voice: 1403820010 さあ、この酔拳の動きが見切れるかぁ~? 酔っていると見せかけて~……うぃッ、ひっく! ……ほあたァッ!

voice: 1403820020 緋花里 うーわー! やーらーれーたーっ!!! バタッ。

voice: 1403820030 ラモーナ 緋花里の仇は私がとる!

voice: 1403820040 いいだろう、かかってこい! ヒック!

voice: 1403820050 信じられませんわ……。 一滴も飲んでいないのに、この支離滅裂さ……。

voice: 1403820060 voice: 1403820061 リリヤ 銀河座のレベルの高さを感じる。 暦も飲んだら? 酔って乱れるところを見せて?

voice: 1403820070 飲みませんし、芝居もしませんわよ……。

voice: 1403820080 ラモーナ ハハハッ! 皆、飲んでいるか!? 酒が足りていない者はいないか!?

voice: 1403820090 緋花里 はいラモさん! 暦さんのグラスが空っぽさー!

voice: 1403820100 えっ!?

voice: 1403820110 ラモーナ それはいけない! ビールは日々を豊かにするもっとも気安い友なのだ!

voice: 1403820120 ラモーナ それはドイツ人の魂! 仲間との会話を盛り上げる魔法! 瞼を閉じれば、ディアンドル姿の乙女の笑顔が浮かんでくる!

voice: 1403820130 voice: 1403820131 ラモーナ ああ、ビールは素晴らしい。オクトーバーフェストが恋しい……! さあ暦、景気づけに乾杯の歌を舞い踊ろう! グラスを出せ!

voice: 1403820140 グラスも何も参加した覚えなどありませんわよ……。 振る舞うならリリヤさんに――って、もう飲んでますの!?

voice: 1403820150 voice: 1403820151 リリヤ ごく、ごく…… ぷはっ。ふふ、ラモの酌だから美味しい。

voice: 1403820160 リリヤ ねえ。少し、酔ってしまったみたい。 火照ってしまった体はどうすべき……?

voice: 1403820170 voice: 1403820171 脱ぐのはおやめなさいリリヤさん!? なんですの、このカオスな状況は……!

voice: 1403820180 残念だが飲まないと……いや、飲まれないと終わらないぞ。 こいつらもれなく酒癖悪いからな。

voice: 1403820190 くっ!? うまいこと言われましても私は……!

voice: 1403820200 ラモーナ よし暦、ドイツ式の親睦の深め方を教えよう! 互いに腕を組み合ってビールを飲むのだ。

voice: 1403820210 緋花里 ラモさんの友情ビールが飲めないのかーッ!

voice: 1403820220 ああもう、わかりましたわよ! 早く終わらせてくださいまし!

voice: 1403820230 ラモーナ ならばまず向き合おう。そしてグラスを持つ右腕を掲げる。 掲げた腕を交差させ自分のグラスに口づけるのだ。相手を見つめてな。

voice: 1403820240 腕を掲げて、組み合う。 そして相手を見る――

voice: 1403820250 うっ……!?

voice: 1403820260 ラモーナ どうした暦、腰が引けているぞ。 もう少し近づけないか?

voice: 1403820270 (顔が近すぎますわよ!?)

voice: 1403820280 い、いえその……。 ……あまり近づくと私、お酒臭いかと思いまして。

voice: 1403820290 ラモーナ 安心してくれ。酒精の香りはお前を魅せる香水だ。 なんならもっと近づこう。肩を組んで。

voice: 1403820300 まっ、待ってくださいまし!? これは友情の距離感ではありませんわよね……!?

voice: 1403820310 リリヤ ヨーロッパだとこんなものだと思う。

voice: 1403820320 ここは上野ですわよ!? その、あまり近づかれると、私の……!

voice: 1403820330 (この胸の鼓動が、聞かれてしまう……!)

voice: 1403820340 お? 暦サンの顔が赤いぞ? 照れてるのか?

voice: 1403820350 よ、酔っているだけです! お芝居をしているまでですわ! わかりまして!?

voice: 1403820360 ラモーナ ああ、すまんすまん。少し調子に乗りすぎたよ。

voice: 1403820370 ……もう絶対、お酒が飲める年齢になろうとも ラモーナさんとはご一緒しませんわ!

voice: 1403820380 ラモーナ 悪かったよ。どうしても思い出してしまったんだ。 かつての仲間たちと、芝居を作っていた頃をな。

voice: 1403820390 ラモーナ ……あの日々は自ら捨てたものだ。 懐かしいと思うことすら、私には贅沢だな。

voice: 1403820400 voice: 1403820401 ……っ! ラモーナさん、今のそのお芝居……。

voice: 1403820410 ラモーナ 芝居? いや、今のは単に昔を懐かしんだだけで――

voice: 1403820420 リリヤ 嬉しくも悲しくもある、複雑な表情だった。 美しかった。

voice: 1403820430 voice: 1403820431 緋花里 うん、私立探偵のマーロウがいた感じさー! カッコいい! そしてシブい!

voice: 1403820440 ラモーナ ……そうか。私は、あの日の別れを覚えている…… これならギムレットを飲めずとも別れを伝えられる……。

voice: 1403820450 まったく、持ってるモンに気づくのが遅いんだよ。 今の芝居ができてればもっと評判だったってのに。

voice: 1403820460 voice: 1403820461 ラモーナ ああ。忸怩たる想いだが……まだ間に合う。 残りの『長いお別れ』は名演になるはずだ。

voice: 1403820470 ラモーナ 皆、ありがとう。この礼は……そうだな。 いつか本物の宴席で、一杯奢らせてくれ。