voice: 1302510010 ラモーナ うむ。やはり勝負とあっては気合いが入るものだな。 思わず仕事を忘れて熱中してしまったぞ。
voice: 1302510020 雪 フン、さっきは負けたが次はこうはいかん。 今度は必ず、ワタシの実力を見せつけてやる。
voice: 1302510030 ラモーナ ほう、面白い……!
voice: 1302510040 ラモーナ であれば、もう一戦お手合わせ願えるか? ライバル同士、切磋琢磨しようではないか!
voice: 1302510050 雪 いいだろう、吠え面かかせてやる!
voice: 1302510060 緋花里 おおーッ! 火花がバチバチ飛んでるね! これはアツい戦いになりそうさー!
voice: 1302510070 緋花里 それでそれで! 対決は? ダンスバトル? それとも拳と拳の血湧き肉躍る殴り合い!?
voice: 1302510080 雪 んな訳ないだろ……。
voice: 1302510090 ラモーナ ボクシングか。任せてくれ、経験はある。
voice: 1302510100 雪 お前な……。顔が命の女優なんだぞ。 ケガでもして稼ぎが減ったらどうしてくれるんだ!
voice: 1302510110 ラモーナ ハハ、もちろん冗談だ。そもそも私と雪では階級が違う。 体重を揃えて戦えないようでは、勝負が成立しないからな。
voice: 1302510120 ラモーナ ゆえに条件は、能力差がなく平等であること。 おあつらえ向きのいいものを見つけたぞ。アレだ!
voice: 1302510130 雪 アレ?
voice: 1302510140 緋花里 どれ?
voice: 1302510150 ラモーナ 並んだピンに願いを込めて、入れと念じて解き放つ!
voice: 1302510160 ラモーナ そう、輪投げだ!!!
voice: 1302510170 緋花里 おおーッ!
voice: 1302510180 雪 お前……いくらなんでもそれはないだろう。 輪投げなんて子どもの遊びだぞ……。
voice: 1302510190 ラモーナ いいや違うな。輪投げは万人に平等なスポーツだ。
voice: 1302510200 ラモーナ 使うは腕の1本のみ、その腕力も最低限あればいい。 なにより背丈や体格差によらないのが素晴らしい。
voice: 1302510210 雪 ……待て。要はワタシがチビだから 輪投げが似合うと言ってるのか?
voice: 1302510220 ラモーナ 平等であるよう配慮した結果だ。 問題ないな、緋花里ジャッジ。
voice: 1302510230 緋花里 いいと思うよ! イーブンな勝負、だいじ!
voice: 1302510240 voice: 1302510241 雪 何か釈然としないが……。 まあいい、ならとっとと行くぞ。
voice: 1302510250 ラモーナ よし、では私の手を取れ。雪。緋花里もだ。 手を繋いで向かうぞ!
voice: 1302510260 緋花里 はーい――
voice: 1302510270 雪 おい待て、今度はどういう了見だ? 輪投げだの手を繋ぐだの、お前ワタシを子ども扱いしていないか?
voice: 1302510280 ラモーナ この盛況たる客入りを見ればわかるだろう。 この人波に飲み込まれでもすれば、どうなると思う?
voice: 1302510290 voice: 1302510291 緋花里 はぐれちゃうかもしれない……。 ラモさんの手、しっかり握るね!
voice: 1302510300 雪 まあ、それはわかるが……。
voice: 1302510310 ラモーナ ああ。背丈の低いお前たちは人の渦に飲まれ溺れてしまう。 はぐれて泣き出して、迷子放送で恥をかくことになるぞ!
voice: 1302510320 雪 おい、やっぱり子ども扱いしてるだろ!? ワタシは手など繋がん! 輪投げもナシだ!
voice: 1302510330 ラモーナ では私の不戦勝ということになるが、いいのか?
voice: 1302510340 雪 ぐ……!
voice: 1302510350 ラモーナ 雪、お前のとり得る選択肢はふたつだ。 私と手を繋ぎ輪投げ勝負をするか。戦わず負けるか。
voice: 1302510360 雪 どんな選択肢だよ!? どう転んでもお前の勝ちじゃないか!
voice: 1302510370 ラモーナ ハハハ、バレてしまったか! 私はひとまず仕事を忘れ、夏祭りを楽しむことにしたのだ!
voice: 1302510380 ラモーナ 雪も肩肘張らず、楽しんだっていい。
voice: 1302510390 緋花里 その通りさー!
voice: 1302510400 ラモーナ それに役者は、あらゆる経験を血肉に変える生き物。 いつ何時、夏祭りの情景を演じるとも知れないぞ。
voice: 1302510410 雪 急にまともなこと言いやがって……!
voice: 1302510420 ラモーナ 私はいつもまともだ。だから遠慮なく甘えてくれ。 家族だとでも思って接してくれていい。
voice: 1302510430 voice: 1302510431 雪 フン、いらんわこんな家族! ワタシはもう行く―― おい、手を引っ張るなよ!?
voice: 1302510440 voice: 1302510441 ラモーナ おお! これが噂に聞くヒモくじか……! 1等は最新型ゲーム機のようだが……本当に当たるのか?
voice: 1302510450 雪 聞かれたらどうするんだ。 妙な難癖つけんなよ……!
voice: 1302510460 ラモーナ ではあれは? 風船の中に水を詰めているだと!?
voice: 1302510470 緋花里 あれは水風船! ばいんばいーんって弾んで笑顔になるよ!
voice: 1302510480 ラモーナ それは興味深い! よし!
voice: 1302510490 voice: 1302510491 雪 そんな無駄なモンにカネを使うなよ……。 おいドイツ、とっとと行くぞ――
voice: 1302510500 ラモーナ ハハハ、見てくれ雪! 水風船が大量だ!
voice: 1302510510 雪 あの一瞬でどれだけ釣ってんだよ!?
voice: 1302510520 voice: 1302510521 ラモーナ 水風船が私に釣られたがっていたのでな。 ほら、雪も遊んでみろ。ばいーん! とだ!
voice: 1302510530 雪 いらん! どれだけ子ども扱いする気だ!? もういい加減に――
voice: 1302510540 ラモーナ うむ、これが日本のコットンキャンディーか。 故郷と違って甘味が控え目だが、これはこれでいける。
voice: 1302510550 緋花里 あはは! ラモさん口の周りベタベタだよー!
voice: 1302510560 ラモーナ すまない雪、ハンカチで口元を拭いてくれないか。 あいにく両手が塞がっていてな。
voice: 1302510570 雪 甘えてくれなんて言ってるヤツが世話焼かせるな! ドイツの方がはるかに子どもじみてるじゃないか!?
voice: 1302510580 voice: 1302510581 ラモーナ 仕方ないだろう、お祭りは童心に帰れるのだからな。 おっ? あちらに人だかりがある! きっと面白いぞ!
voice: 1302510590 雪 ああもう、勝手にフラフラどこかに行くな! 心配になるだろ! お前は私の兄さんか!?
voice: 1302510600 緋花里 え? お兄さん?
voice: 1302510610 voice: 1302510611 雪 あ、ああいや……! ……聞き間違いだ。気にするな。
voice: 1302510620 ラモーナ フフフ。私の聴覚を侮ってもらっては困るな。 聞き間違いなどするものか。
voice: 1302510630 ラモーナ 雪。お前は今、私を兄さんと呼んだ。 つまりこの私を……家族と認めた、ということだな!?
voice: 1302510640 緋花里 わあーっ!
voice: 1302510650 雪 ぐうっ……!? よりにもよって面倒なことに……!