voice: 1201410010 演出家 諸君も知っての通り次の公演は長丁場だ。 これまで以上に役者の体力が求められる。
voice: 1201410020 演出家 そこで、本日より体力作りを稽古に盛り込んでいく。 もちろん稽古外の個人練習も続けること。始めるぞ。
voice: 1201410030 リリヤ んふぅ、疲れた……我ながら疲れ方も美しい……。
voice: 1201410040 暦 普段から鍛えているつもりでしたが、 さすがに厳しい練習量ですわね……。
voice: 1201410050 voice: 1201410051 ラモーナ ああ、あの緋花里ですら疲れた顔をしていたほどだ……。 大丈夫か、雪。
voice: 1201410060 雪 疲れたが、休んでるヒマはない。 これからバイトだからな。
voice: 1201410070 暦 バイト? 本気で言ってるんですの!?
voice: 1201410080 voice: 1201410081 雪 できないと思うからできないんだ。 ワタシは全部こなす。必要なのははやさだ。
voice: 1201410090 ラモーナ 待て、本読みがまだ終わってない。 演出プランも話し合って決めておくべきだ。
voice: 1201410100 voice: 1201410101 緋花里 うーん、時間かかりそうさー……。 バイトは休むしかないかもしれない。
voice: 1201410110 雪 いいや、やると決めたバイトはやりきる。
voice: 1201410120 voice: 1201410121 暦 雪さん。バイトをやめろとは言いませんわ。 ですが、それは両立していると言えますの?
voice: 1201410130 voice: 1201410131 暦 大事な舞台に備えて話し合わねばなりませんのよ。 どちらを優先すべきかは分かっていますわよね?
voice: 1201410140 voice: 1201410141 雪 もちろん芝居だ、そっちの方が稼げるからな。 だが、チンケなバイトだからと投げ出す気はない。
voice: 1201410150 暦 雪さん!?
voice: 1201410160 voice: 1201410161 雪 先にバイトを片付ける。話し合いはその後だ。 ワタシの部屋で待っててくれればいい。
voice: 1201410170 暦 それはあなたの都合じゃありませんの! 私は――
voice: 1201410180 voice: 1201410181 ラモーナ まあいいだろう、暦。こちらは小休止が必要だ。 それに汗もかいたしシャワーも浴びたい。
voice: 1201410190 暦 それは……まあそうですが……。
voice: 1201410200 雪 フン、恩を売ったつもりか? ドイツめ。
voice: 1201410210 ラモーナ いいや、勘違いするなよ? 雪。
voice: 1201410220 雪 なに……?
voice: 1201410230 ラモーナ 私は、この過酷なスケジュールと稽古疲れの中で、 お前がどこまで自分を貫けるか試したいだけだ。
voice: 1201410240 voice: 1201410241 ラモーナ 私を失望させるなよ、雪。 ……フフ。
voice: 1201410250 voice: 1201410251 雪 いいだろう、やり遂げてやる。 吠え面かかせてやるからな!