voice: 1402420010 美兎 ……。

voice: 1402420020 美兎 (このシーン、好きなんだ……)

voice: 1402420030 野球少年 『見てるだけでもいいよ。  野球って、本当に楽しいから、すぐにやりたくなるよ!』

voice: 1402420040 美兎 (この子、観てると……いろはちゃん、思い出す……)

voice: 1402420050 美兎 (いろはちゃんが声をかけてくれたから、美兎も――)

voice: 1402420060 先輩 『おい、補欠! お前はボール拾いな!』

voice: 1402420070 野球少年 『はい!』

voice: 1402420080 美兎・少年 『……雑用ばっかじゃん』

voice: 1402420090 美兎・少年 『……レギュラーになれないのに、  どうしてそんな楽しそうなんだよ』

voice: 1402420100 野球少年 『楽しいから?』

voice: 1402420110 美兎・少年 『……答えになってないよ』

voice: 1402420120 美兎・少年 『……何が楽しいのか、わからない』

voice: 1402420130 野球少年 『でも、毎日見に来てくれてる』

voice: 1402420140 美兎・少年 『それは……』

voice: 1402420150 野球少年 『上手くなりたいんだ。  キャッチボール、つきあってよ』

voice: 1402420160 少年 『うわっ!?』

voice: 1402420170 美兎 ……うわっ。

voice: 1402420180 野球少年 『悪い! 強すぎた!』

voice: 1402420190 美兎 っ……ちゃんと……投げろよ……野球部……だろ……っ!

voice: 1402420200 美兎 っ……くっ……んんっ……。

voice: 1402420210 美兎 (手に、響くジンとする痛みが……嬉しいんだよね……。  本当は『ボク』も……ずっと、キャッチボールがやりたかったから……)

voice: 1402420220 美兎 (でも、怖かった……上手く話せなくて、幻滅させるのが怖くて……。  自分から一歩踏み出せない気持ち……同じなんだもん……)

voice: 1402420230 美兎 (同じ……。  美兎も、いろはちゃんがいてくれたから……)

voice: 1402420240 美兎 (いろはちゃんがあの日、  美兎に声をかけてくれたから……)

voice: 1402420250 美兎 (……うん、わかるよ。  美兎もそうだったから)

voice: 1402420260 美兎 (でもね……。  今は美兎も電姫の一員になれたくらい、前に進めてるんだよ)

voice: 1402420270 美兎 (いろはちゃんと観て、憧れた、  キラキラ輝いた電姫の舞台にだって――立ててるの)

voice: 1402420280 美兎 だから……泣いてちゃ、だめだよね……っ!

voice: 1402420290 祖母 美兎、邪魔してたらごめんね。 お土産に甘いものもらったけど。明日にするかい?

voice: 1402420300 美兎 おばあちゃん……ありがとう。 えっと、食べたい……な。

voice: 1402420310 美兎 わ。揚げ饅頭だ。

voice: 1402420320 祖母 いい映画だったみたいだね。

voice: 1402420330 美兎 あ……。

voice: 1402420340 美兎 ……うん。

voice: 1402420350 祖母 そう。 ……一緒に観てあげられたら、良かったんだけどね。

voice: 1402420360 voice: 1402420361 美兎 う、ううん。そんなことないよ。 美兎こそ……お店お手伝いできなくてごめんなさい。

voice: 1402420370 祖母 お店は大丈夫だよ。美兎ちゃんは舞台のことを考えればいいんだから。 おじいちゃんはちょっと寂しがってるけどね。うふふ。

voice: 1402420380 美兎 ……うん。 おじいちゃんとおばあちゃんを笑顔にできるような役者さんに……なりたい。

voice: 1402420390 祖母 うん。それじゃあ頑張れるように、甘いものを食べて。 お腹が空いていると、物事を悪く考えちゃうからね。

voice: 1402420400 voice: 1402420401 美兎 ありがとう。 いただきます。