voice: 10404150010 いろは あのー……叶羽ちゃん? 用事っていうのは、一体……?

voice: 10404150020 叶羽 単刀直入に聞くけど。 いろは、アンタ美兎と何があったわけ?

voice: 10404150030 いろは えっ……いえ、別に……何もないですよ? どうしてですか?

voice: 10404150040 叶羽 嘘。美兎に向かって、あんな大声出してる姿見てるんだから…… 誤魔化されるわけないでしょ? で、本当は? 何があったわけ?

voice: 10404150050 いろは うっ…………じ、実は……。 みとちゃんが、ドロシーを辞退しようとしたんです……僕のために。

voice: 10404150060 叶羽 いろはのため? 何それ、どーゆーこと?

voice: 10404150070 いろは みとちゃんは、自分が降りる代わりに、 僕にドロシー役をって……要さんたちに直談判したみたいなんです。

voice: 10404150080 いろは 僕がオーディションの前に、 ドロシーの役をやりたいって言ってしまったから……。

voice: 10404150090 いろは 確かにドロシーは僕がやりたかった役です。でも…… そんな風に簡単に役を降りちゃうなんて、もったいないです!

voice: 10404150100 いろは その上、僕を代わりに、なんて……。 それを知ったら、なんだか我慢できなくなってしまって……。

voice: 10404150110 叶羽 ……その勢いで美兎を怒鳴った結果が、今の電姫ってことね。

voice: 10404150120 叶羽 ったく、ふたりが微妙な空気出してるせいで、 ほんっと過ごしにくくて仕方ないんだけど?

voice: 10404150130 いろは ごめんなさい……。 叶羽ちゃんや、みんなにまで迷惑かけちゃって……。

voice: 10404150140 叶羽 ……役を譲られて、プライドが傷ついたってやつ? 正直……アンタ、そういうタイプじゃなかったわよね?

voice: 10404150150 いろは プライド……とかじゃないんです。 ただ僕は……ずっと昔から、ドロシーをやりたかったんです。

voice: 10404150160 いろは でも、今回も選ばれなくて……。 だから、自分は自分の役を頑張ろうって思ってて、思ってた、はずで……。

voice: 10404150170 叶羽 はあ……。 この際だからさ、もう包み隠さず、全部教えなさいよ。

voice: 10404150180 いろは え……?

voice: 10404150190 叶羽 今までだって、変にひとりで背負い込んだりした事あったでしょ? 今回だってそう。

voice: 10404150200 叶羽 そうやってひとりで悩むくらいなら、アタシに相談しなさい。

voice: 10404150210 いろは っ……ですが……。

voice: 10404150220 叶羽 こういうの柄じゃないけどさ、アタシたちは電姫の仲間……って奴でしょ? そこそこ長い付き合いなんだから……だから、言ってくれても良いじゃん。

voice: 10404150230 いろは 叶羽ちゃん……。 ……分かりました。

voice: 10404150240 いろは ……だから僕は、千寿家の中でも、劇団の中でも腫れもの扱いで……。 なんだかそれが、すごく居心地が悪く感じてしまって……。

voice: 10404150250 叶羽 ふ~ん……。 家ではとにかく、センスがないから期待されてこなかった、ってことね。

voice: 10404150260 いろは まぁ……端的に言うと、そうなるかも……ですね。 こんな話、聞かせちゃって……すみません。

voice: 10404150270 いろは 電姫のみんなは優しいから、気にするかもと思って…… みんなに話したことはなかったんですが……。

voice: 10404150280 叶羽 別に? 謝ることなんか何もないわ。 ただ、アンタが割と洒落にならないくらい酷い環境に居たってことでしょ?

voice: 10404150290 いろは い、いえ、そんなこと……だって僕は――

voice: 10404150300 叶羽 はあっ……あのねぇ、伝統だかなんだか知らないけど、 おばあちゃんの癖に孫いびるとか大人げなさすぎ!

voice: 10404150310 叶羽 ってか期待してないなら、してないなりに、取り繕うくらいしなさいよ! 家族なんでしょ!?

voice: 10404150320 叶羽 アタシだったら3日ももたないわぁ~…… 今まで頑張ってたんじゃん、いろは。

voice: 10404150330 いろは そう……なんですかね?

voice: 10404150340 叶羽 みんなだってそう言うわよ。寧ろアタシより怒りそうじゃない? 特に蕾やカミラ、美兎あたりはさ。

voice: 10404150350 いろは (みとちゃん……)

voice: 10404150360 叶羽 何よ、その顔。

voice: 10404150370 いろは ……確かに、みとちゃんは優しいので、そう言ってくれるかもしれません。 でも、そんな風に怒ってもらう資格、今の僕にはないんです……。

voice: 10404150380 叶羽 は? なんでよ??

voice: 10404150390 いろは だって僕は……みとちゃんに嫉妬していたかもしれないんです。 今までも、センスを持っている人を心のどこかで羨んでいました。

voice: 10404150400 いろは ……でもそのせいで、みとちゃんを、傷つけてしまいました。 姉さんを傷つけた時と同じように……。

voice: 10404150410 いろは 姉さんもみとちゃんも、僕のことを想ってくれていたのに…… 僕は自分のことばっかりで。

voice: 10404150420 いろは そのせいで、みとちゃんはセンスが使えなくなってしまいました……。 だから僕は……美兎ちゃんの友達失格なんですっ。

voice: 10404150430 叶羽 はぁ!? アンタ、それ本気で言ってるわけ……? だとしたら、ふざけんじゃないわよ。