voice: 1411410010 湯島 暦お嬢様、湯島にございます。

voice: 1411410020 どうぞ。

voice: 1411410030 湯島 お休み中のところ失礼いたします。 ご贈答品が届きました旨、お伝えに上がりました。

voice: 1411410040 お手間を取らせましたわね。 ずいぶん立派な桐箱ですが、どなたからですの? 

voice: 1411410050 湯島 配達票を拝見するに、銀河座OG会からと。

voice: 1411410060 あの方々よりの賜り物、ですか。 さて、何を試されているのやら……。

voice: 1411410070 湯島 いかなるメッセージでしょうね。 戦国の世には『小豆の袋』という逸話もございますが。

voice: 1411410080 逃げ道はないと? 洒落のお好きな方々ではありますが、 さすがに小豆をいただいた訳ではないですわよね? 

voice: 1411410090 湯島 開封しましたところ、お肉の詰め合わせでした。 国産牛に始まり豚鳥羊馬とバラエティ豊かです。

voice: 1411410100 またお肉ですか……。

voice: 1411410110 ……まあ、目をかけていただいているとしておきましょう。 仮に意図があったとして、ご厚意を訝るのも失礼ですし。

voice: 1411410120 後でお礼のお手紙を認めようと思います。 ありがとうございます、湯島さん。

voice: 1411410130 湯島 あら、お元気がありませんね。暦お嬢様のお年頃であれば、 ワンポンドステーキの2枚や3枚ペロリかと思っておりました。

voice: 1411410140 問題はそちらです……。 どうしてこう、お肉ばかり重なるのでしょうね……。

voice: 1411410150 湯島 ええ。一昨日は奥様宛の、その前日は大奥様宛の。 先週は、演劇集団丹波の代表からご挨拶にと。

voice: 1411410160 お心遣いは喜ばしいことなのですが、 これでは消え物とも言い難い……。

voice: 1411410170 湯島 シェフの林は腕が鳴ると喜んでおりましたわ。 お嬢様方を、脂の乗った役者にしたいのでしょう。

voice: 1411410180 余計な脂ばかり乗ってしまいそうです……。

voice: 1411410190 ……湯島さんたちで召し上がっていただけますか。 私は少しだけいただければ充分ですので。

voice: 1411410200 湯島 それはできないご相談です。 こちらは暦お嬢様が賜った栄誉、我々が戴く訳には参りません。

voice: 1411410210 ええと……。 私が食べてくださいと頼んでもですの? 

voice: 1411410220 湯島 はち切れんばかりのワガママボディなメイドをお望みとあれば、 私も千寿家使用人の端くれ、覚悟はございますが。

voice: 1411410230 そこまで体を張っていただく必要はありませんわ……。

voice: 1411410240 はあ……。いつにも増して、胃に重たい期待です……。 これだけの量を食べ切れなど、人間業では――

voice: 1411410250 ――あ。

voice: 1411410260 (見られてはいませんわね。尾行もなし……)

voice: 1411410270 (お歴々よりの品なら、銀河座で食べてもらえば問題はない。  ただ、お歴々よりいただいたものだと知られてはいけない……)

voice: 1411410280 サササ。

voice: 1411410290 (いただいたものを横流ししたとあっては、心証に響く。  他言無用、口の堅い方に託さなければなりません……)

voice: 1411410300 (……本当の戦いはここから。  悟られないようにお肉をお裾分けしなければ……)

voice: 1411410310 (託すとしたら緋花里さん……でしょうけれど、  黙っていられず話してしまうに違いない……)

voice: 1411410320 (雪さんは調理してくれるでしょうが、裏を疑われる。  お歴々よりの品と気づかれては、一巻の終わり……)

voice: 1411410330 (……やはり、察しのいいラモーナさんでしょうか。  しかも国産肉は『和』のもの。興味津々に飛びつくはず)

voice: 1411410340 (ええ、菜食で食も細いリリヤさんには酷でしょう。  やはりラモーナさんにお任せする他は――)

voice: 1411410350 リリヤ 不審者がいる。

voice: 1411410360 ひっ!? リリヤさん!?  脅かさないでくださいまし! 

voice: 1411410370 リリヤ あわてんぼうのヨウル・トントゥだったから。

voice: 1411410380 ヨウル……いえ、サンタクロースなどではなくですわね……。

voice: 1411410390 リリヤ じゃあ、その箱は何?

voice: 1411410400 ええと、こちらは銀河座の皆さんに……。

voice: 1411410410 リリヤ 贈り物? 馴れ合わないのに。不思議。

voice: 1411410420 あ……。

voice: 1411410430 (――完ッ全に見落としておりましたわ)

voice: 1411410440 (あれほど馴れ合わないと言っている私自ら、  皆さんに差し入れをしようとしている……?)

voice: 1411410450 リリヤ 暦が差し入れなんて珍しい。 どうして? 

voice: 1411410460 (逃げ場はありませんの……!?)