voice: 10202040010 大黒 (ふぅ……数日休んだ後の学校って、  どうしてこんなに緊張するのかしら……)

voice: 10202040020 大黒 (いいえ……情けないことを言っていられないわ)

voice: 10202040030 大黒 (己の意志を持って、何が何でも我が主についていく……。  それが、私の目指すべきもの……! )

voice: 10202040040 大黒 (我が主のためにも、がんばらないといけないんだから……!)

voice: 10202040050 ぱんだ カラス、久しぶりー。 元気になったみたいですね。

voice: 10202040060 大黒 な、何よ急に。馴れ馴れしいわね。

voice: 10202040070 ぱんだ クラスメイトなんだから、 そんな言い方しなくてもいいじゃないですか~。

voice: 10202040080 知冴 ぱんだね、カラスが休んでる間、心配してたんだよ。

voice: 10202040090 大黒 どっ、どうしてよ……? 

voice: 10202040100 ぱんだ いやー、疲労でぶっ倒れたとか聞いたら、 やっぱり気になるじゃないですか。

voice: 10202040110 大黒 か、勝手なこと言わないで!  余計な心配は、むしろ迷惑だわ……! 

voice: 10202040120 知冴 カラス、照れてる。黒い羽が真っ赤だもん。

voice: 10202040130 大黒 うっ、うるさい! これ以上からかうつもりなら……! 

voice: 10202040140 ぱんだ あー、違います違います! そうじゃなくて!  ちょっと相談したいことがあるんですよ! 

voice: 10202040150 大黒 相談……? 

voice: 10202040160 ぱんだ Edenのオリジナル劇って、連尺野さんが脚本書いてるんですよね?  めちゃくちゃ面白いの多いじゃないですか。

voice: 10202040170 大黒 当然よ。我が主の脚本は、全て素晴らしい内容だもの。

voice: 10202040180 ぱんだ だから、ぱんだたちも演じてみたいなーって思ったんです。 脚本を使わせてもらうのがアリなら、柊さんにも相談できますし。

voice: 10202040190 大黒 (シリウスが、我が主の劇を演じるですって……!? )

voice: 10202040200 大黒 …………。

voice: 10202040210 大黒 それは……私じゃ判断できないわ。 それこそ、我が主やテトラさんに聞いてみないと……。

voice: 10202040220 ぱんだ なので、もし良かったらなんですけど……。 連尺野さんに、それとなく聞いてみてくれません……? 

voice: 10202040230 ぱんだ OKがもらえそうなら、ぱんだから柊さんに相談して、 劇団シリウスとして正式にオファーしてもらいますので! 

voice: 10202040240 ぱんだ お願いします! この通り! 

voice: 10202040250 知冴 私からも、このとーり。

voice: 10202040260 大黒 えぇ……。

voice: 10202040270 大黒 (何なのよあいつら……。  急に話しかけてきたと思ったら、我が主の劇を演じたいだなんて)

voice: 10202040280 大黒 (ああ、モヤモヤするわ……! )

voice: 10202040290 大黒 ――と、言うわけなんですが……。

voice: 10202040300 初魅 ふむ、私の脚本を使いたいというわけか……。

voice: 10202040310 しぐれ はぁ~? シリウスも図々しい~。 よその台本借りる前に、自分たちでなんとかしろって感じですよねぇ? 

voice: 10202040320 初魅 別に構わんぞ。

voice: 10202040330 しぐれ そうそう、構わない……はぁ!? 

voice: 10202040340 大黒 え……!? 

voice: 10202040350 へぇ、あっさり許可しちゃうんだね。

voice: 10202040360 voice: 10202040361 初魅 自分の脚本を、他人がどう味付けするのか観てみたい。 相手がシリウスなら、申し分ないしな。

voice: 10202040370 あー……シリウスには柊さんがいるもんねぇ。 そう言われると、確かに気になるかも。

voice: 10202040380 仁花子 私たちの演じた役を、 ここなちゃんやカトリナさんが演じるんですよね……。

voice: 10202040390 仁花子 それって、なんだかワクワクします!  私も観てみたいです! 

voice: 10202040400 しぐれ ……確かに、新妻がどこまで演じられるか、 高みの見物できそうで、ちょっといいかも……。

voice: 10202040410 初魅 と、いうわけだ。 こちらは問題ないと、ぱんだたちに伝えてくれるか。

voice: 10202040420 大黒 は、はい。 わかりました。伝えておきます……! 

voice: 10202040430 大黒 (あのシリウスが頭を下げてきたのに、  まったく動じることのない冷静さ……)

voice: 10202040440 大黒 (そして、相手の利すら自分の糧にする貪欲さ……!   さすが我が主……! 烏森大黒、改めて忠誠を誓います……! )

voice: 10202040450 望有 ふぅ……。

voice: 10202040460 初魅 どうした、ずいぶん疲れた顔をしてるじゃないか。 私が癒やしてやろうか? 

voice: 10202040470 望有 ……どうしてここにいるの。

voice: 10202040480 初魅 決まっているだろう?  望有をデートに誘うためだ。

voice: 10202040490 望有 残念だけど、今日はお断りよ。

voice: 10202040500 初魅 つれない事を言うな。 たまには一緒に食事をしたいんだ。

voice: 10202040510 望有 だったら、アポを事前に取りなさい。

voice: 10202040520 初魅 それはつまらん。事務的すぎて刺激がない。

voice: 10202040530 望有 こっちは刺激なんて求めてないの。

voice: 10202040540 初魅 ……私が執筆中の、Edenの新作舞台。 その話がしたいと言ったら、どうだ? 

voice: 10202040550 望有 …………。

voice: 10202040560 初魅 悪いようにはしない。 ちょっと酒に付き合ってくれるだけでいい。

voice: 10202040570 望有 ……少しだけなら。

voice: 10202040580 初魅 ふふふっ、そうこなくてはな。

voice: 10202040590 初魅 これが新作のタイトルだ。 まだ読み上げたりはしないでくれ。他の誰にも聞かせたくない。

voice: 10202040600 望有 ……あなたの書く脚本にしては、捻りが無いわね。

voice: 10202040610 初魅 壮大な伏線や捻りだらけの展開は排した、 ストレートなストーリーを目指しているからな。

voice: 10202040620 望有 ますます珍しいわね。 正直、あなたらしくないと思うわ。

voice: 10202040630 初魅 だからこそ気にならないか?  この私が、真っ直ぐな劇を描くんだ。

voice: 10202040640 望有 …………。

voice: 10202040650 初魅 ふふふっ……望有の物欲しそうな顔が見られた。 こうして誘った甲斐があるというものだ。

voice: 10202040660 望有 下品な言い方しないで頂戴。

voice: 10202040670 初魅 おっと、失礼。つい興奮してしまった。

voice: 10202040680 初魅 だが、やはり望有に見せて正解だったな。 執筆中の脚本に、さらなる自信を得られた。

voice: 10202040690 望有 大口を叩くのは、書き上げてからにしなさい。 脚本の出来なんて、最終稿になるまでわからないんだから。

voice: 10202040700 初魅 ……その発言は、完成を待ちかねる期待の表れと思っても? 

voice: 10202040710 望有 ……好きに解釈すればいいわ。

voice: 10202040720 初魅 ふふっ……。 ならば今まで以上に、気合を入れて執筆に励まねばな。