反証:君と彼は他人である
塔に来た目的について、弟くんを守るためと答えるシズル。その大胆な愛情表現を前にユニは持論を展開しシズルと{player}は赤の他人であると説得する。しかしシズルの理解は得られないのだった。


-------------- situation:
反証:君と彼は他人である
--------------

ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】 とあるフロアで魔物の一群を掃討した3人は、
そのまましばしの小休憩を取っていた。

voice: vo_adv_7015002_000
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】 ややっ、なんだこの石は……!
【chara 111011 face 7 (special_a)】 興味深いじゃあないか、
既存の識別魔法にかからない未知の魔力を帯びているぞ!

voice: vo_adv_7015002_001
シズル:
【chara 104911 face 6 (surprised)】 ユニちゃん?
そんな隅っこにうずくまって何してるの?

voice: vo_adv_7015002_002
ユニ:
【chara 111011 face 2 (joy)】 宝探しさ。
君らにとってはただの石ころ集めにしか見えんだろうが、
学術的ないし魔術的に意義のあり得る素材を物色しているのだよ。

voice: vo_adv_7015002_003
ユニ:
【chara 111011 face 2 (joy)】 {player}後輩が自らの記憶を求めてここへ来たように、
ぼくは希少な研究素材を求めてここへ来たのだからな。

Choice: (1) いい素材あった?
----- Tag 1 -----
voice: vo_adv_7015002_004
ユニ:
【chara 111011 face 7 (special_a)】 ふっふ、虚弱な体に鞭打って外へ出た甲斐があったというもの。
【chara 111011 face 2 (joy)】 かくも大漁とは、まさに「濡れ手で粟」というやつだ。

voice: vo_adv_7015002_005
シズル:
【chara 104911 face 4 (sad)】 それを言うなら「濡れ手で粟」じゃないかな、ユニちゃん。

voice: vo_adv_7015002_006
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】 ……?
そう言ったが?

voice: vo_adv_7015002_007
シズル:
【chara 104911 face 6 (surprised)】 あ! ほんとだ、ごめん!
【chara 104911 face 4 (sad)】 身近な子の影響で、つい無意識の訂正癖が染みついちゃってて。

voice: vo_adv_7015002_008
シズル:
【chara 104911 face 5 (shy)】 もう、恥ずかしいなあ……
【chara 104911 face 2 (joy)】 帰ったらリノちゃんには教育的頭突きをしてあげなきゃだね。

voice: vo_adv_7015002_009
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】 ふむ……それでシズル君。
ぼくや彼の目的は先の通りだが、君はどうなのだね。
君がこの塔を訪れた目的は?

voice: vo_adv_7015002_010
シズル:
【chara 104911 face 6 (surprised)】 えっ?
だから、弟くんを守るためだよ?

voice: vo_adv_7015002_011
ユニ:
【chara 111011 face 4 (sad)】 ふむ、まあ、そうだろうな。

voice: vo_adv_7015002_012
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】 では質問を変えよう。
{player}君が今日ここに挑むという情報はどこから?
塔の前で我々と遭遇したのは、よもや偶然ではあるまい。

voice: vo_adv_7015002_013
シズル:
【chara 104911 face 2 (joy)】 うん、偶然じゃなくて運命だね♪
【chara 104911 face 5 (shy)】 お姉ちゃんはいつだって弟くんのピンチに駆けつけちゃうんだよ!

voice: vo_adv_7015002_014
ユニ:
【chara 111011 face 4 (sad)】 左様か……
【chara 111011 face 1 (normal)】 いいだろう、了解した。
君が運命と言うならそうなのだろう。

voice: vo_adv_7015002_015
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】 是非もなし。人には皆それぞれ事情や思惑があるものだ。
それによってこちらが不利益を被ることも無さそうだし、
あえて追及する必要もなかろう。好きにしたまえ。

voice: vo_adv_7015002_016
シズル:
【chara 104911 face 6 (surprised)】 ふーん……
ユニちゃんって本当に賢い子なんだ。
【chara 104911 face 2 (joy)】 そういう子、お姉ちゃん大好きだぞっ♪

Choice: (2) そろそろ先へ進もう。
----- Tag 2 -----
voice: vo_adv_7015002_017
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】 そうだな。
【chara 111011 face 1 (normal)】 長く留まっていては無用な危険を招くもとだ。

voice: vo_adv_7015002_018
シズル:
【chara 104911 face 6 (surprised)】 弟くん、足元気を付けてね。
【chara 104911 face 5 (shy)】 そうだ、お姉ちゃんと手を繋いで歩こっ?
ぎゅーって、ふふ、こうやって昔はよく一緒に歩いたもんね♪

voice: vo_adv_7015002_019
ユニ:
【chara 111011 face 3 (anger)】 むっ、待て。
ぎゅーだと? 今なにやら風紀の乱れる音がしたぞ。

voice: vo_adv_7015002_020
シズル:
【chara 104911 face 6 (surprised)】 なにが?
【chara 104911 face 5 (shy)】 私と弟くんは家族なんだから、いくらでも甘えていいんだよ?
【chara 104911 face 2 (joy)】 ほら弟くん、危ないからお姉ちゃんにぴったりくっついて♪

voice: vo_adv_7015002_021
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】 あッ……!
【chara 111011 face 3 (anger)】 やめ、やめんか、けしからん! 油断も隙もないな、この毒婦め!
ぼくの目がつぶらなうちは不純行為など断じて許さん!

voice: vo_adv_7015002_022
ユニ:
【chara 111011 face 3 (anger)】 いくらでも甘えていいだと? 君たちは何歳だと思っとる。
いい歳した大人が人目も憚らず甘え甘えられるなど狂気の沙汰だ。
この痴れ者どもが、恥を知れ恥を! ふーッ、ふーッ……

voice: vo_adv_7015002_023
シズル:
【chara 104911 face 4 (sad)】 えぇー、きょうだいだから当たり前のことなのにー

voice: vo_adv_7015002_024
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】 ぼかあ一般的な「家庭」の範例には明るくない。
【chara 111011 face 3 (anger)】 だが伝聞した知識に照合する限り、
その行為は姉弟の常識をいささか逸脱してやいないだろうか。

voice: vo_adv_7015002_025
シズル:
【chara 104911 face 2 (joy)】 ユニちゃん、常識っていうのは家族の数だけあるんだよ。
【chara 104911 face 5 (shy)】 自分の知らない常識を寛容に受け入れることが多様性の社会だって、
大人のお姉ちゃんは思うな。

voice: vo_adv_7015002_026
ユニ:
【chara 111011 face 3 (anger)】 ぐぬぬ、小賢しい詭弁を弄しおって……貴様さては文系だな。
だが詭弁勝負となれば、このユニ博士が後れを取るわけにはゆかん。

voice: vo_adv_7015002_027
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】 ふう……これはあまり言いたくなかったがやむを得まい。
いいかねシズル君、落ち着いてよく聞きたまえ。
まず前提として、君と{player}君は家族ではない。

voice: vo_adv_7015002_028
ユニ:
【chara 104911 face 6 (surprised)】 【chara 111011 face 1 (normal)】 君と彼のあいだに血縁関係はなく、また近親者に縁組等の話もない。
我が国の国語法はそれをきょうだいと定義しないのだ。
すなわち他人と呼ぶのだ。

voice: vo_adv_7015002_029
シズル:
【chara 104911 face 2 (joy)】 ふふふっ。

voice: vo_adv_7015002_030
ユニ:
【chara 111011 face 4 (sad)】 やめたまえ。
またまた御冗談を的な微笑で優しくぼくを見下ろすのはやめたまえ。

voice: vo_adv_7015002_031
シズル:
【chara 104911 face 4 (sad)】 うーん……そうは言われても、
私は{player}君のお姉ちゃんだからなぁ。

voice: vo_adv_7015002_032
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】 なおも続ける気か。
【chara 111011 face 1 (normal)】 よかろう、ならば、【chara 111011 face 2 (joy)】 ぼくは{player}君のゆにいちゃんだ。

voice: vo_adv_7015002_033
シズル:
【chara 104911 face 6 (surprised)】 ゆ、ゆにいちゃん?
え? えっ? なにそれ……【chara 104911 face 4 (sad)】 どういうことかな?

voice: vo_adv_7015002_034
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】 うむ、さっぱり分からんだろう。
つまりはそういうことだ。

voice: vo_adv_7015002_035
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】 さっぱり分からん──その理解不能な感情こそが、
今日まで君が世に撒き散らしてきた混沌に他ならない。

voice: vo_adv_7015002_036
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】 君が運命のお姉ちゃんなどという空言を喧伝するたびに、
世間の皆さんは今の君と同じ「なに言ってるんだろうこの子」という
得体の知れない感覚に陥ってきたのだよ。ようく反省したまえ。

voice: vo_adv_7015002_037
ユニ:
【chara 111011 face 2 (joy)】 だが喜べ、そこに気付けたのなら一歩前進だ。
よく頑張ったな、シズル君。
なに、焦ることはない。今日の治療はここまでとしよう。

voice: vo_adv_7015002_038
シズル:
【chara 104911 face 2 (joy)】 よかった……
【chara 104911 face 5 (shy)】 ユニちゃんも私たちのこと、
やっと分かってくれたみたいだね弟くん♪

ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】 それぞれが満足げな微笑を浮かべつつ、塔の探索は続くのだった。