voice: 1400910010 ラモーナ やはり公演を観てくれていたか。 舞台の上から客席に座る姿が見えたよ。

voice: 1400910020 倫子 んー、残念! 今回はバレないようにして、 サプライズしようと思ってたんだけどな。

voice: 1400910030 ラモーナ 私の目を欺こうなどと思わないことだ。倫子。

voice: 1400910040 緋花里 もぐもぐ……お土産のアップルパイおいしー!

voice: 1400910050 お前、観に来るたびにお土産買ってくるけど 財布は平気なのか? 旅費だってかかるだろ。

voice: 1400910060 リリヤ チケットも自分で用意してる。 言ってくれればタダなのに。

voice: 1400910070 倫子 ねえ雪ちゃん、リリヤちゃん。 おカネは何のためにあると思う?

voice: 1400910080 生きるためだろ。それか人生。

voice: 1400910090 倫子 その通り。だけどちょっと違う! 推しにもらった人生の喜びを、還元するためにあるんだよ!

voice: 1400910100 緋花里 そんなのあげたっけ?

voice: 1400910110 倫子 気づいてないだけでたっくさん与えてるよ。 だからこれはお返しなの。

voice: 1400910120 voice: 1400910121 倫子 ああ、えっと。もちろん心配ないからね? 昼職の郵便局勤務も夜の小劇団も順調なんだ。

voice: 1400910130 リリヤ 推し活は給料の3分の1まで?

voice: 1400910140 voice: 1400910141 倫子 だいじょうぶ守れてる! ……たぶん! おそらく!

voice: 1400910150 voice: 1400910151 ラモーナ ハハ、元気そうでよかった。 しかし、暦と話が合いそうだな。推し活の話なんて特に。

voice: 1400910160 そうかあ? アイツ数観てるけど勉強のためだろ? ここまで熱狂的とは思えないんだが。

voice: 1400910170 オホン! お久しぶりですわ、福士さん。 ご覧になってくださったんですのね。

voice: 1400910180 voice: 1400910181 倫子 今回もよかったよ千寿さん! あ、お土産あるから持って帰って――

voice: 1400910190 voice: 1400910191 それよりラモーナさん、ちょっと。 ……ちょっとお面を貸していただけますの?

voice: 1400910200 voice: 1400910201 ラモーナ な、なぜそんなに怖い顔を……! 引っ張っているぞ!? いっ、いだだだ!

voice: 1400910210 voice: 1400910211 ラモーナ 何をそんなに怒っているんだ、暦……。 倫子と喋っていたからヤキモチを妬いているのか?

voice: 1400910220 違いますわよ! 私の推し活がバレかねない発言をしたからですわ!

voice: 1400910230 voice: 1400910231 ラモーナ あ、ああ……だが相手は倫子だぞ? 同じように推しを愛でる者同士仲良く――

voice: 1400910240 なれるとも限らないのが推し活ですのよ! 沼よりも深い理由があるので説明は省きますが!

voice: 1400910250 voice: 1400910251 ラモーナ わ、わかった。私が悪かった。 今後は他言しないようにする……!

voice: 1400910260 voice: 1400910261 内緒と言いましたのに、まったく……。 ……まあ、彼女が元気そうで安心しましたけれど。

voice: 1400910270 ラモーナ お前も気にかけていたんだな、倫子のこと。

voice: 1400910280 voice: 1400910281 当然ですわ、銀河座の役者は全員覚えておりますもの。 本当に大勢やってきては、去っていきましたから……。

voice: 1400910290 ラモーナ そうか……。

voice: 1400910300 ですが、福士さんとはこうして交流を持てている。 不思議なこともあるものですわね。

voice: 1400910310 voice: 1400910311 ラモーナ 何を言ってるんだ? 不思議などではないさ。 倫子は私の……いや、私たち銀河座の大切な友人だ。

voice: 1400910320 ラモーナ もちろん倫子だけじゃない。 辞めていった者たちも、そして現役の劇団員たちも。

voice: 1400910330 voice: 1400910331 ラモーナ リリヤや雪、緋花里……そして暦も。 欠かすことのできない銀河の星だ。

voice: 1400910340 ……本当に甘いですのね。

voice: 1400910350 ラモーナ 甘いのは嫌いか?

voice: 1400910360 ……ねえ、ラモーナさん。 何か私にしてほしいことはありませんの?

voice: 1400910370 voice: 1400910371 ラモーナ 急にどうしたんだ? ま、まさか私はまた怒らせるようなことを?

voice: 1400910380 違いますわよ。あなたにお礼をしなければと思いまして。 何かありませんの? 可能なことでしたらいくらでも。

voice: 1400910390 voice: 1400910391 ラモーナ そう言われても、そうそう思いつくことなど……。 ……ああ、じゃあひとつ頼まれてくれるか、暦。