voice: 10103080010 静香 『ねぇ、ひより。そろそろお風呂入ったほうが良いんじゃない?』
voice: 10103080020 ここな う、うん。そうだね……。
voice: 10103080030 静香 『そう言って、さっきから全然動かないじゃない。 ひよりのそういうところ、よくないと思うわよ』
voice: 10103080040 ここな ……静香ちゃん、やっぱりまだ早いんじゃないかな? 私のこと、ひよりって呼ぶの……。
voice: 10103080050 静香 『静香じゃない。私はアスモデウス! 72の軍団を率いる悪魔王よ!』
voice: 10103080060 ここな 役作りが大事なのはわかるけど、今からなりきる必要はあるのかなぁ……。 さすがにちょっと気が早すぎない?
voice: 10103080070 静香 そんなことない。
voice: 10103080080 ここな え……。
voice: 10103080090 voice: 10103080091 静香 私は、今回の公演で絶対にデビューしたい。 ここなと私の共演でね。ここなだってそうでしょ?
voice: 10103080100 ここな そ、それはそうだけど……。
voice: 10103080110 静香 そのためには、誰かが異論をはさむような、 余地を与える演技をするわけにはいかないのよ!
voice: 10103080120 ここな ……!
voice: 10103080130 静香 誰が見たって、私たちふたりが、 ひよりとアスモデウスをやるべきだって思うような演技をしなくちゃ。
voice: 10103080140 静香 私たちに気を遣ったんだとか、 つまんない文句を誰にも言わせないような完璧な演技をね。
voice: 10103080150 ここな あ……。
voice: 10103080160 静香 それは、ここなが狙っているひよりも同じことよ。でしょ?
voice: 10103080170 ここな そ、そうだね……。
voice: 10103080180 voice: 10103080181 静香 それに、この程度で躓いていたら、ダイスターにはなれない。 八恵ちゃんが選ばれた時、どう思った? 私は悔しかった。
voice: 10103080190 voice: 10103080191 静香 私たちの約束を果たすチャンスが今、目の前にあるの。 なら、そのために全力を尽くすのは当然のことでしょう?
voice: 10103080200 静香 これを逃したら、こんなハマり役をもらえるチャンスなんて、 次、いつくるかわからない。二度とないかもしれない。
voice: 10103080210 静香 だから、私はこの公演でデビューしたい。 ここなとの共演で……ひよりと、アスモデウスで。
voice: 10103080220 静香 それに、ここでみっともない演技をして、 オーディションに落ちるなんてことがあったら……。
voice: 10103080230 静香 私がデビューできる機会は、もう来ないかもしれない。
voice: 10103080240 静香 これが最後のチャンスかもしれないの。
voice: 10103080250 静香 だから……。
voice: 10103080260 ここな うん。ごめんね、静香ちゃん……。
voice: 10103080270 ここな ——ううん、『アスモちゃん』。
voice: 10103080280 静香 『あ、アスモちゃん!? 口調もフランクになってるし、態度にも畏敬の念がないんじゃない!?』
voice: 10103080290 ここな 『尊敬してるってば〜。 その証拠に、今日は髪を洗ってあげるね』
voice: 10103080300 静香 『……背中も流すって言うなら、許してあげてもいいわ』
voice: 10103080310 ここな 『は〜い』
voice: 10103080320 カトリナ ……ほんと、二人で一人って感じね。
voice: 10103080330 カトリナ ズルいとは思わないわ。 それがアンタたちの武器なんだから。
voice: 10103080340 カトリナ それでこそ、闘い甲斐があるってものよ。
voice: 10103080350 八恵 『わあ、ウラシマガイ! ええっ! マツカワガイにオハグロガイもある! 見て見て! ビワガイもあったよ!』
voice: 10103080360 八恵 『こんな立派な貝殻、珍しいよ! ユイカちゃん! 今日はラッキーだね♪』
voice: 10103080370 八恵 ……ふぅ。
voice: 10103080380 八恵 ……もっと大げさに演じても良いかもしれません。
voice: 10103080390 八恵 物語の始まりに、ひよりというキャラクターを一気に印象づけたい……。 なら、私が目指すべき演技は……。
voice: 10103080400 望有 ………………。
voice: 10103080410 望有 ……八恵の家に電話を入れておかないとね。
voice: 10103080420 知冴 『アスモデウス様! 今日献上するのは高級そうめん揚げパンです!』
voice: 10103080430 ぱんだ 『そうそう、これこれ!』
voice: 10103080440 ぱんだ 『業火に焼かれた沸騰する油の中で苦しみ藻掻いた悲劇のパンよ! がぶりと噛みつくごとにザクザクと歯ごたえのある悲鳴が聞こえるわ!』
voice: 10103080450 ぱんだ ——って、勝手にアレンジ加えんな! これじゃ元のひよりと全然変わってるじゃねーか!
voice: 10103080460 知冴 そんなことない。ひよりは家にも学校にも居場所がなく塞ぎこんでる。 だからこそアスモデウスの前では必要以上にはっちゃけられる。
voice: 10103080470 ぱんだ それっぽいこと言ってるけど、 肝心なところがズレてる気もするんだよ……。
voice: 10103080480 ぱんだ ま、いいや。付き合ってくれてるだけでも感謝しなきゃな。
voice: 10103080490 知冴 ぱんだのためなら地獄の底までお付き合いするよ。
voice: 10103080500 ぱんだ はいはい、そりゃどーも。
voice: 10103080510 ジュゴン キュ! キュキュ!
voice: 10103080520 シャモ ふふ。みんな、頑張ってるみたいね。
voice: 10103080530 シャモ 次の公演も、とっても楽しみだわ。
voice: 10103080540 ジュゴン キュウ!