voice: 1410810010 美兎 お団子買えて……良かったですね。 閉店ギリギリだったから、こんなに……サービスしてもらっちゃった。

voice: 1410810020 すまない。 闘いの宴を観戦していたというのに。

voice: 1410810030 voice: 1410810031 美兎 気にしないでください。 って、もう……何回目ですか。

voice: 1410810040 私は闇の浸食を阻む結界の確認のため街へと出る必要があったが、 白丸は千寿たちの闘いの結果を観たかったろう。

voice: 1410810050 美兎 でも、いろはちゃんたち、ゲーム終わった時、 食べる物がなかったら……寂しくなっちゃうと美兎も思いましたから。

voice: 1410810060 美兎 それにお団子……。 まだまだみんな、食べたそうでしたし。

voice: 1410810070 うむ……あれには驚かされたな。 言葉通り山ほど買い込んだというのに、まさか全て食べ尽くされるとは……。

voice: 1410810080 恐るべきは大食の秋か。かくいう私も……くぅ!  明日から術式構築自己鍛錬の時間を増やさねばッ! 主に腹部のッ! 

voice: 1410810090 美兎 心配……ないと思いますけど……。

voice: 1410810100 いいや! 油断し、暴食の残滓が目立とうものなら、 要さんは不寛容な握撃で襲い来る! ……白丸も気をつけろ。

voice: 1410810110 美兎 は、はい。美兎も、秋はおじいちゃんたちの料理美味しくて、 いつも食べ過ぎちゃうんです……よね……ぷにられちゃうかも……。

voice: 1410810120 かといって、不寛容な握撃を恐れるあまり、 皆を空腹に悩ませるわけにもいくまい……。

voice: 1410810130 昼の支配者の影響が低下していくこれからの季節、 飢えた妖精は貪欲な亡者へと変貌を遂げやすいからな……。

voice: 1410810140 美兎 も……亡者……。

voice: 1410810150 うむ。マチコさんより潤沢なる戦費を預かっている。 皆の腹を満たすことで、邪悪な魔物も近寄ることはできなくなろう。

voice: 1410810160 美兎 ……十五夜パーティーの準備、みんなでがんばりましたもんね。 幸せな時間……過ごしてほしいなぁ。

voice: 1410810170 フ……疑いなど、無用の感情だ。 饗宴にかける熱情により、既に数多の幸福が降り注いでいるからな。

voice: 1410810180 美兎 ですね。お団子をみんなと一緒に食べられたらなぁってつもりだったのに、 ゲーム大会に、コスプレカラオケ……楽しくなっちゃいますよね。

voice: 1410810190 白丸の依り代企画も素晴らしかった。

voice: 1410810200 美兎 えへへ。十五夜ですし……みんなでうさぎのぬいぐるみを作って飾ったら、 可愛いかなって思って。大成功で良かったです。

voice: 1410810210 うむ。ふわふわでもこもこのうさぎに囲まれたことで、 私も清浄なる結界の力を補充された気分だ。

voice: 1410810220 美兎 完成品は……ファンへのプレゼントにするってアイデアのおかげで、 マチコさんに予算……出してもらえたから。ふふ、豪華になっちゃいました。

voice: 1410810230 voice: 1410810231 動画にして広域魅了に使うとも言っていた。……が、 薄衣連盟の暴走による兎装束の阻止には骨が折れた……。

voice: 1410810240 美兎 バニーあわせ、きっと楽しいと思いますけど……。

voice: 1410810250 あ、あ、あのような防御力の低い装束を纏うなど危険すぎるっ!  組織の邪悪眼は常に我らを監視しているのだからなっ! 

voice: 1410810260 に、似合う似合わないの問題ではない。防御力が下がるのは組織との戦いに おいて大きな不利を――いや今は潜匿の真理についてよりも、だ。

voice: 1410810270 voice: 1410810271 同じうさぎでも、白丸たちの作った聖なる依代は心洗われるものがあった。 千寿と交換もしていただろう? 

voice: 1410810280 美兎 はい。あまった材料を使えばちっちゃなぬいができそうでしたから。 いろはちゃんと同じ型紙で作って、交換したんです。ふふ。

voice: 1410810290 美兎 ……美兎、電姫に入ってから。 みんなと一緒の時間がたくさんあって……とっても嬉しいんです。

voice: 1410810300 ……そうだな。

voice: 1410810310 (組織の陰謀を思えば、私も術式の追及にのみ集中すべき……)

voice: 1410810320 (しかし電姫と共にある無駄と思える時間にこそ、境地を開くための――)

voice: 1410810330 …………白丸?

voice: 1410810340 美兎 お月様……………………。

voice: 1410810350 (振り返ると、白丸は立ち止まり、空を見上げていた)

voice: 1410810360 美兎 きれい…………。

voice: 1410810370 白ま――

voice: 1410810380 (……その横顔に、息を呑む)

voice: 1410810390 (白丸の瞳に映る満月は、とても美しく)

voice: 1410810400 美兎 ――美兎。

voice: 1410810410 (美しすぎて――)

voice: 1410810420 美兎 美兎、電姫にいていいのかな。

voice: 1410810430 ……白丸。

voice: 1410810440 美兎 ……あっ。え、ええと……!? 今のは……!?

voice: 1410810450 月の魔力に惑わされたか。

voice: 1410810460 美兎 あのその違くて……っ!

voice: 1410810470 月とは美しければ美しいほどに人を狂わせると言う。 特に季節の揺らぐ時は、内なる隣人の囁きもよく響くからな。

voice: 1410810480 美兎 ……ごめんなさい。

voice: 1410810490 ひとつ、昔話を語ろうか。