voice: 1411620010 仁花子 掃除道具、片付けてきましたー!

voice: 1411620020 しぐれ はーあ、ほんと疲れたぁ~。 後片付け、もう少し簡単にできないんですかねぇ。

voice: 1411620030 大黒 情けない……この程度で音を上げるなんて、まだまだガキね。

voice: 1411620040 しぐれ はぁ~? しぐれは一般的な意見を言っただけなんですけどぉ!?

voice: 1411620050 はいはい、それこそ疲れるんだからケンカしないの。 さっさと帰るよ。

voice: 1411620060 初魅 お前たち、帰るのは少し待て。

voice: 1411620070 仁花子 レンさん、どうかしたんですか?

voice: 1411620080 初魅 いや、ちょっと話しておきたいことがあってな。

voice: 1411620090 大黒 わ、我が主が直接お言葉を……!?

voice: 1411620100 しぐれ 何を大げさにありがたがってるんだかぁ。 初魅さんが何か伝えるときって、だいたいそうでしょ? 

voice: 1411620110 でもまぁ、改まって声を掛けるのは珍しいかもね。

voice: 1411620120 初魅 そこまで期待されても困るな。ただ、礼を述べたいだけだ。

voice: 1411620130 大黒 お礼……?

voice: 1411620140 voice: 1411620141 初魅 ……。 いろいろ気にかけてくれていたそうだな。

voice: 1411620150 初魅 心配させてしまい、すまなかった。 お前たちの心遣いには感謝している。

voice: 1411620160 大黒 わ、我が主から……そんな言葉をいただけるなんて!

voice: 1411620170 しぐれ うるさいですねぇ……これくらいのお礼は普通に言うでしょ?

voice: 1411620180 大黒 我が主は、普通という概念なんてとっくに超えた存在なのよ!  そんなこともわからないの!? 

voice: 1411620190 仁花子 そういう風に言うと、レンさんスーパーヒーローみたいだね!

voice: 1411620200 ただお礼を言っただけなのに、 そこまで持ち上げられるのは確かにすごいかもね……。

voice: 1411620210 けど、どういう風の吹き回し?  もしかして……テトラさんから何か聞いたとか? 

voice: 1411620220 初魅 そんなところだ。

voice: 1411620230 しぐれ もしかして、テトラさんちに行った話とか、 全部知ってたりしますぅ? 

voice: 1411620240 仁花子 じゃ、じゃあ……レンさんの話を聞いたことも……?

voice: 1411620250 初魅 知っている。

voice: 1411620260 大黒 わ、我が主! 勝手な真似をして、申し訳ありません!

voice: 1411620270 初魅 謝らなくていい。私は気にしていない。

voice: 1411620280 大黒 で、ですが……。

voice: 1411620290 初魅 だから、お前たちも何も気にするな。

voice: 1411620300 大黒 えっ……?

voice: 1411620310 初魅 Edenのため……私のためを想うのなら、 周りなど気にせず、芝居に励め。

voice: 1411620320 初魅 私が言いたいのは、それだけだ。

voice: 1411620330 仁花子・大黒・しぐれ …………。

voice: 1411620340 本当に、大丈夫なんだよね?

voice: 1411620350 初魅 私を信じろ。

voice: 1411620360 ……わかった。

voice: 1411620370 しぐれ まぁ、信じてあげますよぉ。 初魅さんがそこまで言い切るんですもん。

voice: 1411620380 仁花子 うん……そうだね!  私も今は、自分にできることをやっていきます! 

voice: 1411620390 大黒 …………。

voice: 1411620400 初魅 どうした大黒。お前は不服か?

voice: 1411620410 大黒 そ、そんなこと絶対にありません……!

voice: 1411620420 大黒 改めて、我が主の言葉を噛み締めていたんです……。 信じろと言ってもらえるだけで、こんなに嬉しいだなんて……! 

voice: 1411620430 大黒 私、頑張ります……。 我が主の作り上げる舞台を、もっともっと好きになってもらうために……! 

voice: 1411620440 初魅 ああ。期待している。

voice: 1411620450 初魅 作り上げる舞台を、もっと好きになってもらうために……か。

voice: 1411620460 初魅 (私が目指すべき舞台の到達点……それはもう決まっている。  今から曲げる気など、一切無い)

voice: 1411620470 初魅 (だが……演劇とは、それだけが正解ではない。  今なら、それも理解できる……)

voice: 1411620480 初魅 (サンクルーガイドなど、気にもしていなかったが……。  思わぬ形で揺さぶられてしまったな)

voice: 1411620490 初魅 (権威に囚われた芝居なんぞ、心底つまらない。  私の意見はこれからも変わらないだろう)

voice: 1411620500 初魅 (だが、それを目標として、道を極めようとしている劇団もある)

voice: 1411620510 初魅 (……その道のために必死でもがき続け、輝きを増した役者もいる。  この私を、魅了するほどに)

voice: 1411620520 初魅 (同じ劇団にいたあの頃は、衝突してばかりだったし、  結局は袂を分かったが……)

voice: 1411620530 初魅 (対等だった私だからこそ、  あいつのために、出来ることがあったのかもしれない……)

voice: 1411620540 初魅 ふふっ……昔なら、こんなこと考えもしなかっただろうに。 違う道を歩み始めた今だからこそ、言えることかもしれんがな……。

voice: 1411620550 初魅 もしくは――

voice: 1411620560 初魅 自分でも思っている以上に……。

voice: 1411620570 初魅 Edenの役者たちに影響されているのか……。

voice: 1411620580 初魅 ……もし今の私が、暦のために何か出来るのなら……。 ためらってはいけないのだろうな。

voice: 1411620590 初魅 あいつたちが、私にしてくれたように……。