voice: 1411210010 カトリナ そろそろかしら……。

voice: 1411210020 カトリナ (う~……なんでこんなに緊張してるの……。  舞台に立ってるときだって、ここまでじゃないわ……)

voice: 1411210030 カトリナ (クリスとのこと、いろいろ考えてくれたモナさんに、  ありがとうって言いたいだけなのに……)

voice: 1411210040 ラモーナ やあ、カトリナ。

voice: 1411210050 カトリナ モ、モナさん!

voice: 1411210060 ラモーナ どうした、そんなに険しい顔をして。 もしかして……待たせてしまったか? 

voice: 1411210070 カトリナ い、いえ、そうじゃないの!  こっちの話だから、気にしないで! 

voice: 1411210080 ラモーナ そうか……? ならいいが……。

voice: 1411210090 ラモーナ これが、約束していた舞台のチケットだ。 受け取ってくれ。

voice: 1411210100 カトリナ あ、ありがとう、わざわざ持ってきてくれて。

voice: 1411210110 ラモーナ 礼なら、チケットを贈ってくれたクリスに言ってくれ。 私はただの配達人にすぎないからな。

voice: 1411210120 カトリナ そ、そんなことない。 このチケットがもらえたのだって、モナさんが――

voice: 1411210130 ラモーナ ……い、いやー、しかし、今日はいい天気だな。 雲ひとつない快晴だ。

voice: 1411210140 カトリナ え? ……ええ。洗濯日和だと思うわ……。

voice: 1411210150 ラモーナ 実にいい天気じゃないか、うん。吹く風もいい。 カトリナも気持ちいいと思わないか? 

voice: 1411210160 カトリナ そ、そうね……。

voice: 1411210170 ラモーナ あ、ああそうだ。いい天気と言えばハイキング日和だな。 実は東京の近郊にオクタマと呼ばれる秘境があるらしい。

voice: 1411210180 ラモーナ 今朝の情報番組で目にしたんだが、どこか祖国の森を 思い出す自然に感動してだな。ええと……カトリナは観たか? 

voice: 1411210190 voice: 1411210191 カトリナ へっ? ご、ごめんなさい……。朝はジョギングしてるから、テレビ観てなくて……。

voice: 1411210200 ラモーナ おっ、おう……そうだったか。それは残念だ。

voice: 1411210210 ラモーナ ところで、その……どうだ? 暑くはないか?  今日はなかなか気温が高い、いい天気だからな。うむ……。

voice: 1411210220 カトリナ そう……なのかしら……?  アタシはその……ちょうどいいくらいだけど……。

voice: 1411210230 voice: 1411210231 ラモーナ そうか? 私は少し暑く感じるんだが……。 ……私の周囲だけ地球が温暖化したかな? ハハハ。

voice: 1411210240 カトリナ (うー……なんだか、さっきから会話が続かない……。  いつもなら、もっとスルスル話せるのに……)

voice: 1411210250 カトリナ (このままじゃ、言いたいことも言えないままだわ……。  せめて、もう少し落ち着いた場所なら……)

voice: 1411210260 カトリナ ね、ねぇ、モナさん……。 立ち話してるのもなんだし、どこかお店に入らない? 

voice: 1411210270 ラモーナ おっとぉ、 そうだな。暑いからな。

voice: 1411210280 ラモーナ 近くにいいカフェがあるんだ。 涼みながら話すのはどうだろう? 

voice: 1411210290 カトリナ い、いいわね。そうしましょう。

voice: 1411210300 ラモーナ そうと決まれば、急ぐぞ!  汗だくで店に入るわけには行かないからなぁ! 

voice: 1411210310 カトリナ アタシは別に、そこまで暑くもないんだけど……。

voice: 1411210320 カトリナ (変なモナさん……。  でも、これでゆっくり話せそうね……)

voice: 1411210330 カトリナ …………。

voice: 1411210340 ラモーナ …………。

voice: 1411210350 カトリナ (モナさん、喫茶店に来てから急に黙っちゃった……)

voice: 1411210360 ラモーナ …………。

voice: 1411210370 カトリナ (ようやく落ち着いて話せると思ったのに、  これじゃ意味ないじゃない……)

voice: 1411210380 カトリナ (……って、ここでアタシまで怯んでどうするの!)

voice: 1411210390 カトリナ (言わなきゃいけないことがあるんでしょ!   いい加減、勇気を出しなさい! カトリナ・グリーベル!)

voice: 1411210400 ラモーナ ……この間のことなんだが――

voice: 1411210410 カトリナ モナさん。クリスのこと、改めてお礼を言わせて。

voice: 1411210420 ラモーナ え……?

voice: 1411210430 カトリナ モナさんが間を取り持ってくれなかったら、 きっとアタシは、このチケットを受け取れなかった……。

voice: 1411210440 カトリナ おかげで、私はあの子とちゃんと向き合えたの。 ありがとう。感謝してる。

voice: 1411210450 ラモーナ …………。

voice: 1411210460 カトリナ モナさん……?

voice: 1411210470 ラモーナ あ、いや……少し意外だったんだ。 カトリナは、やはり日本に来て変わったな。

voice: 1411210480 カトリナ うん……そうかもね。

voice: 1411210490 カトリナ 久しぶりにクリスと会ったからかな。 自分自身の変化を、はっきり自覚できた気がする。

voice: 1411210500 ラモーナ …………。

voice: 1411210510 カトリナ そうだ。お礼だけじゃなくて、ちゃんと謝らないといけないわよね。 モナさんには迷惑かけっぱなしだったから……。

voice: 1411210520 ラモーナ いや、いい。

voice: 1411210530 カトリナ ……そうよね。 モナさんからしたら、納得できないのも当然よ……。

voice: 1411210540 ラモーナ なに……?

voice: 1411210550 カトリナ アタシは、それだけのことをしてきたんだもの……。

voice: 1411210560 ラモーナ 待て待て! 私は、そんなことは思っていないぞ!

voice: 1411210570 カトリナ え……?