voice: 1301810010 voice: 1301810011 美兎 ……よいしょっと。 おじいちゃん、テーブル拭き終わったよ。
voice: 1301810020 祖父 ああ、ありがとうね。 劇で忙しいんだから、手伝ってくれなくても大丈夫だよ。
voice: 1301810030 美兎 ううん。時間がある時は、これまでどおりお手伝いしたいから。
voice: 1301810040 美兎 それに……人前に立つのも、舞台の練習になるかもしれないから……。
voice: 1301810050 祖父 そうかい。ああ、そうだ。いただいた甘いものがあるんだ。 店を開ける前に一服しちゃいなさい。
voice: 1301810060 美兎 じゃ、じゃあ、おじいちゃんたちの分も、お茶を淹れておくね。
voice: 1301810070 美兎 ええと、お湯飲みは……。
voice: 1301810080 美兎 ――え。
voice: 1301810090 祖父 どうしたんだい……って、割れちゃったのか。 危ないから触っちゃ駄目だよ。やっておくから。
voice: 1301810100 美兎 う、うん……。
voice: 1301810110 美兎 (蕾先輩からもらった、幸運のお湯飲みが……)
voice: 1301810120 美兎 (やだな……変なことが起きたら……)
voice: 1301810130 望有 大体まとまったかしらね。
voice: 1301810140 voice: 1301810141 初魅 そうだな、体裁は整った。 けれど、ここで閉幕はうら悲しい。
voice: 1301810150 初魅 麗しき望有との、折角の逢瀬なのだ。 アンコールは必要ではないか?
voice: 1301810160 望有 合同公演について、今できることは語り尽くしたわ。
voice: 1301810170 voice: 1301810171 初魅 舞台を愛する者同士に、語り尽くすなどということはあるまいて。 どうだろうか、気になっているサルーンがあるのだよ。
voice: 1301810180 望有 悪くない提案だわ。命の水で喉を潤せば、 演劇界の良き未来を思う私たちの願いも、言葉にしやすくなるでしょう。
voice: 1301810190 初魅 そうと決まれば、愛馬で案内しよう。
voice: 1301810200 voice: 1301810201 望有 飲みに行くんでしょう。 車で行ったら、帰りが大変じゃない。
voice: 1301810210 初魅 楽園に住まう小鳥たちは、誰しもが私の御者になりたがる。 問題はないさ。
voice: 1301810220 望有 とんだ楽園の暴君がいたものね。
voice: 1301810230 美兎 いらっしゃいませ……っ。 こちら……カウンターに、どうぞ。
voice: 1301810240 祖母 美兎ちゃん。そっちのお膳、片付けてもらえる?
voice: 1301810250 美兎 はーい。
voice: 1301810260 美兎 あ、いらっしゃいま――せ……。
voice: 1301810270 voice: 1301810271 初魅 2名なのだが席はあるか―― ん?
voice: 1301810280 望有 あら、あなたは。
voice: 1301810290 美兎 ど……どど、どうして……。
voice: 1301810300 voice: 1301810301 初魅 劇団電姫の妖精、美兎ではないか! ご自宅が飲食店とは聞いていたが、まさかこの店だったとは。
voice: 1301810310 初魅 これは運命というものだな。今日のお前は 一段と可愛いぞ。台東区で一番かもな。
voice: 1301810320 望有 あ、すみません。コレについてはお構いなく。
voice: 1301810330 望有 白丸さん、席に案内してもらってもいいかしら?
voice: 1301810340 美兎 ええ……ええええ……?