voice: 10501180010 審査員A 次はシリウスの公演か……。 あの山吹シャモの作り上げた劇団がどのような輝きを見せるか見ものですね。
voice: 10501180020 審査員B ええ、本当に。
voice: 10501180030 審査員B 何せシリウスは、それほど規模の大きな劇団ではないものの、 ダイスターを多く輩出している、伝統ある劇団ですもの。
voice: 10501180040 審査員C ああ、現在も新妻八恵、 そして昨今では舞台を離れているが、柊望有も在籍していた筈だ。
voice: 10501180050 審査員B となれば、ますます目が離せませんわね。
voice: 10501180060 審査員A ……皆様、そろそろお静かに。 幕開きですよ、シリウスの。
voice: 10501180070 ここな 『ふむ、確かにどの神の武勇もとても素晴らしく賞賛すべきものだが……。 弓矢にかけては我が妹、アルテミスの腕に敵う者はいないだろう』
voice: 10501180080 カトリナ (まずは、アタシが魅せてあげるわ)
voice: 10501180090 カトリナ 『そうだな、アルテミスの腕は狩りにおいては確かに卓越している。 しかし、こと戦においては、狩猟の弓は通用しない』
voice: 10501180100 カトリナ 『やはり、この軍神アレースこそが、一番の弓の名手。 私こそが、もっとも弓を扱うに長けた神ということだっ!!』
voice: 10501180110 審査員C (これは……カトリナ・グリーベルのセンスか……! 一場一場をしっかりと魅せられる、そんな感覚に陥る……)
voice: 10501180120 知冴 『はっ! お呼びでしょうか、アレース様!』
voice: 10501180130 カトリナ 『お前に問いたい。 アルテミスとアレース、どちらがより優れた弓の名手であるか』
voice: 10501180140 カトリナ 『優れていると思う方の盃へ、ネクタルを捧げよ』
voice: 10501180150 知冴 『困りました。アルテミス様、アレース様、どちらの弓も優れています。 私には選ぶことなどできません』
voice: 10501180160 知冴 『アルテミス様に注げばアレース様の機嫌を損ね、アレース様に注げば きっとアポロン様の機嫌を損ねてしまう。ならばどうすれば……』
voice: 10501180170 審査員A (彼女は……流石知冴か。ホロスコープシーズンでは、 ダイスターの座こそ逃しましたが、やはり実力は確かですね)
voice: 10501180180 静香 『ふたりともやめてください。 ガニュメデスが困っているでしょう』
voice: 10501180190 静香 『優劣を人間に選ばせるというのなら、 人間の代理人を立てましょう』
voice: 10501180200 静香 『カストルとポリュデケウスに代理人を頼むのです。ふたりは同じ環境で育ち、 武勇を極め、ふたりで一つの不死を分け合う者……』
voice: 10501180210 静香 『これなら公平でしょう?』
voice: 10501180220 カトリナ 『なるほど、それなら異論ない』
voice: 10501180230 ここな 『そのような案を思いつくとは、さすがは私の妹だ』
voice: 10501180240 ぱんだ 『お任せください!』
voice: 10501180250 ぱんだ 『では的当てをして、先にカストルが当てたらアポロン様の勝ち。 ポリュデケウスが当てたらアレース様の勝ちとしましょうか』
voice: 10501180260 観客 (この舞台は会話のテンポが良くて、楽しいわね)
voice: 10501180270 ぱんだ (観客の声的に、ここはコミカルな感じを強くするか)
voice: 10501180280 ぱんだ 『えいっ! くそっ外したな。日差しが眩しくて上手く的に当たらない』
voice: 10501180290 ぱんだ 『今日は弦の調子が悪いみたいだ』
voice: 10501180300 審査員B (あの柳場ぱんだという役者は、 観客の期待感を演技に利用するのが、上手みたいね)
voice: 10501180310 審査員A (どの役者も、素晴らしい演技力とセンス。 ですが、中でも特にずば抜けているのは……鳳ここな)
voice: 10501180320 審査員A (彼女が共演者全てのセンスを向上させ、 この舞台を、より高みへと押し上げている……)
voice: 10501180330 ここな 『カストルとポリュデケウスの勝負なのに、なぜお前が的に当てるんだ!』
voice: 10501180340 カトリナ 『真剣な勝負に水を差すとは! けしからん!』
voice: 10501180350 知冴 『も、申し訳ございません! なんとお詫びすればよいか……』
voice: 10501180360 静香 『私がガニュメデスに加護を与えたのです』
voice: 10501180370 ここな 『アルテミスが……!? なぜだ!? 何か嫌だったというのか!?』
voice: 10501180380 ここな 『兄さんはお前が誰にも負けない弓の使い手だと証明するために、 勝負をしていたんだ! 一体なぜ……!?』
voice: 10501180390 静香 『私が勝負してくれと頼みましたか?』
voice: 10501180400 ここな 『そ、それは……! だが、アレースなんかに、 我が妹を軽んじられたままなど……これはお前の為で……!』
voice: 10501180410 静香 『いい加減にしてください!』
voice: 10501180420 静香 『そもそも、真剣勝負だと言いますが、兄さんは太陽の陽ざしを強くして、 ポリュデケウスが的に当てるのを邪魔しましたよね?』
voice: 10501180430 ここな 『くっ!』
voice: 10501180440 静香 『カストルの番の時にアレース様が勝どきを鳴らしたり、 カストルの弓の弦を取り替えてイカサマしたのは分かっていますよ』
voice: 10501180450 カトリナ 『そ、それは……!』
voice: 10501180460 静香 『この勝負はガニュメデスの勝ちとします。 両者とも、それで良いですね』
voice: 10501180470 審査員A (この劇団で、さらに異質な存在が彼女……静香という役者。 鳳ここなと、似て非なる存在……)
voice: 10501180480 静香 『では、ガニュメデス、あなたにこの勝負の勝者として、 ネクタルを注いであげましょう』
voice: 10501180490 知冴 『ありがとうございます。アルテミス様。 とりなしてくださって』
voice: 10501180500 知冴 『ごくっ……すごくさわやかです。今まで飲んだことがない味だ。 これが神々の喉を潤してきた……おいしい』
voice: 10501180510 観客たち おおおお……。
voice: 10501180520 審査員A 鳳ここな……すごい役者だ。共演者全てのセンスを向上させながら、 主演として卓越した演技を魅せていた。
voice: 10501180530 審査員A そして、静香さん。彼女が鳳さんの演技に応えるたびに、 ふたりの演技は繋がり、輝きを増していく……。
voice: 10501180540 審査員B 流石さんは会場の空気すらも演技に組み込んでいましたね。 これは舞台への鋭敏な感覚を持っているがこそ、成しえた演技でしょう。
voice: 10501180550 審査員C センスもよく輝いていた。柳場ぱんだは演者と鑑賞者……、 二つの心の声を聴いていただろう。
voice: 10501180560 審査員C 台本にないセリフも舞台の完成度に寄与していた。 ……それでいて、その心の声に呑まれない確固とした演技を魅せていた。
voice: 10501180570 審査員B センスで言うのならカトリナさんも外せません。あの素晴らしい演技は、 ひとえに彼女の並外れた集中力によるものでしょう。
voice: 10501180580 ここな 皆さん、シリウスの舞台を観て頂き、ありがとうございました!
voice: 10501180590 審査員A 舞台として全体的な完成度、各々の演技力の高さ、 センスも上手く組み込んだ演技プランは、見事でした。
voice: 10501180600 審査員A そして特に、主演の鳳さん。
voice: 10501180610 審査員A あなたは、演技や演技プランを支える一本の柱になり、 強い輝きを放っていました。素晴らしかったです。
voice: 10501180620 ここな ……! っ……ありがとうございます!!
voice: 10501180630 望有 …………。
voice: 10501180640 望有 (あの子たちには、ただ演技を指導するだけの指導者はもう必要ない……)
voice: 10501180650 望有 (寧ろ、必要とされているのは既にダイスターの頂の光を見た、 そんな役者の舞台上の背中……)
voice: 10501180660 望有 焦がれていたこの想い……そうね、私もまだ……あの舞台に立ちたい。 あの子たちと共に……。
voice: 10501180670 八恵 ……!
voice: 10501180680 八恵 (柊さん……もしかして……また、舞台に……?)