voice: 1414620010 リリヤ ボウルの中で、ゆっくり溶けていくのね。 きれい……。
voice: 1414620020 緋花里 リリヤさん、ずーっとチョコが溶けるところ見てるね? そんなに気に入ったの?
voice: 1414620030 リリヤ ばらばらのチョコの欠片が、溶けて静かな水面になる。 ……美しいと思わない?
voice: 1414620040 緋花里 それより先に、美味しそう! って思っちゃうかも。 えへへ。
voice: 1414620050 リリヤ 緋花里らしいと思う。 さっきからたまに聞こえてたから。お腹の音。
voice: 1414620060 緋花里 う……誤魔化したつもりだったのに……! 気づいてたなら言ってほしいーっ!
voice: 1414620070 リリヤ ふふ。私は見て、聞いて、嗅いでただけ。
voice: 1414620080 リリヤ そう言えば、緋花里は何を作っていたの? 溶かしたチョコを丸めてた? みたいだけれど。
voice: 1414620090 緋花里 じゃじゃーん、丸くて可愛いトリュフチョコ! 美味しさはもちろん、ラッピングにもこだわるよ!
voice: 1414620100 リリヤ ラッピング……。 それなら手伝えそう。美しく飾るのは好き。
voice: 1414620110 緋花里 ほんと!?リリヤさんが包めば絶対ビューティフル! リボン解けなくなっちゃうね!
voice: 1414620120 リリヤ もったいなくて食べられない。 そんなラッピングを目指す。
voice: 1414620130 voice: 1414620131 緋花里 それなら中身も豪華にしないと! うーん、たくさんトリュフを詰めるのもいいけど……そうだ!
voice: 1414620140 緋花里 材料余ってるし、ブラウニーも作ろうかな? 確かレシピ本に載ってた気がする。ええっとぉ……。
voice: 1414620150 緋花里 ごめん、リリヤさん。手が汚れてるから、 ブラウニーのページ開いてくれたら嬉しいー。
voice: 1414620160 voice: 1414620161 リリヤ 分かった。ブラウニーは…………。 ……あった。読んだ方が良い?
voice: 1414620170 緋花里 ありがとうリリヤさん! 何が必要かな? いろいろ買ってきたから材料は足りてるはずだけど。
voice: 1414620180 リリヤ チョコと無塩バターと、小麦粉と……。
voice: 1414620190 リリヤ …………。
voice: 1414620200 緋花里 リリヤさん、難しい漢字とかあった?
voice: 1414620210 リリヤ 3行以上書いてある……眠い……。
voice: 1414620220 緋花里 ええっ? 台本も3行以上あるよ!? いつも読んでるのに……!?
voice: 1414620230 リリヤ 台本はお話になってるから読めるけど、 レシピは読み応えがないから……ふあぁ……。
voice: 1414620240 緋花里 わわっ、キッチンで寝たらダメさ! チョコとかココアで汚れるよ!
voice: 1414620250 リリヤ 眠い……。 レシピを読むくらいならできる……けど……。
voice: 1414620260 緋花里 ううーん、思わぬ問題発生さ……。 レシピを楽しんで読める人なんてパティシエさんくらいだし……。
voice: 1414620270 voice: 1414620271 緋花里 元気に読んでみるとかはどうかな? チョコ! バター! 小麦粉! ばばーん! って感じは?
voice: 1414620280 リリヤ チョコもバターも小麦粉も……。 最初に書いてあるのに、どんな人物かわからない……。
voice: 1414620290 緋花里 えーと、レシピは台本じゃなくてぇ……。
voice: 1414620300 緋花里 いっそ、台本と思って読んでみる? ブラウニー物語! とか。
voice: 1414620310 リリヤ ブラウニー物語……。
voice: 1414620320 リリヤ ……19世紀シカゴ。探偵チョコレートと女教授ミス・バターは、 悪の大富豪・小麦粉をとうとう追い詰める……。
voice: 1414620330 緋花里 わっ、いきなりクライマックスから始まってる! 続きが気になるさー!
voice: 1414620340 リリヤ ……これならレシピも読めるかも。 お話を考えるのも、少し楽しい。
voice: 1414620350 緋花里 あがっ! レシピってこと忘れてた! えーっと、チョコとバターと小麦粉を……。
voice: 1414620360 リリヤ ボウルという名の決戦の舞台に足を踏み入れる3名。 そう。皆、戦わねばならない宿命があった。
voice: 1414620370 緋花里 ボウルに足を踏み入れて、戦う……。 材料を入れて混ぜるってことだよね?
voice: 1414620380 リリヤ 決戦の地、ホテル・オーブンは戦いの前から熱く燃えていた。 ……具体的には170度くらいの温度で。
voice: 1414620390 voice: 1414620391 緋花里 ホテル・オーブン、戦いの前から熱く燃える……。 ……あ、予熱ってことかな? 170度にして……。
voice: 1414620400 リリヤ ……貴方達とは戦いたくなかったけれど、 宿命に気づいてしまった以上、戻れない。
voice: 1414620410 リリヤ 和解の道を探りたかったよ。些細なすれ違いだったのにな。
voice: 1414620420 緋花里 宿命? バターとチョコの宿命ってなんだろう。 何か共通点がある……? ミステリー……。
voice: 1414620430 リリヤ ……チョコとバター。二人の因縁とは。 そして、事態の裏でほくそ笑む黒幕、小麦粉の正体とは――
voice: 1414620440 リリヤ ――話は10年前のとある冬の日。 探偵事務所を訪ねてきたミス・バターの依頼から始まる。
voice: 1414620450 緋花里 リリヤさん、リリヤさん!
voice: 1414620460 voice: 1414620461 リリヤ ……どこまでレシピ読んだかわからなくなった。 もう一度最初から読んでいい?
voice: 1414620470 緋花里 ううん、続きが聞きたい! なんで争ってたの? チョコとバターの関係は!?
voice: 1414620480 リリヤ ブラウニーを作るんじゃなかったの?
voice: 1414620490 voice: 1414620491 緋花里 ブラウニー? ……あっ! すっかり忘れて話に夢中になっていたさ……!
voice: 1414620500 リリヤ 雪がいないとこうなる。
voice: 1414620510 緋花里 うう……! しっかりしないと!
voice: 1414620520 緋花里 うわぁーっ! 良い香り……! 見て見て、リリヤさんのおかげで焼き加減もバッチリだよ!
voice: 1414620530 リリヤ 緋花里の料理と、私のレシピ読みが上手かったおかげ。
voice: 1414620540 緋花里 うんっ! あとね、リリヤさんにハッピーバレンタインイブ! 焼けるの待ってる間で作ったんだー。召し上がれ。
voice: 1414620550 リリヤ これは?
voice: 1414620560 緋花里 お礼のホットチョコレート。お砂糖控えめ、ソイミルク。 これならリリヤさんにも友チョコ贈れるかなって。どう?
voice: 1414620570 リリヤ ……にが甘くて、でも癖になる。ありがとう。
voice: 1414620580 緋花里 えへへー。リリヤさんに褒められちゃった。 鼻が伸びーる。
voice: 1414620590 銀河座劇団員 わあっ、お菓子も作れるなんてすごいです、与那国先輩っ。 おー、やっぱブラウニー焼いたんだ。美味しそうじゃん?
voice: 1414620600 緋花里 ……ふふふ。匂いに釣られた悪い子達にはご褒美があるよ? つまみ食いターイム!
voice: 1414620610 リリヤ まだだめ。チョコとバターの恋は、 冷めて本当の愛になるまで口にしてはいけない。
voice: 1414620620 緋花里 そうだった、冷まさないといけないんだ。 トリュフもアーモンドチョコも生チョコもまだ……。
voice: 1414620630 リリヤ お腹がすいたなら、チョコ以外もあると思うけれど。
voice: 1414620640 緋花里 今は口も心もチョコになってる! 冷えてるチョコを買ってくる!
voice: 1414620650 リリヤ なら、雪のバイト先が良いかも。 私も散歩に行こうと思ってた。
voice: 1414620660 緋花里 それだ! 支度してくる! 早くチョコ食べたーい!
voice: 1414620670 銀河座劇団員 えぇ? 作ったのに買いに行くんですか……?
voice: 1414620680 リリヤ チョコは冷ましても、熱は冷めないのね。