voice: 1411420010 リリヤ (じいっ)

voice: 1411420020 わ、私の顔に何かついていまして?

voice: 1411420030 リリヤ 顔じゃなくて、箱を見てる。

voice: 1411420040 リリヤ ……差し入れなら、みんなを呼んでくる。 暦からの贈り物なら、喜ぶと思う。

voice: 1411420050 いえ、その。そういう訳ではなくですわね……。

voice: 1411420060 リリヤ そう? 仲良くなりたいんだと思ってた。

voice: 1411420070 …………。

voice: 1411420080 (……私は誓ったのです、馴れ合いでなく伝統を守ると。  何より大事なのは、友情などではなく舞台の出来だと)

voice: 1411420090 (なのに、お肉のお裾分けには皆さんの顔が浮かんでしまった……。  皆さんであれば美味しく召し上がってくれるだろうと……)

voice: 1411420100 リリヤ 暦の本心はわかってる。

voice: 1411420110 な、何を仰っているかわかりかねます。 何も私は、差し入れとはひと言も……。

voice: 1411420120 リリヤ わかる。贈り物は、気に入ってもらえるか不安なもの。 私もクリスマスの時、悩んだから。

voice: 1411420130 リリヤ でも、暦が贈ったものなら平気。想像してみたらいい。

voice: 1411420140 ククク、なんだァ暦サン!  イヤイヤ言ってる割に素直じゃないだけかぁ! 

voice: 1411420150 緋花里 私も暦さん大好きさー! お肉くれるし!!!

voice: 1411420160 ラモーナ さあ暦! 恥ずかしがらず私の胸に飛び込んでこい!  今までの拒絶など塗り替える愛で抱きしめてやろう! 

voice: 1411420170 リリヤ ……うん。間違いなく、みんな喜ぶ。

voice: 1411420180 そ、それはそうかもしれませんが……。

voice: 1411420190 (今後どう接すればいいかわからなくなるでしょう?  ああ、もう! どうしてこのようなことに……!)

voice: 1411420200 (いえ、素直にお肉が余ったと言えばいいだけ。  ああでも、お歴々よりの物だと悟られては――)

voice: 1411420210 銀河座の伝統を裏切って、暦サンもドイツの手の内か。 案外チョロかったなぁ? 

voice: 1411420220 緋花里 うん、友情大事! その次にお肉も大事さー!

voice: 1411420230 ラモーナ わかってくれたか、暦ぃ……!  健やかなる時も病める時もお前のそばにいるぞ……! 

voice: 1411420240 リリヤ おめでとう。

voice: 1411420250 あ、あり得ませんわッ! そんなこと!

voice: 1411420260 リリヤ 何が?

voice: 1411420270 い、いえ。ですから……。ええと……。 この箱はその、差し入れのようで差し入れではなくですわね……。

voice: 1411420280 voice: 1411420281 リリヤ ところで、中身は何? クイズ?

voice: 1411420290 いえ、それは……。

voice: 1411420300 リリヤ 色は?

voice: 1411420310 え、ええと……赤と白。

voice: 1411420320 リリヤ 硬さは?

voice: 1411420330 や、柔らかいとは思います……。

voice: 1411420340 リリヤ ……ワイン? でも飲めないし。

voice: 1411420350 リリヤ ……。

voice: 1411420360 あの……。

voice: 1411420370 リリヤ ……散歩しながら考える。 モイモイ。

voice: 1411420380 voice: 1411420381 え、ええ。お気をつけて……。 ……はあ。リリヤさんが気まぐれで助かりましたわ……。

voice: 1411420390 (それにしてもお歴々です。  大変な物を贈ってくださいましたものね……)

voice: 1411420400 緋花里 あれ、暦さんだ? 今日は火鍋パーティーないよ?

voice: 1411420410 緋花里さん……?

voice: 1411420420 (そうです、緋花里さんに預けて去ればいいだけです。  私からの差し入れではないと伝えれば問題はないはず……)

voice: 1411420430 皆様宛てのお届け物が誤って届いておりましたので。 こちらにお届けに上がった次第でして。

voice: 1411420440 緋花里 そっか! 荷物だったら私に任せて!

voice: 1411420450 お、お願いしますわね。それにしても我が家に誤って届くだなんて、 不思議なこともありますわね、ふふ。では私はこれで……。

voice: 1411420460 緋花里 待って暦さん。これ、誰からの贈り物?  配達票がないからお礼も言えないさ! 

voice: 1411420470 も、問題ありません。お礼は私がしておきますので……。

voice: 1411420480 緋花里 さっすが暦さん! 配慮マスター!

voice: 1411420490 緋花里 えへへ~。贈り物かぁ~♪ 中身はなんだろうね~? 暦さんは知ってる? 

voice: 1411420500 さあ。なんだと思います?

voice: 1411420510 voice: 1411420511 緋花里 お肉! ……だったらいいなあ~♪

voice: 1411420520 緋花里 私と雪で料理して、寮のみんなで食べる! お肉フェス!

voice: 1411420530 ……。

voice: 1411420540 (もしかして私は、皆さんとの日々を望んでいた……?   心の内で望んでいたから、考えなしにお裾分けを……?)

voice: 1411420550 緋花里 もちろん暦さんも呼ぶよ! 絶対楽しいもんね!

voice: 1411420560 (……あり得ません。  それだけは本当に、あり得ない……)

voice: 1411420570 緋花里 暦さん?

voice: 1411420580 ……いえ、皆さんで召し上がってくださいな。 私はご感想をいただけるだけでよいですから。

voice: 1411420590 緋花里 ということは食べ物? もしかして本当にお肉!?

voice: 1411420600 (馴れ合いたくないのなら、預けて帰るべきです。  必要以上の交流は持たない。それもまた、銀河座の伝統ですから)

voice: 1411420610 ええ、実はこちらは、戴き物のお肉でして――

voice: 1411420620 銀河座劇団員 あー、いたいた。モナが稽古するってさー。

voice: 1411420630 緋花里 あげー! 忘れていたさ!  暦さんごめん、私ラモさんたちと約束してた! お荷物預けるね! 

voice: 1411420640 緋花里さん!?

voice: 1411420650 はあ……お肉ひとつでここまで気を揉むなんて……。 ……お肉が憎い。

voice: 1411420660 寮の冷蔵庫に入れて帰りましょう。 書き置きでも残しておけば、どなたかの口に収まるはず……。

voice: 1411420670 お礼のお手紙には嘘を書かねばなりませんが。

voice: 1411420680 お歴々へつく嘘の方が、まだごまかしも効きますものね……。