voice: 10302060010 緋花里 よーし、今日も稽古頑張った! いっただっきまーす!

voice: 10302060020 やはり、たくさん召し上がりますのね……。 カレーライスにから揚げ、角煮と茶色いものばかり……。

voice: 10302060030 voice: 10302060031 緋花里 角煮じゃなくてラフテーだよ。 ……ごくん! ごはんおかわり!

voice: 10302060040 voice: 10302060041 ラモーナ 食は体を作る。育ち盛りの緋花里には大事だ。 よし、私のヴルストも食え。美味いぞ!

voice: 10302060050 緋花里 わーい! どかーんと食べてバンバン動く! エネルギー大爆発!

voice: 10302060060 リリヤ 考えられない、異常事態……。

voice: 10302060070 お気持ちお察ししますわ……。 リリヤさんなどサラダのみですものね……。

voice: 10302060080 リリヤ 違う、緋花里の食欲のことじゃない。 どうして暦がここにいるの?

voice: 10302060090 そっちですの!?

voice: 10302060100 voice: 10302060101 リリヤ 火鍋パーティーにもめったに姿を見せないのに。 ……怪しい。

voice: 10302060110 それはですわね、ええと……。

voice: 10302060120 ラモーナ ハハハ、喜べ諸君! 私が誠心誠意誘ったのだ。 『白雪姫』の打ち上げと次公演の壮行会を兼ねてな。

voice: 10302060130 あれのどこが誠心誠意ですのよ……。 128回も電話されたらさすがに折れますわ……。

voice: 10302060140 リリヤ いちいち数えてるあたり内心喜んでそう。

voice: 10302060150 ちゃ、着信回数を数える機能があるからですわ!?

voice: 10302060160 緋花里 あはは! 暦さん、昔より笑顔が増えた! 雪もそう思うよね?

voice: 10302060170 そうだな。

voice: 10302060180 一同 ……。

voice: 10302060190 ……なんだ、急に黙って。 そんなに妙なことか?

voice: 10302060200 リリヤ いつもなら、興味ないとか言いそうだから。 ……怪しい。

voice: 10302060210 適当に相槌を打っただけだぞ? ワタシをなんだと思って――

voice: 10302060220 ラモーナ いや、いい。皆まで言わずとも私にはわかる。

voice: 10302060230 ラモーナ 雪、お前は今悩んでいるだろう! ズバリ、他劇団からスカウトをされているな!?

voice: 10302060240 voice: 10302060241 ブッ!?  ごっほ! げほ……!

voice: 10302060250 (なんだそのピンポイントな洞察は!?)

voice: 10302060260 雪さん!? まさか本当にスカウトを……!?

voice: 10302060270 voice: 10302060271 ……ああ、偶然にもスカウトはされた。 だが断った。この話はこれで終わりだ。

voice: 10302060280 ラモーナ 本当か?

voice: 10302060290 疑うならワタシの目を見ろ! 動揺などしていない!

voice: 10302060300 リリヤ なら、確かめる。

voice: 10302060310 お、おい近いぞフィンランド!?

voice: 10302060320 リリヤ 近くで見ないとわからないから。 吐息でキスができる距離まで。

voice: 10302060330 緋花里 わー! ちむどぅんどぅんするー!

voice: 10302060340 リリヤ ……むむむ。

voice: 10302060350 ひっ……!?

voice: 10302060360 リリヤ ……見抜いた。これは、動揺している人間の目。

voice: 10302060370 ラモーナ やはりかッ!

voice: 10302060380 違う意味で動揺するんだよ、このバカ共が!

voice: 10302060390 voice: 10302060391 いいか、ワタシはスカウトなど断った! ワタシはいたくてここにいるんだ! 去る気は……。

voice: 10302060400 ……ない。

voice: 10302060410 緋花里 雪?

voice: 10302060420 ラモーナ 疑ってすまなかった。ハンブルクの劇団にいた頃、 お前に似た物憂げな顔を見たことがあるものでな。

voice: 10302060430 リリヤ 考えたら分かること。 雪が銀河座から出て行く理由がない。

voice: 10302060440 そうですわね。 助演として、名演を披露してくださっていますもの。

voice: 10302060450 助演……。

voice: 10302060460 (好きで助演ばかりやってるんじゃない。それしかできないんだ。  その他大勢止まりのワタシにはな)

voice: 10302060470 緋花里 うんうん! みんなで舞台に立てて嬉しい! ラモさんのおかげでご飯も楽しい!

voice: 10302060480 ラモーナ そうだろう、そうだろう! やはり絆こそが至高の舞台を生むのだ!

voice: 10302060490 はあ……。相変わらず勘違いされているようですが、 我々はあくまで、実力を高め合うがゆえの関係です。

voice: 10302060500 昨日の主演が、明日は名もなき端役かもしれない。 逆に名もなきその他大勢が、主演になるかもしれない。

voice: 10302060510 一度や二度、役を確保できたからと胡座をかかぬように。 代わりの才能は世界中からいくらでもやってきますわよ。

voice: 10302060520 ……そうだ。その他大勢じゃいけないんだ。

voice: 10302060530 ラモーナ フ……。

voice: 10302060540 ごちそうさま。ワタシは稽古場に行く。

voice: 10302060550 緋花里 私も! オーディションに備えるさー! もっと楽しんでもらえるお芝居したいし!

voice: 10302060560 ラモーナ これが高め合う友情というものだな。 暦も飛び込んでこい、抱きとめてやろう。

voice: 10302060570 遠慮しておきますわ……。

voice: 10302060580 (考えることはみんな同じだ。  負けたくなくて戦っている)

voice: 10302060590 (だったら勝つのは気持ちが強いヤツだ。  ワタシの決意を証明してやる!)