voice: 1304910010 氷川 ……皆様、お食事の準備が整いました。 皆様、お食事の準備が……いえ、ご夕食の方が?

voice: 1304910020 氷川 (……暦お嬢様のご同輩がお見えになっている。  粗相があってはいけません、改めて練習しておかないと)

voice: 1304910030 voice: 1304910031 氷川 皆様、お食事の準備が整いました。 ……ふう。

voice: 1304910040 『言うにこと欠いて知らないとは笑わせる。  盗人猛々しいとはこのことだ』

voice: 1304910050 『だ、だから知らなかったんだ!  そんなに大事なモノならこれは——』

voice: 1304910060 氷川 (真剣に取り組んでらっしゃる皆様の声。  この熱を中断させるのは忍びないですが……)

voice: 1304910070 voice: 1304910071 氷川 ……よし。 失礼いたします——

voice: 1304910080 ラモーナ ……うむ、いい芝居だった。 客は急展開に釘付けだな。

voice: 1304910090 バカめ、誰が演ってると思ってる。王雪だぞ?

voice: 1304910100 voice: 1304910101 緋花里 でも雪、さっきセリフ間違えてたさー。 暦さんのアドリブ、グッジョブ!

voice: 1304910110 あら、私は試されたものだとばかり。

voice: 1304910120 そ、そうだ! 台本が頭に入ってるか試してやったんだ! もう一度やるぞ!

voice: 1304910130 voice: 1304910131 ラモーナ そうだな。満足できるまで演ろう! いいな、暦!

voice: 1304910140 何度も言われずとも分かっておりますわよ。 私も、想いは同じですから。

voice: 1304910150 氷川 (本読みのご予定と伺っていましたが、もう稽古を。  それに、暦お嬢様が笑っておられる……)

voice: 1304910160 氷川 (お気づきになるまで待機しておきましょう。  皆様の熱意を削ぐ訳にもいきませんし)

voice: 1304910170 リリヤ ……。

voice: 1304910180 氷川 (あの方がリリヤ・クルトベイ様。  お嬢様の仰る通り、目を離せない華がある。お美しい……)

voice: 1304910190 リリヤ ? なに?

voice: 1304910200 氷川 あ……!

voice: 1304910210 氷川 (いけません、私としたことが!  目が合った瞬間、びっくりして……)

voice: 1304910220 氷川? どうかなさいまして?

voice: 1304910230 氷川 え、ええと……。

voice: 1304910240 氷川 お、お食事の準備が整いました。 いろはお嬢様もお待ちですので、リビングへ……。

voice: 1304910250 緋花里 やったー! 晩ご飯に向かって突撃ーッ!

voice: 1304910260 voice: 1304910261 ラモーナ こらこら、走ると危ないぞ。 ……と言いつつ私も突撃だ! ブリッツクリーク!

voice: 1304910270 voice: 1304910271 おいワタシの分まで食べる気だろ!? 待て、緋花里!

voice: 1304910280 まったく。まるで遠慮がありませんわね……。

voice: 1304910290 リリヤ その割に、ずっと嬉しそうだけれど。

voice: 1304910300 voice: 1304910301 ホストとして礼節を弁えているだけですので。 ありがとう氷川。リリヤさんは私が案内しますわ。

voice: 1304910310 氷川 承知しました。では——

voice: 1304910320 リリヤ ……。

voice: 1304910330 氷川 (あ、また目が合って……)

voice: 1304910340 氷川 ……また、動揺してしまった。 私としたことが、緩んでいますね……。

voice: 1304910350 緋花里 おっ! おおッ……!

voice: 1304910360 緋花里 美味しいーッ!!!

voice: 1304910370 いろは 今日はありがとうございます、ラモーナさん。 部外者の僕まで同席していいだなんて嬉しいです。

voice: 1304910380 ラモーナ 何を言う、いろはは暦の妹だろう。 つまり我々の義理の妹と言っても過言ではないからな。

voice: 1304910390 過言ですわよ。

voice: 1304910400 ラモーナ ハハハ! しかしこの春彩御膳。言い得て妙の見事な彩り。 まるで温泉旅館のもてなしだ。

voice: 1304910410 リリヤ うん。どれも美しい。

voice: 1304910420 緋花里 それに美味しい! みんなで食べるとより楽しい! いろはさんも食べて食べて! 雪も!

voice: 1304910430 ……暦サン、後で請求書送る気だろ?

voice: 1304910440 明らかにやりすぎですが、おもてなしですわ……。 ……ですから、ご安心ください。

voice: 1304910450 なら食う! お前ら、ちょっと残すのがマナーだぞ!

voice: 1304910460 緋花里・ラモーナ おーッ!

voice: 1304910470 氷川 (皆様、ごゆるりとお食事を楽しんでおられる。  ご苦心なさっていた林シェフに伝えたいですね)

voice: 1304910480 リリヤ ……。

voice: 1304910490 氷川 (リリヤ様のお食事があまり進んでいない……?  お好きなものをご用意しているはずですが、では何故……)

voice: 1304910500 リリヤ ……ねえ。

voice: 1304910510 ラモーナ ん? どうかしたかリリヤ。

voice: 1304910520 リリヤ あの子は食べないの?

voice: 1304910530 氷川 ……!

voice: 1304910540 氷川のことでしたらお気になさらず。 もちろん、意地悪をしている訳ではありませんのよ。

voice: 1304910550 いろは 僕も姉さんも誘ったことはあるんですが、そうすると決まって。

voice: 1304910560 暦・いろは あくまでも使用人ですから。

voice: 1304910570 氷川 左様です。

voice: 1304910580 リリヤ ……そう。

voice: 1304910590 それに、ただ見ているだけが彼女ではありませんわ。

voice: 1304910600 リリヤ

voice: 1304910610 氷川 (リリヤ様のお食事が進んでいない理由……。  ……なるほど、そういうことですか)

voice: 1304910620 氷川 リリヤ様。こちら林シェフ特製、辛口ソースにございます。

voice: 1304910630 リリヤ 辛口……。

voice: 1304910640 おいズルいぞ! ワタシもかける——

voice: 1304910650 ——かっ、辛すぎる! なんだよこれ!? こんなの食えるのフィンランドだけだぞ!

voice: 1304910660 ラモーナ リリヤのためのオプションということか! これぞ和のおもてなし、素晴らしい!

voice: 1304910670 リリヤ 試してもいい?

voice: 1304910680 ええ、そのためにご用意したものですから。 お口に合うものであればよいですが。

voice: 1304910690 リリヤ ……うん。とても美味しい。 ありがとう。

voice: 1304910700 氷川 (林シェフには驚かれましたが、辛口ソースを進言して正解でした)

voice: 1304910710 氷川 (心置きなくお過ごしいただく一助となれた。  これこそが千寿家使用人としての喜びです)