プログラムを超えるもの
凶報を受けつつも、いつも通り弟子たちに稽古をつけるシナツ。定められたプログラム通りにしか動けない弟子に焦燥を募らせるが、全てを打ち明けることを決意し、マスクを外した素顔で弟子たちに相対する。
-------------- situation:
プログラムを超えるもの
--------------
ナレーション：
【chara 0 face 1 (normal)】
エリスの推論を聞かされたシナツは、
静かに、怒りを露にさせていた。
voice: vo_adv_5208003_000
シナツ：
【chara 135612 face 4 (sad)】
……儚い夢だな。
voice: vo_adv_5208003_001
シナツ：
【chara 135612 face 1 (normal)】
このシミュレーションを止め、
リセットのない未来を掴みたいなどと願っていたが。
【chara 135612 face 3 (anger)】
まさか、世界ごと……くっ。
voice: vo_adv_5208003_002
シナツ：
【chara 135612 face 3 (anger)】
シミュレーションのためなどと下らない理由で生み出された挙句、
必要がなくなれば削除だと……どれだけ人を馬鹿にすれば……！
voice: vo_adv_5208003_003
シナツ：
【chara 135612 face 3 (anger)】
外道め……っ！！
voice: vo_adv_5208003_004
シナツ：
【chara 135612 face 4 (sad)】
クリアを目指し延々と挑み続けたゲームのルールが、
突然、理不尽に変更されてしまったかのような気持ちだ。
……無念、極まりない……
voice: vo_adv_5208003_005
レイ：
【chara 108912 face 4 (sad)】
……シナツ。
voice: vo_adv_5208003_006
レイ：
【chara 108912 face 4 (sad)】
あなたの苦しみは、私には計り知れない。
気持ちが分かる……なんて簡単な言葉、口にはできない。
voice: vo_adv_5208003_007
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
でも。
諦めてしまうのか？
voice: vo_adv_5208003_008
シナツ：
【chara 135612 face 3 (anger)】
……では、どうしろと？
voice: vo_adv_5208003_009
レイ：
【chara 108912 face 4 (sad)】
それは分からない……【chara 108912 face 1 (normal)】
でも。
きっと道はあるはずだ。
voice: vo_adv_5208003_010
レイ：
【chara 108912 face 3 (anger)】
シナツ、私はこの世界にただ危機を伝えに来たわけじゃない。
この危機を乗り越える。
その手伝いをするために来たんだ。
voice: vo_adv_5208003_011
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
……っ！
voice: vo_adv_5208003_012
レイ：
【chara 108912 face 1 (normal)】
あなたが諦めない限り、私も全力を尽くす。
【chara 108912 face 2 (joy)】
私もヒヨリも、もとよりその覚悟だよ。
voice: vo_adv_5208003_013
レイ：
【chara 108912 face 1 (normal)】
……シナツ、諦めないで。
この世界の人々のために……【chara 108912 face 2 (joy)】
何より。
自分自身のために。
voice: vo_adv_5208003_014
レイ：
【chara 108912 face 1 (normal)】
私たちの人生は、許せないものばかりだった……自分のことすらもね。
そんな頑固で面倒な性格に生まれてしまった私たちに、
【chara 108912 face 2 (joy)】
諦めるなんて道はないはずだろう？
voice: vo_adv_5208003_015
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
……レイ。
voice: vo_adv_5208003_016
シナツ：
【chara 135612 face 2 (joy)】
……ふふ、キミの言う通りだ。
情けないところを見せてしまったな。
だが、もう大丈夫だ。
voice: vo_adv_5208003_017
シナツ：
【chara 135612 face 2 (joy)】
礼を言うよ、レイ。
voice: vo_adv_5208003_018
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
【chara 108912 face 4 (sad)】
な……なるほど。【chara 108912 face 2 (joy)】
レイだけに、礼か。
駄洒落を言うくらい元気になってくれてよかった。
【chara 108912 face 4 (sad)】
あ、あはは……【chara 108912 face 6 (surprised)】
面白いよ、今の。【chara 108912 face 2 (joy)】
傑作だなー
voice: vo_adv_5208003_019
シナツ：
【chara 135612 face 7 (special_a)】
……や、今のは駄洒落じゃない、不可抗力だ……！
【chara 135612 face 5 (shy)】
いくらユーモアのセンスがない私とはいえさすがに【chara 135612 face 4 (sad)】
……などと。
取り繕う必要などないか……会話が面白くないのは、事実だし……
voice: vo_adv_5208003_020
シナツ：
【chara 135612 face 8 (special_b)】
…………はあ。
voice: vo_adv_5208003_021
レイ：
【chara 108912 face 2 (joy)】
ふふ、それでこそシナツだ……【chara 108912 face 4 (sad)】
というのも変だけど。
……【chara 108912 face 6 (surprised)】
さて、じゃあどうしようか？
voice: vo_adv_5208003_022
シナツ：
【chara 135612 face 1 (normal)】
稽古に戻る。
弟子の指導の途中で出てきてしまったからな。
voice: vo_adv_5208003_023
レイ：
【chara 108912 face 1 (normal)】
そうか、確かに焦っても仕方ない。
【chara 108912 face 2 (joy)】
急いては事を仕損じる、とも言うからね。
【chara 108912 face 1 (normal)】
私も少し見学させてもらってもいいかな。
voice: vo_adv_5208003_024
シナツ：
【chara 135612 face 1 (normal)】
席を外してすまなかった。
稽古は続けていたようだな。
voice: vo_adv_5208003_025
弟子たち：
【chara 1 face 1 (normal)】
はっ、シナツ様！！
voice: vo_adv_5208003_026
レイ：
【chara 108912 face 2 (joy)】
活気があっていいね。
【chara 108912 face 6 (surprised)】
ずっと素振りを、ここで？
voice: vo_adv_5208003_027
シナツ：
【chara 135612 face 2 (joy)】
ああ。稽古の日はそうだ。
皆、よく努めてくれている。
voice: vo_adv_5208003_028
弟子１：
【chara 1011 face 6 (surprised)】
そちらの麗人は……？
心なしかシナツ様に似ておられるような……
【chara 1011 face 3 (anger)】
はっ！ はっ！
voice: vo_adv_5208003_029
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
あ……ああ、彼女はあれだ。
【chara 135612 face 4 (sad)】
５親等先に当たる私の親戚で──
voice: vo_adv_5208003_030
レイ：
【chara 108912 face 1 (normal)】
妹のレイです。
よろしく。
voice: vo_adv_5208003_031
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
２親等……！！
voice: vo_adv_5208003_032
弟子１：
【chara 1011 face 2 (joy)】
おお……シナツ様に似てお美しい……！
【chara 1011 face 3 (anger)】
はっ！ はっ！
voice: vo_adv_5208003_033
レイ：
【chara 108912 face 2 (joy)】
そんなことはないけど、
どうもありがとう。
voice: vo_adv_5208003_034
シナツ：
【chara 135612 face 4 (sad)】
……稽古熱心なのは素晴らしいが、
客人への挨拶の時くらい剣を振るうのをやめないか。
voice: vo_adv_5208003_035
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
……？
voice: vo_adv_5208003_036
弟子２：
【chara 1111 face 3 (anger)】
は……っ！
は……っ！
voice: vo_adv_5208003_037
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
……キミ、剣筋に陰りが見えるぞ？
何かあったのか？
voice: vo_adv_5208003_038
弟子２：
【chara 1111 face 4 (sad)】
い、いえ……なんでもっ……
【chara 1111 face 3 (anger)】
俺はシナツ様の弟子……これくらいのことで……
は……っ！ は……っ！ 【chara 1111 face 4 (sad)】
ぐううっ……
voice: vo_adv_5208003_039
レイ：
【chara 108912 face 3 (anger)】
……シナツ、様子がおかしい。
voice: vo_adv_5208003_040
シナツ：
【chara 135612 face 3 (anger)】
ああ。
【chara 135612 face 1 (normal)】
キミ、稽古を中断……【chara 135612 face 4 (sad)】
ぐぅ！
voice: vo_adv_5208003_041
弟子２：
【chara 1111 face 4 (sad)】
す、すみませんシナツ様……！
でも俺剣が……剣が止められないんです……！
は……っ！ は……っ！ は……っ！
voice: vo_adv_5208003_042
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
止められない……？
いったいどういうことだい？
voice: vo_adv_5208003_043
弟子２：
【chara 1111 face 3 (anger)】
……俺、夢を見たんです。
【chara 1111 face 4 (sad)】
覇瞳皇帝ってやつにみんな殺されちまう夢を……！
voice: vo_adv_5208003_044
弟子２：
【chara 1111 face 4 (sad)】
どうせ剣の稽古なんてしても殺されちまうって絶望して……
……正直、俺、稽古を休もうと思ってたんです。
でも体が勝手に動いて、こうやって剣を……はっ！ はっ！
voice: vo_adv_5208003_045
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
……っ！？
それは、まさか──
voice: vo_adv_5208003_046
シナツ：
【chara 135612 face 1 (normal)】
キミは日常の行動をプログラムされている──ということか。
voice: vo_adv_5208003_047
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
プログラム……？
voice: vo_adv_5208003_048
シナツ：
【chara 135612 face 4 (sad)】
今は稽古の時間だと、決められているんだ。
だから、個人の意思に関係なく、従わされる。
【chara 135612 face 3 (anger)】
どれだけ抗っても、稽古で剣を振る手は止められない……！
voice: vo_adv_5208003_049
レイ：
【chara 108912 face 4 (sad)】
そんな……【chara 108912 face 6 (surprised)】
シナツ、こんなに苦しそうなのに……
止める手段は何もないのか？
voice: vo_adv_5208003_050
シナツ：
【chara 135612 face 4 (sad)】
ああ。止められない……そうか。
そういうことか……あれは。
voice: vo_adv_5208003_051
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
シナツ……
もしかしてあなたもプログラム通りに……？
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_5208003_052
シナツ：
【chara 135613 face 3 (anger)】
……やはり強制されてしまうのか。
世界のリセットを繰り返す、このプログラムに……
抗うすべは、ないというのか……！？
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_5208003_053
シナツ：
【chara 135612 face 4 (sad)】
……そうだったのかもしれない。
私も、プログラムに縛られた単なるAIに過ぎないのだろう……
voice: vo_adv_5208003_054
シナツ：
【chara 135612 face 4 (sad)】
定められたプログラムには……抗えない。
voice: vo_adv_5208003_055
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
シナツにも抗えない……？
……プログラム通りにしか、動けない……？
voice: vo_adv_5208003_056
レイ：
【chara 108912 face 3 (anger)】
待て、おかしい。
そんなはずはないよ。
voice: vo_adv_5208003_057
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
……どういうことだ？
voice: vo_adv_5208003_058
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
よく考えてみて？ プログラムに抗えないとしたら、
なぜあなたは私たちの世界へ来られたの？
voice: vo_adv_5208003_059
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
……っ！
voice: vo_adv_5208003_060
レイ：
【chara 108912 face 1 (normal)】
あなたが私たちの世界へやってきたことは──
プログラムに決められた動きではないはずだよ。
voice: vo_adv_5208003_061
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
それに、彼らが稽古中なら
あなたは指導者としてのプログラムが設定されているはず。
【chara 108912 face 3 (anger)】
なのに、空から落ちる私を助けてくれた。
voice: vo_adv_5208003_062
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
シナツ……
あなたはプログラムに抗い、突破した。
そうじゃないのか？
voice: vo_adv_5208003_063
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
確かにその通りだ……私がキミたちの世界に行ったことも、
稽古の指導中にキミを助けに行けたことも。
そんなことプログラム通りの訳がない。
voice: vo_adv_5208003_064
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
あれは紛れもなく、私の“意志”だ──
voice: vo_adv_5208003_065
シナツ：
【chara 135612 face 1 (normal)】
……もしかして。
voice: vo_adv_5208003_066
弟子２：
【chara 1111 face 4 (sad)】
はあ……はあ……
やっと止まれた……
voice: vo_adv_5208003_067
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
今日の稽古の時間が終わったということか。
……【chara 108912 face 3 (anger)】
逆を言えば今日はもうこれ以上、
ただの一振りたりとも、剣は振れないということ……
voice: vo_adv_5208003_068
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
だがシナツ、みんなを集めて一体何を？
何か閃いた顔……【chara 108912 face 4 (sad)】
は、マスクで見えなかったけど……
voice: vo_adv_5208003_069
シナツ：
【chara 135612 face 2 (joy)】
皆、今日の稽古もご苦労だった。
voice: vo_adv_5208003_070
シナツ：
【chara 135612 face 1 (normal)】
……今日は解散……と言いたいところだが。
キミたちに伝えておきたいことがある。
voice: vo_adv_5208003_071
弟子１：
【chara 1011 face 6 (surprised)】
……は。
なんでしょう？
voice: vo_adv_5208003_072
シナツ：
【chara 135612 face 1 (normal)】
……キミたちを信じて打ち明ける。心して聞いてくれ。
……実は。
実は私たちは……
voice: vo_adv_5208003_073
シナツ：
【chara 135612 face 1 (normal)】
私たちは人ではない──
voice: vo_adv_5208003_074
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
……え？
ちょ、シナツ！
voice: vo_adv_5208003_075
弟子２：
【chara 1111 face 6 (surprised)】
……あ、あの。
人ではないってどういうことですか……？
voice: vo_adv_5208003_076
シナツ：
【chara 135612 face 1 (normal)】
さっき、皆が殺される夢を見たといったな。
あれは夢ではなく現実なんだ。
voice: vo_adv_5208003_077
シナツ：
【chara 135612 face 1 (normal)】
私たちは、
同じような毎日を、同じように繰り返すべく作り出された、
偽りの存在だ。
voice: vo_adv_5208003_078
シナツ：
【chara 135612 face 1 (normal)】
同じ出来事を繰り返すように作られているんだ。私も、キミたちも。
だから──嫌な夢を見た後だろうと、稽古をやめることはできない。
【chara 135612 face 3 (anger)】
この世界を、私たちを作り出したやつが、……そう定めたから。
voice: vo_adv_5208003_079
レイ：
【chara 108912 face 4 (sad)】
シナツ！
全部打ち明けるなんていったい何を……！？
voice: vo_adv_5208003_080
シナツ：
【chara 135612 face 4 (sad)】
……もっとうまい伝え方があったかもしれない。
残酷な現実を包み込む言い方があったのかもしれない。
【chara 135612 face 1 (normal)】
でも。私は彼らを信じている。
voice: vo_adv_5208003_081
シナツ：
【chara 135612 face 1 (normal)】
数えきれないほどの時間を一緒に鍛錬して過ごしてきたんだ。
私はキミたちの強さを知っている。
【chara 135612 face 2 (joy)】
だから。きっと乗り越えられると、信じて話した。
voice: vo_adv_5208003_082
弟子たち：
【chara 1 face 1 (normal)】
【chara 108912 face 6 (surprised)】
…………
……
voice: vo_adv_5208003_083
シナツ：
【chara 135612 face 4 (sad)】
突然こんな話をされ、理解が追い付かないだろう。
不安や戸惑いもきっとあるはず……【chara 135612 face 2 (joy)】
でもキミたちなら。
いつか受け入れられると信じている。
voice: vo_adv_5208003_084
シナツ：
【chara 135612 face 2 (joy)】
そして、受け入れ乗り越えた先に。
未来があるはずなんだ。
voice: vo_adv_5208003_085
シナツ：
【chara 135612 face 2 (joy)】
自分の意志を通せる未来が。
voice: vo_adv_5208003_086
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
自分の、意志……
voice: vo_adv_5208003_087
シナツ：
【chara 135612 face 1 (normal)】
……レイ。謎が解けたよ。
AIがプログラムを突破する方法……それは、
意志の力だ。
voice: vo_adv_5208003_088
シナツ：
【chara 135612 face 1 (normal)】
この世界のAIは非常に高度に作られている。
本物の人間との差がほとんど無いほどに。
【chara 135612 face 4 (sad)】
しかし、検証のためにプログラムという枷が嵌められている。
voice: vo_adv_5208003_089
シナツ：
【chara 135612 face 1 (normal)】
それを突破できるのは人間だけだ。
強い意志を持つ、人間だけ……【chara 135612 face 6 (surprised)】
だが。
人間しか持たぬはずの意志の力を持てたとすれば……？
voice: vo_adv_5208003_090
シナツ：
【chara 135612 face 1 (normal)】
空から落ちてくるキミを助けたいという強い意志。
リセットを止める方法を見つけたいという強い意志。
voice: vo_adv_5208003_091
シナツ：
【chara 135612 face 2 (joy)】
その意志が私を。
プログラムの呪縛から解き放ったんだ。
voice: vo_adv_5208003_092
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
意志の力……
……【chara 108912 face 1 (normal)】
なるほど。
voice: vo_adv_5208003_093
シナツ：
【chara 135612 face 4 (sad)】
私にできるのだろうか？
彼らに意志を持たせることが……？
voice: vo_adv_5208003_094
シナツ：
【chara 135612 face 3 (anger)】
いや、できるか、じゃない。
やるんだ……！
voice: vo_adv_5208003_095
シナツ：
【chara 135612 face 1 (normal)】
……皆。
私を……見てほしい……
voice: vo_adv_5208003_096
シナツ：
【chara 135611 face 4 (sad)】
……っ。
voice: vo_adv_5208003_097
弟子１：
【chara 1011 face 6 (surprised)】
……なっ！！？
シナツ様が……マスクを……！！
voice: vo_adv_5208003_098
シナツ：
【chara 135611 face 4 (sad)】
……少し、いや。
顔から火が出るほど恥ずかしいけど、【chara 135611 face 1 (normal)】
本音を伝えるには邪魔だから。
voice: vo_adv_5208003_099
シナツ：
【chara 135611 face 1 (normal)】
……改めて、皆。
voice: vo_adv_5208003_100
シナツ：
【chara 135611 face 1 (normal)】
いますぐに乗り越えられなくてもいい。
だが、諦めずに、頑張ってほしい。
voice: vo_adv_5208003_101
シナツ：
【chara 135611 face 3 (anger)】
キミたちなら絶対にできる。
揺るがぬ強い意志をきっと持てる……【chara 135611 face 2 (joy)】
なぜなら。
voice: vo_adv_5208003_102
シナツ：
【chara 135611 face 2 (joy)】
キミたちは、私の大事な弟子だから。
voice: vo_adv_5208003_103
弟子たち：
【chara 1 face 1 (normal)】
うっ…………！！！
voice: vo_adv_5208003_104
シナツ：
【chara 135611 face 6 (surprised)】
……っ、【chara 135611 face 8 (special_b)】
ダメだ…！
やはり私みたいな口下手女の言葉など彼らの心には響かない。
そうだ、そうに決まってる……しくじった……終わりだ……
voice: vo_adv_5208003_105
弟子たち：
【chara 1 face 1 (normal)】
美しいーーーっっ！！！
voice: vo_adv_5208003_106
レイ・シナツ：
【chara 1 face 1 (normal)】
「ええっ！？」
「……な！？」
voice: vo_adv_5208003_107
弟子１：
【chara 1011 face 1 (normal)】
す、すみませんシナツ様！
はじめて見たシナツ様のお姿があまりに美しく……！！
【chara 1011 face 2 (joy)】
我らその、ここ、興奮してしまい……！！
voice: vo_adv_5208003_108
シナツ：
【chara 135612 face 7 (special_a)】
……やだ、見ないで……
voice: vo_adv_5208003_109
弟子１：
【chara 1011 face 6 (surprised)】
ああ、またマスクを……！！
【chara 1011 face 4 (sad)】
ああっ、また見たい……！！
voice: vo_adv_5208003_110
弟子２：
【chara 1111 face 6 (surprised)】
……あのシナツ様。先程のお話、正直よく分からないのですが。
【chara 1111 face 1 (normal)】
もしも俺たちが頑張って乗り越えることができたら……
voice: vo_adv_5208003_111
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
……できたら？
voice: vo_adv_5208003_112
弟子２：
【chara 1111 face 3 (anger)】
もう一度マスクを取って！
俺たちに微笑みかけてくださいますか！？
voice: vo_adv_5208003_113
シナツ：
【chara 135612 face 4 (sad)】
……ん？
voice: vo_adv_5208003_114
弟子たち：
【chara 1 face 1 (normal)】
お願いします！！！！！！！
voice: vo_adv_5208003_115
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
ど……土下座！？
【chara 135612 face 4 (sad)】
それはそんなに安々とするもんじゃない！
お、おい分かったから顔をあげろ……
voice: vo_adv_5208003_116
弟子２：
【chara 1111 face 6 (surprised)】
つまりそれは！？
voice: vo_adv_5208003_117
シナツ：
【chara 135612 face 5 (shy)】
み……見せるっ。
マスクの……下……っ。
voice: vo_adv_5208003_118
弟子たち：
【chara 1 face 1 (normal)】
うおおぉぉぉおおおっ！！！
voice: vo_adv_5208003_119
弟子２：
【chara 1111 face 2 (joy)】
よおお～～し滾ってきたぞ！！
稽古だ稽古～っ！！ 【chara 1111 face 3 (anger)】
素振りはじめ～っ！！！
voice: vo_adv_5208003_120
弟子たち：
【chara 1 face 1 (normal)】
はっ！ はっ！ はっ！ はっ！
voice: vo_adv_5208003_121
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
お、おいキミたち！？
今日はもう稽古は終わりだぞ！？
【chara 108912 face 4 (sad)】
死にかけてたのにそのやる気はどこから……
voice: vo_adv_5208003_122
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
っ！！？
voice: vo_adv_5208003_123
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
待て……今日の稽古は終わりのはずだ。
プログラムに従うなら今日はもう剣は振れないはず……
なのに、この現象は……
voice: vo_adv_5208003_124
弟子たち：
【chara 1 face 1 (normal)】
はっ！ はっ！ はっ！ はっ！
voice: vo_adv_5208003_125
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
意志の力がプログラムを凌駕した……
【chara 108912 face 4 (sad)】
いやでも……意志というかこれ……
voice: vo_adv_5208003_126
弟子２：
【chara 1111 face 3 (anger)】
シナツ様の素顔！！ 見たい！！
voice: vo_adv_5208003_127
弟子１：
【chara 1011 face 3 (anger)】
シナツ様の素顔！！ 絶対見る！！
voice: vo_adv_5208003_128
弟子たち：
【chara 1 face 1 (normal)】
シナツ様の素顔！！ 見ないで死ねるか！！
voice: vo_adv_5208003_129
レイ：
【chara 108912 face 4 (sad)】
……これ意志じゃなくて、ものすごく邪……いや。
ピュアな願望なのでは……
voice: vo_adv_5208003_130
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
願望……そうか！
意志じゃない、願望だ……！
voice: vo_adv_5208003_131
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
【chara 108912 face 6 (surprised)】
願望こそが人とAIを分かつもの……
そしてプログラムを超えるためのトリガー……！！
--- Switch scene ---
ナレーション：
【chara 0 face 1 (normal)】
ザザ……
voice: vo_adv_5208003_132
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
っ！！
voice: vo_adv_5208003_133
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
え……どうしたのシナツ？
voice: vo_adv_5208003_134
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
今一瞬、管理者用の領域にエラーログが書き込まれた……
私でなければ見逃すほどの速度で、何者かに削除されたようだが。
内容は……
voice: vo_adv_5208003_135
シナツ：
【chara 135612 face 1 (normal)】
「住民のルーチンに過剰な変異を検出。
許容差を超える場合、循環的進化シミュレーション中断の可能性あり。」
voice: vo_adv_5208003_136
レイ・シナツ：
【chara 1 face 1 (normal)】
【chara 108912 face 6 (surprised)】
【chara 135612 face 6 (surprised)】
……っ！？
voice: vo_adv_5208003_137
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
……ちょっと待って。
シミュレーションが止まる……？
voice: vo_adv_5208003_138
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
この世界はなぜリセットが繰り返されるのか……
それはシミュレーションのため。
voice: vo_adv_5208003_139
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
だとすればシミュレーションの中断は、
この世界のリセットが止まるということ、なのか。
voice: vo_adv_5208003_140
シナツ：
【chara 135612 face 1 (normal)】
でも、この世界のリソースはすでに減ってきている。
シミュレーションが止まったとしても
世界ごと削除されてしまう可能性は──
voice: vo_adv_5208003_141
レイ：
【chara 108912 face 3 (anger)】
……今はまだ、確かなことは分からない。
【chara 108912 face 1 (normal)】
でも私にはこれが、一筋の光に感じるんだ……！
voice: vo_adv_5208003_142
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
……っ！！
voice: vo_adv_5208003_143
弟子たち：
【chara 1 face 1 (normal)】
はっ！ はっ！ はっ！ はっ！
voice: vo_adv_5208003_144
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
どんどん警告が流れてくる……
私がプログラムを無視した時はこんなもの流れなかったのに。
voice: vo_adv_5208003_145
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
恐らく数……じゃないかな。
大勢のAIに同時に異常が起こらなければ、
この警告は出ないのかもしれない。
voice: vo_adv_5208003_146
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
そうか……では。この世界の住人たちが皆、
プログラムから逸脱した行動を取るようになれば、あるいは。
【chara 135612 face 2 (joy)】
……光明が見えてきたな。
voice: vo_adv_5208003_147
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
こちらの世界がそうだということは。
アイラたちも──同じ結論にたどり着いているだろうか。
もし、まだだとしたら一刻も早く伝えなくては。
voice: vo_adv_5208003_148
レイ：
【chara 108912 face 1 (normal)】
そうだね。
疑似ソルオーブで{player}に連絡を。
Choice: (1) 直接伝えに行こう！
----- Tag 1 -----
voice: vo_adv_5208003_149
レイ：
【chara 108912 face 6 (surprised)】
【chara 135612 face 6 (surprised)】
【chara 108912 face 6 (surprised)】
え……キミは！
voice: vo_adv_5208003_150
シナツ：
【chara 135612 face 6 (surprised)】
基本世界の……
{player}か！？
ナレーション：
【chara 0 face 1 (normal)】
こうして一筋の希望を見つけ出したシナツとレイは、
アイラの複製世界への転送を決意するのであった。