voice: 10101080010 ぱんだ ふぃ~。やっと千秋楽が終わったね。

voice: 10101080020 voice: 10101080021 知冴 うん。新妻のかぐやはやっぱり―― しっ! 隠れて!

voice: 10101080030 ぱんだ って、おい!? なんだ急に。

voice: 10101080040 千景 ……シリウスの『竹取物語』。 89点……というところでしょうか。

voice: 10101080050 ぱんだ ひ、ひいっ!! あいつ、来てたんだ!

voice: 10101080060 知冴 うん……。驚いた。

voice: 10101080070 ぱんだ 七瀬千景……年間400ステージを観劇するという、 演劇博士の異名を持つ小学生……。

voice: 10101080080 知冴 まさか、特別公演以外でもシリウスに足を運んでいたなんて……。

voice: 10101080090 知冴 それほど、今回の『竹取物語』が話題だったってことかな?

voice: 10101080100 ぱんだ ふっふ。まあ、新人公演もなかなかのデキだったしね。

voice: 10101080110 ぱんだ そうだ、帰ったら新人ふたりに例のアレの説明しなきゃ。 ふっふっふ……どんな反応するかなぁ~♪

voice: 10101080120 知冴 ……お主もワルよのぉ。

voice: 10101080130 ここな 入寮歓迎会……?

voice: 10101080140 ぱんだ はい! 新人公演が終わったタイミングでお祝いするのが、 この寮の習わしなんです!

voice: 10101080150 ぱんだ 今日とかどうですか? ここちゃんもバイトないですし。

voice: 10101080160 ここな え? うん。そうだけど……。 なんで知ってるの?

voice: 10101080170 voice: 10101080171 ぱんだ というわけで、今夜はここちゃんとカトりん、 ついでにおシズちゃんの入寮歓迎会を開催しまーす! ふーーーッ!

voice: 10101080180 知冴 いえーい。

voice: 10101080190 ここな あ、なんで知ってるのかは教えてくれないんだ……。

voice: 10101080200 知冴 細かいことは気にしない。

voice: 10101080210 ぱんだ そうですよ! 折角の楽しい歓迎会なんですから!

voice: 10101080220 静香 あの……私もいいの、かな?

voice: 10101080230 ぱんだ もちろんです! っていうか強制参加ですからね?

voice: 10101080240 カトリナ アタシは……。

voice: 10101080250 ぱんだ 強・制・参・加♪

voice: 10101080260 カトリナ わ、わかったわよ。

voice: 10101080270 知冴 楽しみだなぁ……ふたりの手料理。

voice: 10101080280 ここな え?

voice: 10101080290 ぱんだ 歓迎会では、新人が一品手料理を振舞う習わしがあるんですよー。

voice: 10101080300 カトリナ は? 自分の歓迎会なのに?

voice: 10101080310 ぱんだ 伝統なんで。

voice: 10101080320 カトリナ でも……。

voice: 10101080330 ぱんだ 伝・統♪

voice: 10101080340 知冴 本場のドイツ料理なんて、初体験だ。

voice: 10101080350 カトリナ う……。だから、アタシは――

voice: 10101080360 ここな しりうす湯の伝統だもんね!  カトリナちゃん、一緒に頑張ろ!

voice: 10101080370 カトリナ あ……。 ……まあ、いいけど。

voice: 10101080380 ここな そうと決まれば買い出しに行こ! もうお昼すぎちゃってるし、早めに準備しないと間に合わないよ?

voice: 10101080390 静香 それもそうね。

voice: 10101080400 ぱんだ おっと、おシズちゃんはお留守番。

voice: 10101080410 ここな・静香 え?

voice: 10101080420 知冴 興味があるんだ。キミに。

voice: 10101080430 ここな・静香 えぇ!?

voice: 10101080440 知冴 ぱんだが。

voice: 10101080450 voice: 10101080451 ぱんだ そーなんです! こんな珍しいセンスと出会うの初めてだしぃ! 気になってほら、目にクマが。これはこれでパンダっぽくて可愛いですけど。

voice: 10101080460 静香 え? あぁ、うん……可愛いかも?

voice: 10101080470 voice: 10101080471 ぱんだ 着替えとかどうするんだろー。お風呂は? あ、ここちゃんと離れたら消えちゃうのかなー。

voice: 10101080480 ここな・静香 えっ!?

voice: 10101080490 ぱんだ まぁ大丈夫かと♪

voice: 10101080500 voice: 10101080501 ぱんだ ではでは、お料理楽しみにしてますね~。 それじゃ、おシズちゃんはぱんだたちの部屋にレッツゴー♪

voice: 10101080510 知冴 いえーい。

voice: 10101080520 静香 あっ……! ここなーっ!

voice: 10101080530 ここな 静香ちゃーん!!

voice: 10101080540 カトリナ ……大丈夫なの、あれ。

voice: 10101080550 voice: 10101080551 ここな わかんない……けど、たまにはいいんじゃないかな? さ、買い物行こ!

voice: 10101080560 カトリナ 切り替え早いのね……。

voice: 10101080570 ここな ふんふ~ん♪ 何作ろうかな~。

voice: 10101080580 ここな カトリナちゃん、何か食べたいものある?

voice: 10101080590 カトリナ 別に……。

voice: 10101080600 ここな それじゃ、好きなものとかは?

voice: 10101080610 カトリナ ……ねえ、静香って、なんなの?

voice: 10101080620 ここな え……? 静香ちゃんは静香ちゃんだよ?

voice: 10101080630 カトリナ はあ……。言葉を変えるわ。 アナタのセンスって、一体なんなの?

voice: 10101080640 ここな それは……。

voice: 10101080650 カトリナ 演じる役に合わせて自分の中に眠る別人格を呼び起こす……。

voice: 10101080660 カトリナ そういうセンスを持つ役者はいるわ。 見た目や雰囲気がガラッと変わる役者も、稀にね。

voice: 10101080670 カトリナ けど、演じるのは常に舞台にいる自分ひとり……。

voice: 10101080680 カトリナ 自分以外の人格が一緒に舞台に上がって、 誰かに見えるなんてあり得ない……。

voice: 10101080690 ここな …………。

voice: 10101080700 カトリナ ねえ、もう一度言うわ。 アナタのセンス……いいえ、あの子はなんなの?

voice: 10101080710 ここな 静香ちゃんはね…… 私が何度もオーディションに落ちてた頃に出会ったの。

voice: 10101080720 カトリナ え……?

voice: 10101080730 ここな 何度も、オーディションで言われたんだ。 センスがない、センスがない、って……。

voice: 10101080740 審査員 悪くはないんだけど、センスがね……。

voice: 10101080750 審査員 センスがない。

voice: 10101080760 審査員 大事なのは客を沸かせるセンス!

voice: 10101080770 ここな そんな時……静香ちゃんが私の前に現れたの……。

voice: 10101080780 ここな まるで……昔憧れていた女優さんが、 目の前に現れたのかなって勘違いしちゃうほど――

voice: 10101080790 ここな とっても、とっても…… きれいな笑顔で……。