残響：嚮導老君
ある開発室の中で意識を取り戻すあなた。そこで嚮導老君、棗宙と模索路晶の会話を聞く。幸雨澄花を開発に参加させた理由を語った宙は、彼女に『願いが生まれる瞬間』を見つけることを誓う。
--- Switch scene ---
ナレーション：
【chara 0 face 1 (normal)】
──それは、確かにあったかつての時間。
あなたの意識はゆっくりと目覚めてゆく。
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_5201008_000
宙：
【chara 107231 face 1 (normal)】
…………
voice: vo_adv_5201008_001
晶：
【chara 106831 face 7 (special_a)】
長老、ちょっといい？
voice: vo_adv_5201008_002
宙：
【chara 107231 face 6 (surprised)】
晶か。
【chara 107231 face 1 (normal)】
今は『彼女』と研究中だ、後にしなさい。
voice: vo_adv_5201008_003
晶：
【chara 106831 face 7 (special_a)】
あの子だけログインさせて、長老は眺めてるだけに見えるけど。
……何やらせてるの？
voice: vo_adv_5201008_004
宙：
【chara 107231 face 1 (normal)】
風を感じてもらっている。
voice: vo_adv_5201008_005
晶：
【chara 106831 face 4 (sad)】
…………なるほど。
仮初の作りものに過ぎない自然現象を彼女に感じ取ってもらい、
限りなくリアルな感触に近づけていくってことね。
voice: vo_adv_5201008_006
宙：
【chara 107231 face 1 (normal)】
話は長くなりそうか。
voice: vo_adv_5201008_007
晶：
【chara 106831 face 7 (special_a)】
それは長老次第かな。
アタシは教えてほしいだけだよ。
voice: vo_adv_5201008_008
宙：
【chara 107231 face 6 (surprised)】
フム、『彼女』のことか。
人払いも済ませているようだな。
voice: vo_adv_5201008_009
晶：
【chara 106831 face 7 (special_a)】
まぁね。
【chara 106831 face 4 (sad)】
どうもアタシは、七冠の中じゃ孤立しがちなんで、
話すときは一対一に限る。
voice: vo_adv_5201008_010
宙：
【chara 107231 face 1 (normal)】
では聞くとしよう。
voice: vo_adv_5201008_011
晶：
【chara 106831 face 7 (special_a)】
……どうしてあの子なの。
【chara 106831 face 4 (sad)】
医術に関してアタシなんかよりよっぽど詳しい長老なら、
あの子の容態は分かってたんだよね？
voice: vo_adv_5201008_012
宙：
【chara 107231 face 1 (normal)】
ああ。
実際に診た上での判断だ。
voice: vo_adv_5201008_013
晶：
【chara 106831 face 3 (anger)】
…………
voice: vo_adv_5201008_014
宙：
【chara 107231 face 1 (normal)】
幸雨澄花。
あの少女と出会ったのは、ある病院だった。
voice: vo_adv_5201008_015
宙：
【chara 107231 face 1 (normal)】
彼女の症状は現代医学では手の施しようがなく、
あとは緩やかに残された時を数えるのみ、という段階であった。
voice: vo_adv_5201008_016
晶：
【chara 106831 face 4 (sad)】
どうせあれでしょ。
病院側から、ダメ元で七冠に声がかかったんでしょ。
【chara 106831 face 7 (special_a)】
……よく引き受けたね、長老。病院側も驚いてたんじゃない？
voice: vo_adv_5201008_017
宙：
【chara 107231 face 1 (normal)】
人類の未来を考えるのであれば、
手の施しようがない、などという結果を残してはおけぬ。
現在の不可能を一つ一つ潰すのも、先達の務めであろう。
voice: vo_adv_5201008_018
宙：
【chara 107231 face 4 (sad)】
しかし、彼女の病の進行は私から見ても、
時間が足りぬと判断せざるを得なかった。
voice: vo_adv_5201008_019
晶：
【chara 106831 face 4 (sad)】
……そう、だね。
時間さえあれば……もっと手段が……
voice: vo_adv_5201008_020
宙：
【chara 107231 face 1 (normal)】
私は彼女と言葉を交わし、その願いを聞いた。
その身に希望があるならば助力しようと──【chara 107231 face 4 (sad)】
だが──
voice: vo_adv_5201008_021
晶：
【chara 106831 face 6 (surprised)】
……なんて言ったの？
voice: vo_adv_5201008_022
宙：
【chara 107231 face 1 (normal)】
「ない」。
voice: vo_adv_5201008_023
宙：
【chara 107231 face 1 (normal)】
と、答えた。
voice: vo_adv_5201008_024
晶：
【chara 106831 face 4 (sad)】
……っ。
voice: vo_adv_5201008_025
宙：
【chara 107231 face 1 (normal)】
……晶よ。
かつて私は、この世界の深淵を知った。
【chara 107231 face 3 (anger)】
今見えているもののさらに先、遍く星々の彼方で。
voice: vo_adv_5201008_026
晶：
【chara 106831 face 6 (surprised)】
それって……
voice: vo_adv_5201008_027
宙：
【chara 107231 face 3 (anger)】
『それ』を知ったとき、私の願いが生まれたのだと思っている。
【chara 107231 face 1 (normal)】
お前にもあっただろう。
願いの生まれる瞬間──かの少年との出会いが。
voice: vo_adv_5201008_028
宙：
【chara 107231 face 4 (sad)】
だが……彼女には。
そういった願いの生まれる瞬間さえもなかったのだろう。
voice: vo_adv_5201008_029
宙：
【chara 107231 face 1 (normal)】
そこで私は彼女に、『これ』を渡した。
voice: vo_adv_5201008_030
晶：
【chara 106831 face 7 (special_a)】
『mimi』、か……【chara 106831 face 6 (surprised)】
しかも長老、かなり手を入れてるでしょ。
【chara 106831 face 4 (sad)】
うわぁ、絶対ブラックボックスの塊じゃん……
voice: vo_adv_5201008_031
宙：
【chara 107231 face 1 (normal)】
私は彼女を、今まさに生み出されようとしている新世界へと導いた。
【chara 107231 face 3 (anger)】
結果は……分かるな？
voice: vo_adv_5201008_032
晶：
【chara 106831 face 7 (special_a)】
『あのシステム』を使ったログインに見事成功。
【chara 106831 face 4 (sad)】
アタシたちが喉から手が出るほど欲しかった才能を持っていた、と。
voice: vo_adv_5201008_033
宙：
【chara 107231 face 1 (normal)】
ウム。
voice: vo_adv_5201008_034
晶：
【chara 106831 face 7 (special_a)】
……いきさつは分かったよ。
長老なりに、彼女を導こうとしてたってことも。
voice: vo_adv_5201008_035
晶：
【chara 106831 face 4 (sad)】
願いがない、か……確かにそんなの、悲しすぎる。
voice: vo_adv_5201008_036
晶：
【chara 106831 face 3 (anger)】
だったらさ、絶対に見つけてあげなきゃダメだよ。
【chara 106831 face 4 (sad)】
あの子の出会いを。
voice: vo_adv_5201008_037
晶：
【chara 106831 face 7 (special_a)】
──願いが生まれる瞬間を。
voice: vo_adv_5201008_038
宙：
【chara 107231 face 1 (normal)】
ああ、無論だ。
voice: vo_adv_5201008_039
ゾラ：
【chara 107211 face 1 (normal)】
……調子はどうだ。
Choice: (1) 風が気持ちいい。
Choice: (2) お腹が空いてきた。
----- Tag 1 -----
voice: vo_adv_5201008_040
ゾラ：
【chara 107211 face 2 (joy)】
そうか。
真那がいい仕事をしているようだ。
【chara 107211 face 1 (normal)】
天候システムの調整はこのまま任せるとしよう。
Jump to tag 3
----- Tag 2 -----
voice: vo_adv_5201008_041
ゾラ：
【chara 107211 face 2 (joy)】
空腹を感じるか。よいことだ。
【chara 107211 face 1 (normal)】
では、似々花の作った林檎を食してもらい、食感や味を聞こう。
----- Tag 3 -----
voice: vo_adv_5201008_042
ゾラ：
【chara 107211 face 1 (normal)】
一つ問いに答えてほしい。
voice: vo_adv_5201008_043
ゾラ：
【chara 107211 face 4 (sad)】
……私の導きに従ったこと、後悔はないか。
Choice: (4) …………
----- Tag 4 -----
voice: vo_adv_5201008_044
澄花：
【chara 1 face 1 (normal)】
ないよ、宙おじさん。
voice: vo_adv_5201008_045
ゾラ：
【chara 107211 face 2 (joy)】
……そうか。
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_5201008_046
宙：
【chara 107231 face 6 (surprised)】
フム、もうこんな時間か。
【chara 107231 face 1 (normal)】
今日の研究はここまでとしよう。
voice: vo_adv_5201008_047
宙：
【chara 107231 face 1 (normal)】
いつもより早いが、この後に予定が入っているのだ。
【chara 107231 face 2 (joy)】
……人を待たせていてな。
voice: vo_adv_5201008_048
宙：
【chara 107231 face 4 (sad)】
すまぬが、いつものように部屋まで送って行くことができぬ。
【chara 107231 face 1 (normal)】
職員に任せるが、許してほしい。
Choice: (5) なんだかうれしそうだね？
----- Tag 5 -----
voice: vo_adv_5201008_049
宙：
【chara 107231 face 6 (surprised)】
ム。表情に出ていたか。
【chara 107231 face 2 (joy)】
確かに、喜びを感じている。
voice: vo_adv_5201008_050
宙：
【chara 107231 face 2 (joy)】
久々に娘に会えるとあってはな。
voice: vo_adv_5201008_051
宙：
【chara 107231 face 2 (joy)】
では、失礼しよう。
【chara 107231 face 1 (normal)】
……あとはよろしく頼む。
voice: vo_adv_5201008_052
研究員：
【chara 7531 face 1 (normal)】
お送りします。
ナレーション：
【chara 0 face 1 (normal)】
──その、少し後。
voice: vo_adv_5201008_053
？？？：
【chara 1 face 1 (normal)】
ここは……どこなのでしょうか……
voice: vo_adv_5201008_054
？？？：
【chara 1 face 1 (normal)】
人も全然いません……
voice: vo_adv_5201008_055
？？？：
【chara 1 face 1 (normal)】
お父さま……
Choice: (6) どうかしたの？
----- Tag 6 -----
voice: vo_adv_5201008_056
？？？：
【chara 105932 face 6 (surprised)】
おや、あなたは……もしや、ここの研究員の方でしょうか？
voice: vo_adv_5201008_057
？？？：
【chara 105932 face 6 (surprised)】
ふむ？ 研究員ではない？
協力者……で、ございますか。
voice: vo_adv_5201008_058
？？？：
【chara 105932 face 4 (sad)】
えっと、
わたくしはこちらで働いているお父さま……開発者の家族でして……
今日はお父さまに誘っていただいて、見学に来ていたのです。
voice: vo_adv_5201008_059
？？？：
【chara 105932 face 4 (sad)】
お父さまには待合室で待っているようにと言われていたのですが、
その……お手洗いを済ませて戻ろうとしたら、
なぜか同じような見た目の通路ばかりの場所に……
voice: vo_adv_5201008_060
？？？：
【chara 105932 face 4 (sad)】
ここはどの辺りなのでしょうか？
voice: vo_adv_5201008_061
？？？：
【chara 105932 face 6 (surprised)】
……え？
開発室とは違う場所？
あなたのお住まいがある場所なのでございますか……！？
voice: vo_adv_5201008_062
？？？：
【chara 105932 face 4 (sad)】
申し訳ありません。
すっかり迷ってしまったみたいで……
Choice: (7) 案内しようか？
----- Tag 7 -----
voice: vo_adv_5201008_063
？？？：
【chara 105932 face 6 (surprised)】
よろしいのですか？
【chara 105932 face 2 (joy)】
ありがとうございます……！
voice: vo_adv_5201008_064
？？？：
【chara 105932 face 6 (surprised)】
あ、えっと……わたくしが押しましょうか？
【chara 105932 face 4 (sad)】
その──車椅子を……
voice: vo_adv_5201008_065
？？？：
【chara 105932 face 6 (surprised)】
あ、自動で動くから大丈夫なのですね。
すごい技術でございますね……
voice: vo_adv_5201008_066
？？？：
【chara 105932 face 6 (surprised)】
先ほどは協力者とおっしゃいましたが、
あなたはお父さまとお仕事をすることもあるのでしょうか？
voice: vo_adv_5201008_067
？？？：
【chara 105932 face 4 (sad)】
あ、申し訳ありません。
お父さまの名は──
Choice: (8) 棗宙、でしょ。
----- Tag 8 -----
voice: vo_adv_5201008_068
？？？：
【chara 105932 face 6 (surprised)】
ご存じなのですか？
voice: vo_adv_5201008_069
？？？：
【chara 105932 face 6 (surprised)】
え？ わたくしの顔も知っている？
……机の上に、わたくしの写真が……？
voice: vo_adv_5201008_070
？？？：
【chara 105932 face 2 (joy)】
そうなのですか……お父さまが、わたくしの写真を飾って……
voice: vo_adv_5201008_071
？？？：
【chara 105932 face 2 (joy)】
…………
voice: vo_adv_5201008_072
？？？：
【chara 105932 face 6 (surprised)】
その……【chara 105932 face 4 (sad)】
お父さまは寡黙な方ですし、頭も大変良い方ですから。
わたくしはいつも、お父さまの考えていることが分からなかったのです。
voice: vo_adv_5201008_073
？？？：
【chara 105932 face 4 (sad)】
もしかしたら、わたくしは娘として相応しくないのかも、などと……
不安になることも、あって……
Choice: (9) そんなことはないよ、絶対に。
----- Tag 9 -----
voice: vo_adv_5201008_074
澄花：
【chara 52731 face 8 (special_b)】
だって今日の宙おじさん、うれしそうだったもの。
娘に会えるから、って。
voice: vo_adv_5201008_075
？？？：
【chara 105932 face 2 (joy)】
……──
voice: vo_adv_5201008_076
宙：
【chara 107231 face 2 (joy)】
──こころ。
voice: vo_adv_5201008_077
こころ：
【chara 105932 face 2 (joy)】
！ お父さま……！
voice: vo_adv_5201008_078
宙：
【chara 107231 face 4 (sad)】
このような場所にいるとは。
捜したぞ。
voice: vo_adv_5201008_079
こころ：
【chara 105932 face 4 (sad)】
申し訳ありません、お父さま。
わたくしがお父さまの言いつけを守らなかったばかりに……
voice: vo_adv_5201008_080
宙：
【chara 107231 face 6 (surprised)】
いや、構わぬ。
年齢よりもしっかりした子とはいえ、
【chara 107231 face 4 (sad)】
離れた場所で待たせてしまった父が悪いのだ。
voice: vo_adv_5201008_081
宙：
【chara 107231 face 4 (sad)】
他の七冠に会わせるのも成長に過剰な影響がありそうなのでな。
これからは気を付けるとしよう。
voice: vo_adv_5201008_082
宙：
【chara 107231 face 6 (surprised)】
【chara 105932 face 1 (normal)】
……お前が見つけてくれたのだな。
【chara 107231 face 2 (joy)】
こころを導いてくれたこと、感謝する。
Choice: (10) 会えてよかったね。
----- Tag 10 -----
voice: vo_adv_5201008_083
宙：
【chara 107231 face 2 (joy)】
ウム。では行こうか、こころ。
お腹が空いただろう、まずは食事に行くとしよう。
voice: vo_adv_5201008_084
こころ：
【chara 105932 face 2 (joy)】
はい、お父さま。
【chara 105932 face 6 (surprised)】
あ……少しだけ、お待ちください。
voice: vo_adv_5201008_085
こころ：
【chara 105932 face 2 (joy)】
あのっ。
またどこかで、お会いできますでしょうか……！
Choice: (11) ……うん、またどこかで。
----- Tag 11 -----
voice: vo_adv_5201008_086
宙：
【chara 107231 face 2 (joy)】
…………
ナレーション：
【chara 0 face 1 (normal)】
七冠──嚮導老君。
棗宙、その娘との小さな出会い。
運命の導きによって生まれた、繋がりであった。