位相を合わせて
チカとランファは改めて言葉を交わし、互いの心の内を知る。本当の意味で打ち解けた翌日、チカが新しい特訓方法としてランファに提案したのは、自分の中にある気持ちを詞の形で表現することだった。
-------------- situation:
位相を合わせて
--------------
ナレーション：
【chara 0 face 1 (normal)】
{player}と話したことで、解決の糸口が見えたチカ。
彼女はエルフの里へ戻り、ランファを捜していた。
voice: vo_adv_5202003_000
チカ：
【chara 134411 face 6 (surprised)】
ランファさんっ！
voice: vo_adv_5202003_001
ランファ：
【chara 134311 face 6 (surprised)】
っ……！
チ、チカちゃん……？
voice: vo_adv_5202003_002
チカ：
【chara 134411 face 4 (sad)】
はぁ、はぁ……
急に大きな声を出してごめんなさい。
voice: vo_adv_5202003_003
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
私、ランファさんと話したいことがあるんです。
今大丈夫ですか？
voice: vo_adv_5202003_004
ランファ：
【chara 134311 face 6 (surprised)】
話したい、こと……
【chara 134311 face 4 (sad)】
……
……そう、わかったわ……
voice: vo_adv_5202003_005
ランファ：
【chara 134311 face 4 (sad)】
あの……先に謝らせて……？
わたし、迷惑ばっかりだったから……
いい弟子じゃなくて、ごめんなさい……
voice: vo_adv_5202003_006
チカ：
【chara 134411 face 6 (surprised)】
……え？
ちょっと待ってください。
【chara 134411 face 4 (sad)】
ランファさん、何の話をしてるんですか？
voice: vo_adv_5202003_007
ランファ：
【chara 134311 face 6 (surprised)】
えっ……？
特訓はおしまいって話じゃ、ないの……？
voice: vo_adv_5202003_008
チカ：
【chara 134411 face 4 (sad)】
そんな、違います！
【chara 134411 face 1 (normal)】
私はただ、今の状況とか、そういうのは関係なしに
ランファさんと話がしたいだけです。
voice: vo_adv_5202003_009
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
私たちって、ランドソルで戦ったときから始まって
今では普通に協力したりできますけど、
【chara 134411 face 4 (sad)】
ちゃんとお話ししたことってあまりなかったですよね。
voice: vo_adv_5202003_010
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
だからこそ、一度ちゃんと話せたらって思っただけで……
【chara 134411 face 2 (joy)】
本当に、それだけなんです。
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_5202003_011
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
私、あのときも、ランファさんたちが投降してくれて
ほっとしたと同時に、【chara 134411 face 2 (joy)】
ちょっとだけうれしかったんです。
voice: vo_adv_5202003_012
チカ：
【chara 134411 face 2 (joy)】
ああ、よかった。
これで自分に似た力を持ってる人に、武器を向けなくて済む。
voice: vo_adv_5202003_013
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
それだけじゃありません。
もしかしたら、これをきっかけに仲間になれるかも……って。
--- Switch scene ---
still display end
voice: vo_adv_5202003_014
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
だから今回……あなたと仲間になれて、
【chara 134411 face 2 (joy)】
唱喚士として力になれるって聞いて
すごく張り切ってたんです。
voice: vo_adv_5202003_015
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
私にできることがあればなんでも手伝いたいって思って……
一人で張り切って……【chara 134411 face 4 (sad)】
結果的に、そのせいで空回ってしまいました。
voice: vo_adv_5202003_016
チカ：
【chara 134411 face 4 (sad)】
唱喚士にとって最初の契約の歌は、その人の心の中から湧き上がるもの。
【chara 134411 face 1 (normal)】
それってきっと、無理して頑張って生み出すものじゃなくて、
自然に生まれるものだと思うんです。
voice: vo_adv_5202003_017
チカ：
【chara 134411 face 4 (sad)】
なのに私は、自分が導くことに必死で、
ランファさんの言葉をちゃんと聞いてなかった。
これじゃ、自然になんて難しいですよね。
voice: vo_adv_5202003_018
チカ：
【chara 134411 face 4 (sad)】
本当はこうして、ちゃんと話をすればよかったのに……
勝手に判断して、先走っちゃって本当にごめんなさい。
voice: vo_adv_5202003_019
ランファ：
【chara 134311 face 2 (joy)】
……いいえ。
謝るのは、わたしのほうよ……
voice: vo_adv_5202003_020
ランファ：
【chara 134311 face 1 (normal)】
わたし……
みんなが優しくて……【chara 134311 face 4 (sad)】
怖かったの……
voice: vo_adv_5202003_021
ランファ：
【chara 134311 face 1 (normal)】
【chara 134411 face 6 (surprised)】
わたしなんかに、優しくしてくれて……
つきあってくれて……
【chara 134311 face 4 (sad)】
なのに……ぜんぜん、うまくいかなくて……
voice: vo_adv_5202003_022
ランファ：
【chara 134311 face 4 (sad)】
だめなわたしのせいで……
このままじゃ……きっと、がっかりさせちゃう……
それが……とっても、怖いの……
voice: vo_adv_5202003_023
チカ：
【chara 134411 face 6 (surprised)】
ランファさん……
【chara 134411 face 1 (normal)】
そうだったんですね。
voice: vo_adv_5202003_024
チカ：
【chara 134411 face 2 (joy)】
なんだか、少しだけ分かってきた気がします。
【chara 134411 face 1 (normal)】
ランファさんは、優しい人なんですね。
voice: vo_adv_5202003_025
ランファ：
【chara 134311 face 6 (surprised)】
そんなこと、ないわ……
【chara 134311 face 4 (sad)】
わたしは、ただ……怖いだけ……
voice: vo_adv_5202003_026
ランファ：
【chara 134311 face 4 (sad)】
みんなの音が、怖くて……傷つきたくないだけ……
voice: vo_adv_5202003_027
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
でも、あなたは里からこっそりいなくなることもできたのに、
そうしなかった。
voice: vo_adv_5202003_028
ランファ：
【chara 134311 face 1 (normal)】
だって……
迷惑をかけてるのは、本当だし……
voice: vo_adv_5202003_029
ランファ：
【chara 134311 face 6 (surprised)】
こんなわたしに、優しくしてくれたから……
【chara 134311 face 2 (joy)】
わたしも、できることをしたいだけ、だわ……
voice: vo_adv_5202003_030
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
どんな気持ちがきっかけでも、
そうやって相手を思えるのは立派な『優しさ』ですよ。
【chara 134411 face 2 (joy)】
もう、おとなしく認めてください。
voice: vo_adv_5202003_031
ランファ：
【chara 134311 face 6 (surprised)】
で、でも……
【chara 134311 face 7 (special_a)】
うぅ……
……【chara 134311 face 4 (sad)】
チカちゃん、ちょっといじわるだわ……
voice: vo_adv_5202003_032
チカ：
【chara 134411 face 6 (surprised)】
そういうランファさんはちょっと頑固です。
voice: vo_adv_5202003_033
ランファ・チカ：
【chara 1 face 1 (normal)】
…………
……【chara 134311 face 2 (joy)】
【chara 134411 face 2 (joy)】
ふふっ。
voice: vo_adv_5202003_034
ランファ：
【chara 134311 face 2 (joy)】
話せて、よかった……
チカちゃんは本当に、わたしのことを考えてくれてたのね……
voice: vo_adv_5202003_035
ランファ：
【chara 134311 face 1 (normal)】
なのにわたし……
【chara 134311 face 6 (surprised)】
勝手に怖がって……
voice: vo_adv_5202003_036
ランファ：
【chara 134311 face 6 (surprised)】
……？
どうして……【chara 134311 face 4 (sad)】
急に、眠く……
voice: vo_adv_5202003_037
ランファ：
【chara 134311 face 4 (sad)】
あ……だめ……
もう少し、おしゃべりしたい……のに……
ナレーション：
【chara 0 face 1 (normal)】
…………
……
Choice: (1) ランファさんとは話せた？
----- Tag 1 -----
voice: vo_adv_5202003_038
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
あっ……{player}さん。
私を捜してくれたんですか？
voice: vo_adv_5202003_039
チカ：
【chara 134411 face 2 (joy)】
ありがとうございます。
【chara 134411 face 1 (normal)】
ですがすみません、もうちょっと声を落としてもらえると……
Choice: (2) どうかしたの？
----- Tag 2 -----
voice: vo_adv_5202003_040
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
実は……【chara 134411 face 2 (joy)】
ほら、見てください。
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_5202003_041
ランファ：
【chara 134311 face 1 (normal)】
すぅ……すぅ……
voice: vo_adv_5202003_042
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
この通り、ランファさんがぐっすり寝ちゃってて。
【chara 134411 face 2 (joy)】
ずっと大変でしたから、今は寝かせておいてあげたいんです。
voice: vo_adv_5202003_043
チカ：
【chara 134411 face 2 (joy)】
よければ{player}さんもこっちにどうぞ。
【chara 134411 face 1 (normal)】
あまり大きな声で話して、起こしちゃったら申し訳ないですから。
Choice: (3) いい方向にいったみたいだね。
----- Tag 3 -----
voice: vo_adv_5202003_044
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
【chara 134411 face 2 (joy)】
はい。
……話してみたら、本当に簡単なことでした。
voice: vo_adv_5202003_045
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
少し言葉を交わしただけなのに、
ランファさんの気持ちに、近づけた気がします。
【chara 134411 face 4 (sad)】
……私、なんで気がつけなかったんだろう……修業が足りませんね。
Choice: (4) それだけ一生懸命だったんだよ。
----- Tag 4 -----
voice: vo_adv_5202003_046
チカ：
【chara 134411 face 4 (sad)】
それで視野が狭くなっちゃうのは、悪い癖ですけどね……
voice: vo_adv_5202003_047
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
でも、そうですね。
私たちはきっと、お互いに一生懸命すぎたんです。
voice: vo_adv_5202003_048
チカ：
【chara 134411 face 4 (sad)】
一生懸命すぎたせいで見えるものも見えなくなっちゃって……
【chara 134411 face 1 (normal)】
二人とも、ある意味似た者同士ですね。
voice: vo_adv_5202003_049
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
でもこれで、明日からはもっと有意義な特訓ができると思います。
どうすれば一緒に悩んで、一緒に成長できるのか。
【chara 134411 face 2 (joy)】
やり方が少しずつ分かってきた気がします。
voice: vo_adv_5202003_050
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
あっ、それで私、一つ思いついたんです。
上手くいくかは分からないですけど、
これならランファさんも落ち着いて取り組めるかも──
voice: vo_adv_5202003_051
チカ：
【chara 134411 face 6 (surprised)】
……って、{player}さん？
Choice: (5) …………
----- Tag 5 -----
--- Switch scene ---
still display end
voice: vo_adv_5202003_052
チカ：
【chara 134411 face 6 (surprised)】
もしかして……【chara 134411 face 1 (normal)】
寝ちゃったんですか？
もう……
voice: vo_adv_5202003_053
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
でも、{player}さんは眠いのに
こんな夜遅くまで、私たちを心配してくれたんですよね。
voice: vo_adv_5202003_054
チカ：
【chara 134411 face 10 (special_d)】
背中があたたかい……
【chara 134411 face 1 (normal)】
こういう優しさがうれしいから、応えたくなる。
そうですよね、ランファさん。
voice: vo_adv_5202003_055
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
……【chara 134411 face 2 (joy)】
私も頑張ろう。
たとえ悩んでも、ランファさんと一緒に──
still display end
voice: vo_adv_5202003_056
ランファ：
【chara 134311 face 6 (surprised)】
作詞……？
voice: vo_adv_5202003_057
チカ：
【chara 134411 face 2 (joy)】
はい！
今日の特訓なんですが、今のランファさんの気持ちを
歌詞の形にしてみたらどうかなって思うんです。
voice: vo_adv_5202003_058
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
心の中って、素直に出すのはやっぱり難しいと思います。
でも一度文字にすることで気持ちの整理もできますし、
何より、手紙よりは人に見せやすいと思うんです。
voice: vo_adv_5202003_059
チカ：
【chara 134411 face 2 (joy)】
それに歌詞の形にしておけば、心の中を歌にする際に
取っ掛かりとなってくれるかもしれません。
【chara 134411 face 1 (normal)】
その……どうでしょうか？
voice: vo_adv_5202003_060
シェフィ：
【chara 106412 face 6 (surprised)】
でも、急に作詞なんてできるの？
【chara 106412 face 4 (sad)】
こういうのって咄嗟に思いつくものじゃないんじゃ……
voice: vo_adv_5202003_061
ランファ：
【chara 134311 face 6 (surprised)】
あっ……あの……
【chara 134311 face 1 (normal)】
わたし……詩は……少しだけ……
voice: vo_adv_5202003_062
ツムギ：
【chara 105411 face 1 (normal)】
えっ、作れるんですか？
voice: vo_adv_5202003_063
ランファ：
【chara 134311 face 6 (surprised)】
あ、えっと……
そんな……大したものじゃ、ないのよ……？
【chara 134311 face 2 (joy)】
ただ、趣味で……少しだけ……
voice: vo_adv_5202003_064
ランファ：
【chara 134311 face 2 (joy)】
ちょっと待ってね……
少し、書いてみるわ……
voice: vo_adv_5202003_065
ランファ：
【chara 134311 face 1 (normal)】
できたわ……
【chara 134311 face 4 (sad)】
でも……うぅん……
voice: vo_adv_5202003_066
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
見せてもらってもいいですか？
【chara 134411 face 6 (surprised)】
えっと──……！？
voice: vo_adv_5202003_067
チカ：
【chara 134411 face 6 (surprised)】
すごく丁寧な歌詞……！
ランファさんの気持ちが切々と伝わってくる……
voice: vo_adv_5202003_068
シェフィ：
【chara 106412 face 6 (surprised)】
チカさん？
そんなに驚くなんて、どんな歌詞が……
……
voice: vo_adv_5202003_069
コッコロ：
【chara 105913 face 6 (surprised)】
「見上げた遥かな空 今は暗く
伸ばした手 【chara 105913 face 1 (normal)】
隙間から 消えていく
星よりも儚い光」……
voice: vo_adv_5202003_070
ツムギ：
【chara 105411 face 6 (surprised)】
「心の翼は どこまでも淡い幻想
はばたける夢を見て眠る
【chara 105411 face 4 (sad)】
幸せな記憶も ないまま」……
voice: vo_adv_5202003_071
４人：
【chara 1 face 1 (normal)】
…………
voice: vo_adv_5202003_072
ランファ：
【chara 134311 face 6 (surprised)】
あの……
み、みんな……？
Choice: (6) 心にずっしりくる……
----- Tag 6 -----
voice: vo_adv_5202003_073
ツムギ：
【chara 105411 face 4 (sad)】
これ、ある意味すごい才能ですね……
なんかこう、胸に迫るっていうか。
うっかり引きずられるところでした……
voice: vo_adv_5202003_074
ランファ：
【chara 134311 face 6 (surprised)】
え、えっと……
【chara 134311 face 7 (special_a)】
ごめんなさい……？
voice: vo_adv_5202003_075
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
謝らないでください。
これもランファさんの素直な気持ちですから。
voice: vo_adv_5202003_076
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
それで……実際に書いてみて、どうでしたか？
何かきっかけになればと思ったんですが……
voice: vo_adv_5202003_077
ランファ：
【chara 134311 face 6 (surprised)】
それは……
……【chara 134311 face 1 (normal)】
あの。もう少し、考えてみてもいい……？
voice: vo_adv_5202003_078
ランファ：
【chara 134311 face 4 (sad)】
実は、今書いたものは……【chara 134311 face 6 (surprised)】
手癖、っていうのかしら……
急いでしまったから……
【chara 134311 face 4 (sad)】
なんだか、しっくりきてなくて……
voice: vo_adv_5202003_079
ランファ：
【chara 134311 face 1 (normal)】
まだ、わからないけど……
【chara 134311 face 2 (joy)】
今なら……もう少し、違うものが書けるかも……
voice: vo_adv_5202003_080
チカ：
【chara 134411 face 2 (joy)】
……分かりました。
そういうことなら問題ないです。
【chara 134411 face 1 (normal)】
もう一本……いえ、何本でも書いてみてください。
voice: vo_adv_5202003_081
チカ：
【chara 134411 face 1 (normal)】
心の中は、自分ですらなかなか理解できないものです。
時間をかけてゆっくり向き合えば……
【chara 134411 face 2 (joy)】
きっと、答えが見えてくるはずです。
voice: vo_adv_5202003_082
ランファ：
【chara 134311 face 2 (joy)】
ええ……！
ナレーション：
【chara 0 face 1 (normal)】
自分の中に眠る想いを探し、歌詞を綴るランファ。
その眼には、昨日までと違い確かな希望が感じられるのだった。
