことしてるようなら、中からぶっ壊してやる……!
still display end
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
…………
……
voice: vo_adv_2114009_023
紫布菜:
【chara 106432 face 4 (sad)】
……んん……
voice: vo_adv_2114009_024
善:
【chara 1 face 1 (normal)】
──起きろ、紫布菜。
もう、朝練に行く時間だ。
voice: vo_adv_2114009_025
紫布菜:
【chara 106432 face 4 (sad)】
……わかってるわ。
でも、あと少し……少しだけ……
voice: vo_adv_2114009_026
善:
【chara 1 face 1 (normal)】
5分だけ待つ。
早くしろ。
voice: vo_adv_2114009_027
紫布菜:
【chara 106432 face 4 (sad)】
……はぁ。
【chara 106432 face 2 (joy)】
もう……甘いんだから、兄さんは……
voice: vo_adv_2114009_028
紫布菜:
【chara 106432 face 2 (joy)】
自分だって……試合が近いんだし。
たたき起こせばいいのに……
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
…………
……
-------------- place:
エリスの城~回廊~
--------------
voice: vo_adv_2114009_029
シェフィ:
【chara 106416 face 4 (sad)】
……
くっ……
voice: vo_adv_2114009_030
シェフィ:
【chara 106416 face 6 (surprised)】
……?
【chara 106416 face 4 (sad)】
ここは……
voice: vo_adv_2114009_031
シェフィ:
【chara 106416 face 4 (sad)】
わ、私……
意識が、飛んじゃってたの……?
voice: vo_adv_2114009_032
シェフィ:
【chara 106416 face 6 (surprised)】
そうだ……さっき。
大きな黒い薔薇みたいな建物が、いきなりすぐ近くに現れて。
【chara 106416 face 4 (sad)】
ソルの塔に、ぶつかって……
voice: vo_adv_2114009_033
シェフィ:
【chara 106416 face 4 (sad)】
兄さんと戦うのに必死だったから、
ろくに避けることもできずに、その衝突に巻き込まれて……
voice: vo_adv_2114009_034
シェフィ:
【chara 106416 face 6 (surprised)】
…………
voice: vo_adv_2114009_035
シェフィ:
【chara 106416 face 6 (surprised)】
ここ……ソルの塔じゃ、ないわよね。
それじゃ、ぶつかってきた黒い薔薇の中なの……?
上のほうの隙間から、落っこちてきたんだ……
voice: vo_adv_2114009_036
シェフィ:
【chara 106416 face 4 (sad)】
……建物の中に、魔力が渦巻いている……
しかも、すごく濃密で……悲しい気持ちになる。
これって……ひょっとして、エリスのもの……?
voice: vo_adv_2114009_037
ゼーン:
【chara 191713 face 4 (sad)】
……グ……
voice: vo_adv_2114009_038
シェフィ:
【chara 106416 face 6 (surprised)】
!
兄さんっ……!
voice: vo_adv_2114009_039
ゼーン:
【chara 191713 face 3 (anger)】
──ガァッ!!
voice: vo_adv_2114009_040
シェフィ:
【chara 106416 face 3 (anger)】
っ!!
voice: vo_adv_2114009_041
シェフィ:
【chara 106416 face 4 (sad)】
今のショックで、元の兄さんに戻ってるかもしれないなんて──
一瞬、期待しちゃった。
そんな都合の良いこと、あるわけが……
voice: vo_adv_2114009_042
シェフィ:
【chara 106416 face 6 (surprised)】
でも……どうして?
気絶していた私に止めを刺すことだって、できたはずなのに。
【chara 106416 face 4 (sad)】
もしかして……私が起き上がるのを、待っていたの……?
voice: vo_adv_2114009_043
シェフィ:
【chara 106416 face 2 (joy)】
本当……
そういうところ、律儀なんだから……
voice: vo_adv_2114009_044
ゼーン:
【chara 191713 face 3 (anger)】
グオオオッッ!!!
voice: vo_adv_2114009_045
シェフィ:
【chara 106416 face 3 (anger)】
くぅっ……!
voice: vo_adv_2114009_046
シェフィ:
【chara 106416 face 3 (anger)】
さっきのショックで、身体がまだ……っ!
voice: vo_adv_2114009_047
シェフィ:
【chara 106416 face 1 (normal)】
この怪我じゃ、あとどれだけ覚醒を続けてられるかわからない。
【chara 106416 face 3 (anger)】
冷気で体力を削るなんて、悠長なこと言ってられない……
voice: vo_adv_2114009_048
シェフィ:
【chara 106416 face 3 (anger)】
……こうなったら。
あとはもう──この一撃に、賭けるしかない!
voice: vo_adv_2114009_049
ゼーン:
【chara 191713 face 1 (normal)】
グ、ググ……
voice: vo_adv_2114009_050
シェフィ:
【chara 106416 face 8 (special_b)】
いくわよっ、兄さんっ!
voice: vo_adv_2114009_051
ゼーン:
【chara 191713 face 3 (anger)】
グォガアアアアアアッ!!!
voice: vo_adv_2114009_052
シェフィ:
【chara 106416 face 9 (special_c)】
──フロストファングッ!!!
--- Switch scene ---
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
そして──コッコロたちが去った後の、ソルの塔内部。
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
エリスは自身の内に一体化しているミネルヴァ、
そして『黒き薔薇の城』からの侵食によって
塔を再び掌握しようとしていた。
voice: vo_adv_2114009_053
エリス:
【chara 191311 face 6 (surprised)】
──……
voice: vo_adv_2114009_054
エリス:
【chara 191311 face 6 (surprised)】
D型端末の気配が……消えた……
voice: vo_adv_2114009_055
エリス:
【chara 191311 face 1 (normal)】
ロストしたか。
あるいは、こちらの支配下から逃れたか。
……どちらにせよ、些末なこと……
voice: vo_adv_2114009_056
エリス:
【chara 191311 face 4 (sad)】
…………
voice: vo_adv_2114009_057
エリス:
【chara 191311 face 4 (sad)】
ソルの、塔……
戻るつもりは、なかったのに。
voice: vo_adv_2114009_058
エリス:
【chara 191311 face 1 (normal)】
ここは、かつて。
騎士クンたちが、覇瞳皇帝と戦った場所。
そして……わたしが、生まれた場所……
voice: vo_adv_2114009_059
エリス:
【chara 191311 face 1 (normal)】
でも……郷愁など、微塵も感じない。
ひたすらに、忌まわしいという気持ちしかない。
voice: vo_adv_2114009_060
エリス:
【chara 191311 face 1 (normal)】
この場所で、生まれて。
わたしにとって、牢獄のような塔の頂上に拘禁されて……
voice: vo_adv_2114009_061
エリス:
【chara 191311 face 4 (sad)】
ただ、何度も何度も何度も。
数え切れないほど、数えたくもないほど……
彼の最後を、見せられたから。
voice: vo_adv_2114009_062
エリス:
【chara 191311 face 4 (sad)】
リセットを発動するための、僅かな時間を繰り返して……
そして、世界の歪みを利用して。どうにか、塔を出たけれど。
わたしが運営装置の一部であることは、変わらなかった。
voice: vo_adv_2114009_063
エリス:
【chara 191311 face 4 (sad)】
ミソラたちと出会えなければ……
そして、騎士クンたちが覇瞳皇帝を倒していなければ。
わたしは無限の繰り返しに耐えられず、擦り切れていたかもしれない。
voice: vo_adv_2114009_064
エリス:
【chara 191311 face 1 (normal)】
……いいえ……
voice: vo_adv_2114009_065
エリス:
【chara 191311 face 1 (normal)】
……そう。
かつて、『再構築』の前──ちょうど、この場所で。
騎士クンと、出会った記憶……
voice: vo_adv_2114009_066
エリス:
【chara 191311 face 1 (normal)】
それが、たった一つの、わたしの寄る辺。
あの記憶がなかったら……
わたしはきっと、もっとずっと早く壊れていた……
voice: vo_adv_2114009_067
エリス:
【chara 191311 face 4 (sad)】
でも……
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_2114009_068
エリス:
【chara 191312 face 1 (normal)】
騎士クン……わたし、だよ……
voice: vo_adv_2114009_069
エリス:
【chara 191312 face 4 (sad)】
覚えて……ない?
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_2114009_070
エリス:
【chara 191311 face 4 (sad)】
…………
voice: vo_adv_2114009_071
エリス:
【chara 191311 face 4 (sad)】
彼は……あのときのこと。
忘れちゃった、みたいだけど……
voice: vo_adv_2114009_072
エリス:
【chara 191311 face 1 (normal)】
──しょうがない、よね……
騎士クンが忘れてしまったのは……わたしのことだけじゃないし。
それに……
voice: vo_adv_2114009_073
エリス:
【chara 191311 face 1 (normal)】
覇瞳皇帝に、追い詰められて。
ガイド妖精を失った騎士クンは、とても傷ついていて。
そして『再構築』のはじまった世界は、ひどく不安定だったから。
voice: vo_adv_2114009_074
エリス:
【chara 191311 face 1 (normal)】
……大丈夫……
voice: vo_adv_2114009_075
エリス:
【chara 191311 face 1 (normal)】
わたしと騎士クンの時間は、これからたくさん作ればいいのだから。
voice: vo_adv_2114009_076
エリス:
【chara 191311 face 1 (normal)】
そのために、ここまで来たのだから。
voice: vo_adv_2114009_077
エリス:
【chara 191311 face 1 (normal)】
ミソラが集めてくれた、七冠の情報──“世界の創造”の方法。
完全とは、とても言えないけど……
でも。
voice: vo_adv_2114009_078
エリス:
【chara 191311 face 1 (normal)】
わたしの願いを叶えるには、もう十分。
voice: vo_adv_2114009_079
エリス:
【chara 191311 face 1 (normal)】
だから……
voice: vo_adv_2114009_080
エリス:
【chara 191311 face 2 (joy)】
だから。
待っていて──騎士クン。