voice: 10501080010 ナレーション ――本番当日。

voice: 10501080020 スタッフたち 「照明準備OKです!」「本番まであと5分!」

voice: 10501080030 ……。

voice: 10501080040 (とうとう、ここまで来たのですね……)

voice: 10501080050 (役者の名家である千寿家に生まれ、その家名に恥じぬようにと、  これまで幾度もの稽古を重ね、努力して参りました)

voice: 10501080060 (伝統ある銀河座においても、恥じぬ役者として、  そして今ここに、ダイスターとして、星々の中で名を連ねている……)

voice: 10501080070 (ここまでやって来られたのは、  他の役者の皆さん、そして……いろはが側に居てくれたから)

voice: 10501080080 (ですから私は、この『ダイスターの祭典』という大舞台において、  必ずや、皆の心に残る演技を魅せてみせますわ)

voice: 10501080090 (数多の名優たちである『ダイスター』の中でも、  ひと際強い輝きとなれるように……!)

voice: 10501080100 地歩 ……白丸さん、緊張していますか?

voice: 10501080110 美兎 地歩ちゃん……! うん……正直言うと、まだしてる……かな。

voice: 10501080120 美兎 でもね、舞台に立てることは、わくわく……してるんだ。 いろはちゃんや電姫のみんなが、美兎の演技を褒めてくれたから……。

voice: 10501080130 美兎 みんなが好きって言ってくれた、演技で……、 もっともっと沢山の人を笑顔にしたい……。

voice: 10501080140 地歩 白丸さんのその想い、とても立派だと思います。

voice: 10501080150 地歩 そして、恐らくではありますが、舞台を観て下さっている方々にも、 その想いはきっと、伝わると思いますよ。

voice: 10501080160 地歩 ……さぁ、行きましょうか。

voice: 10501080170 美兎 うんっ……!

voice: 10501080180 八恵 (まもなく本番を迎えます……。  どうか見ていてください、柊さん……)

voice: 10501080190 八恵 『はあ……ヘラも悪くはないが、  こうして長い間一緒にいると、さすがに飽きてくるものだ』

voice: 10501080200 八恵 『僕の冷めた心を燃え上がらせる、  そんな乙女が、どこかに居ないものだろうか?』

voice: 10501080210 八恵 『……よし。気晴らしに、地上でも眺めてみるとしよう……。  ん? 海辺に少女が立っている? どれどれ……』

voice: 10501080220 八恵 『なんて麗しい乙女なんだ……!  場所はポセイドンの神殿、兄上のところの巫女か……?』

voice: 10501080230 八恵 『これは作戦を考えねばな……』

voice: 10501080240 審査員L (今までにない役柄を、もう自分の物にしているとは。  シリウスの新妻八恵……恐ろしい成長ぶりですね)

voice: 10501080250 美兎 『どうです? 神々の皆様。愉快ではありませんか?』

voice: 10501080260 美兎 『きっと皆様、日頃ゼウス様がやりたい放題していることに  思う所があるのではと思います』

voice: 10501080270 美兎 『どうやらゼウス様はあの少女のことを勘違いしているご様子。  これを利用して、ゼウス様をからかってやるのはどうでしょう?』

voice: 10501080280 審査員M (白丸美兎さん……話は聞いていたけれど、  憑依型の役者の中でも、表現力は群を抜いているわね。見事だわ)

voice: 10501080290 『ほう……? ヘルメス、君は何を企てるつもりだい?  詳しく教えてくれないか』

voice: 10501080300 『あ~~、笑った笑った! よし、久方ぶりに弟と戯れられるんだ。  もちろん手を貸すさ。さて……宴会を行うということだが――』

voice: 10501080310 『では、私が宴会場を作ろう』

voice: 10501080320 『海よ開け! 宴の場を神々に与えるのだ!』

voice: 10501080330 審査員N (ここでも圧倒的な演技力を魅せるか……千寿暦。  しかも、ホロスコープシーズンから、さらに成長して……)

voice: 10501080340 八恵 『ポセイドン、お前の巫女や信者たちは?  そろそろこの場に呼んでも良いだろう?』

voice: 10501080350 『いやいや、我が最高神の前に出るならば、  最高の装いをしたいと言って聞かなくてな。もうしばらくかかりそうだ』

voice: 10501080360 八恵 『……もう良いだろう! 早く信者や巫女たちを呼んでくれよ!  待ちきれない! 早く! はーやーく!』

voice: 10501080370 『まぁまぁ、落ち着いて。お、準備が出来たみたいだ。  悪かったね、ゼウス。それではみんな入ってくれ』

voice: 10501080380 八恵 『ああ、なんて美しいんだ! 君の美しさは他のどの女神も、  ニンフも、妖精すらも並ぶものは居ない!』

voice: 10501080390 八恵 『愛しい人……どうか、僕と一緒にいてくれ』

voice: 10501080400 地歩 『ああ……嬉しい、ダーリン……そんなことを言ってくれるなんて……!  最近のあなたは、どこか冷たかったから……』

voice: 10501080410 八恵 『ん? ダーリン?? いきなりだね……ふふっ、大胆な子は好きだよ。  それに最近の僕って、僕らは初対……ハッ!!!』

voice: 10501080420 八恵 『(よく見れば、この子……僕が惚れた若い頃のヘラに瓜二つ、   それに、確かここには若返りの泉があったはず……まさか)』

voice: 10501080430 八恵 『は、ハニー……?』

voice: 10501080440 地歩 『ん~なぁに? ね~、聞いてよ~。みんなね、  宴会が始まったのにしばらく奥にいるように言ったのよ?』

voice: 10501080450 八恵 『(や、やっぱりヘラだった~~~~~!!   ま、まずい……)』

voice: 10501080460 八恵 『(浮気しようとしたことも、相手が若いヘラだったのに、   全然気づかなかったことも……言えない、言えるわけがない!!)』

voice: 10501080470 八恵 『(気づかれたら……死)』

voice: 10501080480 地歩 『でも、もう許したわ! こうして、あなたがまた告白してくれる。  これは、そのサプライズの為の演出だったのね!』

voice: 10501080490 八恵 『あ、ああ。当然じゃないか、マイハニー。  もう一度、キミへのプロポーズがしたかったんだ。迷惑だったかい?』

voice: 10501080500 地歩 『まさか! あんな熱い求愛……昔を思い出しちゃった。  ふふっ、だーい好きよ! ダーリン!』

voice: 10501080510 『くっ、ふふふ……あーはっはっはっ! 見ろ、ヘルメス。  ゼウスの奴、青い顔でされるがままだ!』

voice: 10501080520 『仲睦まじいようで、なによりだな!  奴にとっても良い薬になっただろう。』

voice: 10501080530 美兎 『ぷっ、ふふふふ♪ 神々の皆様もお楽しみいただけたようで恐悦至極。  やはり、宴会とは無礼講。愉快で幸せでなければ!』

voice: 10501080540 審査員L ……どの役者も、ダイスターの名に相応しい、 卓越した演技力を持っていますね。

voice: 10501080550 審査員L それは、輝かしい称号を得たばかりの頃よりも、 さらに磨きがかかっていました。

voice: 10501080560 審査員M 演技だけでない、歌声に関しても素晴らしいの一言だったわ。 特に、新妻八恵さんの歌声は聴く者の心を強く動かしていた……。

voice: 10501080570 審査員N だがそれを踏まえて、あえてひとりの役者に言及させて貰おう。 それは、銀河座の千寿暦だ。

voice: 10501080580 審査員N 彼女の全体としての完成度の高さは、目を見張るものがある。

voice: 10501080590 審査員L なるほど……私だけでなく、 皆様、同じ意見を持たれていたようですね。