交わる平行線
シズルの能力に興味を抱いたユニはその原理を尋ねるが、『すごくお姉ちゃんになる』という謎の姉理論を示され、シズルの思いが本物だと理解する。シズルもまたユニは素敵な先輩だと互いを認め合うのだった。
-------------- situation:
交わる平行線
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魔物:
【chara 1611 face 1 (normal)】
──グオオオオオッ!
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シズル:
【chara 104911 face 3 (anger)】
お姉ちゃんの本気だよ!
セイクリッドパニッシュ!
魔物:
【chara 1611 face 1 (normal)】
──ギャオオオオオッ!
voice: vo_adv_7015004_001
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】
おおっ、シズル君の背に大きな翼が!
そして舞い散る無数の白い羽根!
【chara 111011 face 7 (special_a)】
ほああああ何アレ興味深ぁーーーッ!
voice: vo_adv_7015004_002
シズル:
【chara 104911 face 6 (surprised)】
ふぅ……【chara 104911 face 5 (shy)】
このエリアはひとまず片付いたね。
voice: vo_adv_7015004_003
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】
お、おいシズル君、なんだ今の翼は。
【chara 111011 face 7 (special_a)】
ぼくもそれを生やしたいぞ、いかなる原理の奇跡なのだね。
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シズル:
【chara 104911 face 2 (joy)】
弟くんを守るための力、姉力だよ。
voice: vo_adv_7015004_005
ユニ:
【chara 111011 face 7 (special_a)】
あねぢから!
voice: vo_adv_7015004_006
シズル:
【chara 104911 face 5 (shy)】
お姉ちゃんパワーとも言うよ。
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ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】
そ、それを習得するにはどうすれば……?
voice: vo_adv_7015004_008
シズル:
【chara 104911 face 6 (surprised)】
そうだなぁ~
【chara 104911 face 5 (shy)】
いつでもどこでも弟くんのことばかり考えて、
すっごくお姉ちゃんになればいいと思うよ。
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ユニ:
【chara 111011 face 4 (sad)】
ん? ん?
なんだって? すごいお姉ちゃんになる?
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シズル:
【chara 104911 face 1 (normal)】
違うよ違うよ、【chara 104911 face 2 (joy)】
すごくお姉ちゃんになるの。
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ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】
ふうむ……
口頭会話の文法にまで整合を求めるのはぼくの文系美学に反するが、
君、あえて指摘させてもらえば、その活用は誤りだ。
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ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】
いまの場合、
形容詞「すごい」で名詞「お姉ちゃん」を修飾するのが正しい。
「すごく」は副詞ゆえ、動詞の「なる」に係ってしまうのだ。
voice: vo_adv_7015004_013
シズル:
【chara 104911 face 6 (surprised)】
うん、いいんだよ?
【chara 104911 face 5 (shy)】
「すごく」お姉ちゃんになるの。
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ユニ:
【chara 111011 face 4 (sad)】
……難しいな。
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シズル:
【chara 104911 face 6 (surprised)】
ああ、ユニちゃんは一人っ子なんだっけ?
【chara 104911 face 5 (shy)】
下に弟くんや妹ちゃんがいれば自然と分かることなんだけど。
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ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】
あたかも自分がそちら側であるかのような口ぶりは気になるが、
患者の不定愁訴に耳を傾けることも肝要だろう。続けたまえ。
voice: vo_adv_7015004_017
シズル:
【chara 104911 face 1 (normal)】
えっとね?
「すごいお姉ちゃんになる」ためには、すごい人間になればいいの。
voice: vo_adv_7015004_018
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】
なるほど。
voice: vo_adv_7015004_019
シズル:
【chara 104911 face 6 (surprised)】
体を鍛えるとか、いっぱい勉強するとか、
社会的に意義のある立派な仕事を成し遂げるとかね。
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ユニ:
【chara 111011 face 2 (joy)】
なるほどなるほど。
voice: vo_adv_7015004_021
シズル:
【chara 104911 face 6 (surprised)】
だけど「すごくお姉ちゃんになる」っていうのは、
そういうのとはまた別の話でね? 【chara 104911 face 1 (normal)】
もっと観念的っていうか。
お姉ちゃんレベルを上げて高次のお姉ちゃんステージへ昇ることなの。
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ユニ:
【chara 111011 face 4 (sad)】
なるほどわからん。
voice: vo_adv_7015004_023
シズル:
【chara 104911 face 1 (normal)】
私たちの集合的無意識には地姉神(グレートシスター)とでも称すべき
人類普遍のお姉ちゃん概念が在ると思うんだけど、その究極の高みへ
自らの魂を近づけてゆくこと、って言い換えれば分かりやすいかな。
voice: vo_adv_7015004_024
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】
うむ、よく分かった。
【chara 111011 face 4 (sad)】
よく分からないことがよく分かった。
voice: vo_adv_7015004_025
シズル:
【chara 104911 face 2 (joy)】
まあ、それは冗談として──
voice: vo_adv_7015004_026
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】
えっ、冗談だったの? どこから? 生後まもなく?
voice: vo_adv_7015004_027
シズル:
【chara 104911 face 5 (shy)】
──要するに、
弟くんが毎日を幸せに過ごせますようにって願う気持ちが、
お姉ちゃんパワーの源なんだ♪
voice: vo_adv_7015004_028
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】
なるほど分かった。
【chara 111011 face 2 (joy)】
とりあえずシズル君の「弟」を想う気持ちが半端ねえことは分かった。
【chara 111011 face 4 (sad)】
むしろそれ以外はなんも分からんかった。
voice: vo_adv_7015004_029
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】
だが、思考停止は学びの放棄。
そんな馬鹿なとペンを投げたとき賢者は死ぬのだ。
voice: vo_adv_7015004_030
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】
思考が及ばぬなら試行あるのみ。
姉力とやらを身につけ背に翼を生やすため、
【chara 111011 face 2 (joy)】
今日よりぼくはお姉ちゃんになろう。
voice: vo_adv_7015004_031
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】
否、すでにお姉ちゃんだ。
【chara 111011 face 2 (joy)】
我こそはユニお姉ちゃん、略してゆにいちゃんなり!
voice: vo_adv_7015004_032
シズル:
【chara 104911 face 2 (joy)】
あはは、ユニちゃん何言ってるの~?
voice: vo_adv_7015004_033
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】
裸の王様が鏡に映った男を嗤っている──
【chara 111011 face 1 (normal)】
心得たまえシズル君、
ぼくは君という前例に倣い、自ら姉を戴いた者だ。
voice: vo_adv_7015004_034
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】
というわけで同志{player}よ、事後報告で恐縮だが、
君には共同研究者としてぼくの弟になってもらった。
【chara 111011 face 2 (joy)】
そうら、ゆにいちゃんだぞう、翼が生えるまで存分に甘えたまえ。
voice: vo_adv_7015004_035
シズル:
【chara 104911 face 1 (normal)】
あはは……ユニちゃん何を言っているの……
voice: vo_adv_7015004_036
ユニ:
【chara 111011 face 4 (sad)】
目と声が笑っていないぞシズル君。
【chara 111011 face 1 (normal)】
やめたまえ、
冗談を真に受けてライバル意識こと殺意を漲らせるのはやめたまえ。
voice: vo_adv_7015004_037
シズル:
【chara 104911 face 2 (joy)】
なぁんだ、冗談だったんだ! 【chara 104911 face 6 (surprised)】
えっ、どこから? 未来永劫?
voice: vo_adv_7015004_038
ユニ:
【chara 111011 face 4 (sad)】
二割ほどの本気はあったが、身の危険を感じて今それも霧散した。
voice: vo_adv_7015004_039
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】
だがまあ、どのみち付け焼き刃では、大した姉にもなれるまい。
シズル君を見ていてよくよく実感したよ。
voice: vo_adv_7015004_040
シズル:
【chara 104911 face 5 (shy)】
人にはそれぞれの運命と適性があるからね。
お姉ちゃんっていうのはなるものじゃなくて、
【chara 104911 face 2 (joy)】
気付いたらなっているものだって、お姉ちゃん思うな!
voice: vo_adv_7015004_041
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】
姉の道は一日にしてならずか。
【chara 111011 face 2 (joy)】
やれやれ、大したものだ。
認めようシズル君、君の掲げる姉理論はもはや本物以上だ。
voice: vo_adv_7015004_042
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】
世に拗ねて自堕落に生きるぼくが、水を差せる領域ではないらしい。
設定の雑な自己暗示に彼を巻き込むなと言ったことは撤回しよう。
姉を騙る贋物、なりすましの居直り狂人などと呼んですまなかった。
voice: vo_adv_7015004_043
シズル:
【chara 104911 face 1 (normal)】
それ全部初耳だけど、
【chara 104911 face 2 (joy)】
分かってくれてユニちゃんありがとう!
voice: vo_adv_7015004_044
シズル:
【chara 104911 face 5 (shy)】
私も今日ずっと一緒にいて分かったよ!
ユニちゃんはお姉ちゃんなんか目指さなくても、
【chara 104911 face 2 (joy)】
もう今のままでとっても素敵な先輩さんだと思うなっ♪
Choice: (1) ユニ先輩、すごく先輩。
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voice: vo_adv_7015004_045
ユニ:
【chara 111011 face 2 (joy)】
おいおい、突然なにを言うんだね君たち。
いやいや、ぼくなんて、でゅふふ。
見え透いた世辞はやめたまえよ、もほほ。
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
長かった二本の平行線がついに交じり合い、
笑顔で互いを讃えるユニ先輩とシズルお姉ちゃんであった。