voice: 1406020010 初魅 嬉しいとは、どういうことだ?
voice: 1406020020 リリヤ 珍しいものが見られたから。 芝居以外のことで熱っぽくなるなんて、あなたらしくないもの。
voice: 1406020030 リリヤ Edenという居場所を、気に入っている証拠。
voice: 1406020040 初魅 ストレートに言われると言い返したくなるが……。 これに関しては、反論の余地無しだ。
voice: 1406020050 初魅 自分の思うがまま動かせる劇団と、自分が認めた役者たち。 このふたつが揃っているんだ、何も言うことはないさ。
voice: 1406020060 初魅 もちろん、今後もそのままかどうかはわからないがな。 何かのきっかけで、私がEdenを見限ることだってあり得る。……その逆も。
voice: 1406020070 初魅 だが……今のEdenなら、その心配はなさそうだ。 バレンタインの出来事で、そう確信した。
voice: 1406020080 リリヤ もう疑わないのね。
voice: 1406020090 初魅 疑う余地がないからな。
voice: 1406020100 リリヤ そう。ならたくさん、苛烈な愛を注いであげて。
voice: 1406020110 初魅 他人事になるには、まだ早いぞ。 お前も、私の愛を受け取るべき相手だからな。
voice: 1406020120 リリヤ え?
voice: 1406020130 初魅 受け取れ。お前風に言うなら、私からの苛烈な愛だ。
voice: 1406020140 リリヤ プレゼント? あなたが、私に……?
voice: 1406020150 初魅 何を驚く? バレンタインでは、お前に一番世話になった。 真心と礼を返すのは当然だろう?
voice: 1406020160 リリヤ 開けていい?
voice: 1406020170 初魅 ああ、遠慮なく。
voice: 1406020180 リリヤ ……ボディクリーム。チョコレートの香りなのね。
voice: 1406020190 初魅 せっかくだし、バレンタインらしい物が良いと思ってな。 下調べして、お前が使っているメーカーのものにしてみた。
voice: 1406020200 リリヤ うん。合ってる……。
voice: 1406020210 初魅 ふふっ……そんなに驚いたか?
voice: 1406020220 リリヤ ……ずるい。 バレンタイン、何もあげなかったのに……。
voice: 1406020230 初魅 その顔が見られただけでも、贈った甲斐があるな。
voice: 1406020240 リリヤ …………。
voice: 1406020250 初魅 おっと、からかいすぎたか。 だが、この楽しさを教えてくれたのはお前なんだぞ?
voice: 1406020260 リリヤ 私?
voice: 1406020270 初魅 自分からチョコを渡すときの、緊張や期待……。 渡された相手の、照れる姿や喜ぶ顔……。
voice: 1406020280 初魅 バレンタインというイベントならではの、興奮と感動。 今までのように貰うだけだったら、絶対に分からなかっただろう。
voice: 1406020290 初魅 お前がきっかけをくれなかったら、何も知らないままだった。 心から礼を言わせてくれ。
voice: 1406020300 リリヤ 言い方が大げさ……。
voice: 1406020310 初魅 それだけ感謝しているということだ。
voice: 1406020320 リリヤ うん……初魅の気持ちは、ちゃんと伝わった。 プレゼント、ありがとう。
voice: 1406020330 初魅 ふふっ……。
voice: 1406020340 リリヤ 何かおかしかった……?
voice: 1406020350 初魅 いや……その笑顔が私だけに向けられていると思ったら、 つい笑みがこぼれてしまった。
voice: 1406020360 初魅 来年のバレンタインも、 リリヤの笑顔が見られるように頑張らねばな!
voice: 1406020370 リリヤ 動機が不純。でも——
voice: 1406020380 リリヤ (きっと、貴女の役に立つ。 愛は巡るものだから)
voice: 1406020390 初魅 でも……なんだ?
voice: 1406020400 リリヤ これ以上は言わない。いつか巡ってくることだから。 ふふ。