コッコロの覚悟
見知った人々から忘れられていくコッコロ。アメスと言葉を交わし、その力がいずれ暴走するかもしれないと告げられたコッコロは、一人静かに荷物をまとめ、【美食殿】のギルドハウスを出てゆくのであった。
-------------- situation:
コッコロの覚悟
--------------
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
調査に行った翌日。
コッコロは一人思い悩んでいた。
voice: vo_adv_5058003_000
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
…………
voice: vo_adv_5058003_001
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
つい、一人で出てきてしまいました……
voice: vo_adv_5058003_002
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
力が制御できず、みなさまを傷つけてしまうなんて……
もしまたあんなことが起きたらと思うと、恐ろしくて……
voice: vo_adv_5058003_003
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
あれからキャルさまは寝込んでしまわれました……
体調が悪いのに無理をしていたからでしょう。
voice: vo_adv_5058003_004
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
その体調不良も、わたくしのせいかもしれません……
黒い精霊:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
【chara 0 face 1 (normal)】
…………
voice: vo_adv_5058003_005
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
見たことのない、黒い精霊……
【chara 105913 face 4 (sad)】
あなたは、一体何なのですか……?
黒い精霊:
【chara 0 face 1 (normal)】
…………
voice: vo_adv_5058003_006
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
? 気のせいでしょうか、前よりも大きくなっているような……?
voice: vo_adv_5058003_007
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
わたくしには制御できない、強過ぎる力……
どうして、ペコリーヌさまやキャルさままで……
voice: vo_adv_5058003_008
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
みなさまは気にするなと仰ってくれますが……
今のわたくしはお役に立てないどころか、傷つけてしまっている……
voice: vo_adv_5058003_009
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
わたくしは、どうしたら……
voice: vo_adv_5058003_010
店員:
【chara 1411 face 1 (normal)】
いらっしゃいいらっしゃい!
安いよ安いよ~! 【chara 1411 face 2 (joy)】
そこのお嬢ちゃん、どうだい?
voice: vo_adv_5058003_011
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
…………
voice: vo_adv_5058003_012
店員:
【chara 1411 face 1 (normal)】
新しくこの街に来た子かい?
【chara 1411 face 2 (joy)】
だったらサービスしたげるから、今後とも贔屓に【chara 1411 face 6 (surprised)】
って……
どうしたんだい? 悲しそうな顔して……
voice: vo_adv_5058003_013
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
……いえ。
なんでも……ございません……
voice: vo_adv_5058003_014
店員:
【chara 1411 face 6 (surprised)】
あっ、もしかして迷子だったのかい!?
【chara 1411 face 4 (sad)】
待ってな、今誰か呼んで──【chara 1411 face 6 (surprised)】
あっ、お嬢ちゃん!?
voice: vo_adv_5058003_015
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
また……
わたくしのことを、忘れていたようですね。
voice: vo_adv_5058003_016
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
毎日お買い物をして、たくさんお話をしたはずなのに。
voice: vo_adv_5058003_017
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
これはまるで、この街からわたくしだけが、
消えていくかのような……
voice: vo_adv_5058003_018
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
ペコリーヌさまやキャルさまを傷つけ、
街の人々には忘れられて。
voice: vo_adv_5058003_019
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
……もし。
このままペコリーヌさまやキャルさまにまで、【chara 105913 face 4 (sad)】
忘れられてしまったら。
voice: vo_adv_5058003_020
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
……もし。
主さまを傷つけてしまったら。
主さまに忘れられてしまったら。
voice: vo_adv_5058003_021
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
わたくしは悲しくて、恐ろしくて……
胸が張り裂けてしまいそうです……!
voice: vo_adv_5058003_022
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
誰か、教えてください……!
何が起きているのですか……!
voice: vo_adv_5058003_023
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
わたくしは……どうしたらいいのですかっ!
voice: vo_adv_5058003_024
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
っ!?
これは……!
アメスさま……!?
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_5058003_025
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
…………
voice: vo_adv_5058003_026
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
アメスさま!
【chara 105913 face 2 (joy)】
ああ、よかった……わたくし、わたくし……!
voice: vo_adv_5058003_027
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
ごめんね、コッコロたん……
つらかったでしょう。苦しかったでしょう。
voice: vo_adv_5058003_028
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
……お教えください、アメスさま!
一体何が起きているのですか!?
voice: vo_adv_5058003_029
アメス:
【chara 190011 face 3 (anger)】
……コッコロたんの存在が、消えつつあるみたい。
voice: vo_adv_5058003_030
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
わたくしの、存在が……?
voice: vo_adv_5058003_031
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
コッコロたん……『ロスト』は知ってるわよね?
voice: vo_adv_5058003_032
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
は、はい……この世界に存在していたはずの人物が、
突然消失してしまう現象、だったかと。
【chara 105913 face 4 (sad)】
消えた人物は記録にも残らず、記憶にも……【chara 105913 face 6 (surprised)】
っ!?
voice: vo_adv_5058003_033
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
そう。コッコロたんの身に起きている現象は、
『ロスト』に限りなく近いわ。
voice: vo_adv_5058003_034
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
明確に同じ現象かはまだ分からないけど。
少なくとも、コッコロたんに予期せぬ異常が起きているのは事実。
voice: vo_adv_5058003_035
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
周りの人から忘れられてるのは、その影響。
近くにいればなんとか記憶を繋ぎ止めておけるみたいだけど……
voice: vo_adv_5058003_036
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
主さまやペコリーヌさま、キャルさまは
いつも一緒にいるから、忘れないと……?
voice: vo_adv_5058003_037
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
なぜこのようなことが起きているのですか?
voice: vo_adv_5058003_038
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
原因は……薄々気づいてはいるでしょうけど、
コッコロたんが呼び出した、あの精霊ね。
voice: vo_adv_5058003_039
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
やはり、あの黒い精霊が……【chara 105913 face 4 (sad)】
あれは、何なのですか?
わたくし、あんな精霊とは契約した覚えがありません……!
voice: vo_adv_5058003_040
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
……ごめんね、分からないの。
今起きている現象の原因が、あの精霊にあるってことくらいしか……
voice: vo_adv_5058003_041
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
アメスさまでも、お分かりにならないのですね……
voice: vo_adv_5058003_042
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
不甲斐なくて本当に申し訳ないと思ってる。
あたしには、コッコロたんを助けてあげることができないの……
ごめんなさい……
voice: vo_adv_5058003_043
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
……そう、ですか……
voice: vo_adv_5058003_044
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
それに……
あたしはコッコロたんにもっと残酷な事実を伝えなきゃいけない。
voice: vo_adv_5058003_045
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
え……?
voice: vo_adv_5058003_046
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
その黒い精霊……少しずつ力が増していってるみたいなの。
【chara 190011 face 3 (anger)】
このままいけば……
おそらく、あなたの力では抑えきれなくなってしまう。
voice: vo_adv_5058003_047
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
まさか、あの時のように……【chara 105913 face 4 (sad)】
また、暴走してしまうのですか!?
voice: vo_adv_5058003_048
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
…………
voice: vo_adv_5058003_049
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
そんな……
わたくし、ペコリーヌさまやキャルさまを傷つけてしまったのに……
voice: vo_adv_5058003_050
コッコロ:
【chara 105913 face 6 (surprised)】
大切な人たちを自らの手で傷つける……
【chara 105913 face 4 (sad)】
また、あんな思いを……?
voice: vo_adv_5058003_051
アメス:
【chara 190011 face 6 (surprised)】
落ち着いて、コッコロたん。
【chara 190011 face 3 (anger)】
とにかく、あの子たちと解決策を探すの。
なんとかその精霊を御しきることができれば……
voice: vo_adv_5058003_052
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
それは……できません。
voice: vo_adv_5058003_053
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
コッコロたん……だけど……
voice: vo_adv_5058003_054
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
あの黒い精霊の力が、いつ暴走するか……分からないのですよね。
いえ、こうしてアメスさまが直々にお伝えしてくださっている以上、
きっともう時間がないのでしょう。
voice: vo_adv_5058003_055
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
このまま、主さまたちの元に戻れば……
わたくしはきっと、力を抑えきれずあの方たちを傷つけてしまう。
voice: vo_adv_5058003_056
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
それだけは……それだけは、嫌です……!
voice: vo_adv_5058003_057
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
……っ。
voice: vo_adv_5058003_058
コッコロ:
【chara 105913 face 2 (joy)】
アメスさま。
直接お伝えくださり、ありがとうございます。
voice: vo_adv_5058003_059
コッコロ:
【chara 105913 face 1 (normal)】
わたくし、決めました。
voice: vo_adv_5058003_060
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
この街を……出ようと思います。
voice: vo_adv_5058003_061
アメス:
【chara 190011 face 3 (anger)】
……その意味が分かってる?
【chara 190011 face 4 (sad)】
さっき言ったと思うけど、今、コッコロたんの存在は消えかかってる。
voice: vo_adv_5058003_062
アメス:
【chara 190011 face 3 (anger)】
周りの人たちがコッコロたんのことを忘れていってるのは、そのせい。
【chara 190011 face 4 (sad)】
でも、近くにさえいれば。
……記憶を、思い出を、なんとか繋ぎ止めておくことはできる。
voice: vo_adv_5058003_063
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
今、コッコロたんが街を出たら……
{player}たちの元を離れてしまったら……
voice: vo_adv_5058003_064
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
ギリギリ繋ぎ止めていたあなたとの記憶や思い出は、
本当になくなってしまうかもしれない。
なによりも大切な人たちに、忘れられちゃうかもしれないのよ?
voice: vo_adv_5058003_065
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
……よいのです、アメスさま。
voice: vo_adv_5058003_066
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
この力が暴走してしまえば、
今度こそペコリーヌさまやキャルさま、
主さまに……大けがをさせてしまうかもしれません。
voice: vo_adv_5058003_067
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
なによりも大切な人たちだからこそ、
わたくしは傷つけたくありません。
それに……
voice: vo_adv_5058003_068
コッコロ:
【chara 105913 face 1 (normal)】
わたくしは主さまを導くのが使命。
【chara 105913 face 2 (joy)】
主さまに幸せになっていただくことが、わたくしの幸せなのです。
voice: vo_adv_5058003_069
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
今のわたくしでは、幸せにするどころか、傷つけてしまいます。
それでは従者として失格でございます。
voice: vo_adv_5058003_070
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
コッコロたん……
voice: vo_adv_5058003_071
コッコロ:
【chara 105913 face 1 (normal)】
……たとえ主さまがわたくしを忘れたとしても。
わたくしは、主さまの幸せを願い続けます。
【chara 105913 face 2 (joy)】
願って、祈り続けることはできます。
voice: vo_adv_5058003_072
コッコロ:
【chara 105913 face 4 (sad)】
わたくしには、それで十分です。
voice: vo_adv_5058003_073
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
……もう、決めたのね?
voice: vo_adv_5058003_074
コッコロ:
【chara 105913 face 3 (anger)】
はい。
voice: vo_adv_5058003_075
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
分かった。
ならもう、あたしは何も言わないわ。
voice: vo_adv_5058003_076
コッコロ:
【chara 105913 face 2 (joy)】
いつも見守っていただいてありがとうございます、アメスさま。
voice: vo_adv_5058003_077
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
……感謝なんてしないでちょうだい。
voice: vo_adv_5058003_078
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
あたしはきっと、コッコロたんならこういう選択をするって、
分かっていたの。それなのに、あたしは……なにもできずに……
voice: vo_adv_5058003_079
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
ごめんなさい、コッコロたん。
何度でも謝るわ。
そして、どうかあなたが幸せになるように祈っているから……!
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_5058003_080
コッコロ:
【chara 105913 face 1 (normal)】
ん……
voice: vo_adv_5058003_081
コッコロ:
【chara 105913 face 1 (normal)】
さて、参りましょうか。
【chara 105913 face 2 (joy)】
きっとペコリーヌさまが、ごはんを作って待っています。
voice: vo_adv_5058003_082
コッコロ:
【chara 105913 face 2 (joy)】
しっかりと噛み締めて、味わうといたしましょう。
voice: vo_adv_5058003_083
コッコロ:
【chara 105913 face 2 (joy)】
──最後の、楽しい食卓を。
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
皆が寝静まった夜。
movie: 505800301