voice: 1500320010 帝国指揮官 『望国の艦艇に通告する。  新妻八恵の身柄を引き渡せ』

voice: 1500320020 帝国指揮官 『繰り返す、新妻八恵の身柄を引き渡せ。  お前たちは包囲されている』

voice: 1500320030 八恵 ……私を狙っているのですね。

voice: 1500320040 (まずいな……巻き込まれた……)

voice: 1500320050 望国兵A 我々の象徴たる巫女を奪われるわけにはいかない。 我々も応戦の準備を!!

voice: 1500320060 望国兵B 不躾な奴らを轟沈せしめ、 その名誉を我らが巫女の威光へと捧げるのだ!!

voice: 1500320070 八恵 皆さん、待ってください! ここにはまだ中立の方々がいます。

voice: 1500320080 八恵 帝国の皆さん、今……私たちの艦には萬さん。 ヨロズ商工会の萬容さんが居ます。

voice: 1500320090 八恵 ここで戦闘に巻き込んでしまうのは、 お互いに不都合ではありませんか……?

voice: 1500320100 帝国指揮官 『……業腹ながら、貴様の言う通りだ。  我々もクライアントを徒に傷つけたくはない』

voice: 1500320110 帝国指揮官 『定刻16:00まで待つ。  それまでに萬容とその関係者の退避を行うように』

voice: 1500320120 帝国指揮官 『何か謀を為せば、すぐに大砲が火を噴くぞ。  努々忘れるな』

voice: 1500320130 八恵 ……人道的対応、感謝します。

voice: 1500320140 アタシたちを口実に、一時休戦を要請するとはね。

voice: 1500320150 八恵 ヨロズ商会のみなさんは、今のうちに退艦を。 それから――

voice: 1500320160 八恵 避難勧告用のスピーカー、納品ありがとうございました。

voice: 1500320170 ……アタシらをここに拘束すれば、 帝国だって手は出せないんじゃないの?

voice: 1500320180 八恵 私は奇跡望国の人間ですから。 守るべき人々を盾にするなんてできません。

voice: 1500320190 ……甘いね、甘すぎる。 そういうの、個人的には嫌いじゃないけど。

voice: 1500320200 八恵 どうかご無事で。

voice: 1500320210 voice: 1500320211 どうも、本日は会談の機会を設けていただき、ありがとうございます。 ……役に立てなくて悪かったね。

voice: 1500320220 八恵 いいえ。そんなことはありません。 萬さんがいてくれたからこそ、みなさんに私の声を届けられるのですから。

voice: 1500320230 八恵 ありがとうございます、萬さん。

voice: 1500320240 は……? ちょっと、それってどういう……。

voice: 1500320250 ヨロズ商会員 姐さん、急いでください!

voice: 1500320260 ……っ、わかった!

voice: 1500320270 帝国兵 ヨロズ商会員が望国の艦艇を降りたようです。

voice: 1500320280 帝国指揮官 ……定刻通り、だな。 よし。再度通告だ。

voice: 1500320290 望国兵 艦長……ご武運を。

voice: 1500320300 八恵 はい! すぅぅ~……。

voice: 1500320310 八恵 (どうか伝わってください。私が観た情景……)

voice: 1500320320 ヨロズ商工会員 姐さん! よかった! よかったよぉぉ~~~~!!! ご無事で、よくぞご無事でっっ!!!

voice: 1500320330 あー、はいはい。大げさだから。 とにかく、皆は全力でこの空域から離れるよう船動かして。

voice: 1500320340 それで――。

voice: 1500320350 八恵 『Aaaaaa……!』

voice: 1500320360 なに? 聞こえてくる……。 歌……?

voice: 1500320370 ヨロズ商工会員B 姐御、この歌声……レーダーによると護衛艇プロキオンの方から、 発せられているみたいです!

voice: 1500320380 プロキオン……ってことは、巫女様の歌ってことか……!

voice: 1500320390 ヨロズ商工会員 あ、ぁあ……な、なにあれ。 なんなんですか、姐さん! あれは!?

voice: 1500320400 voice: 1500320401 どうしたの!? みんな!!? う、ぐぅ……頭が……なにか、見える……?

voice: 1500320410 ??? 『もっと……もっと寄こせ……』

voice: 1500320420 っ!?

voice: 1500320430 ??? 『地を這う蟻よ、まだ足りない……。足りんのだ……っ!  寄越せ……もっと、もっと寄越せ……ぐっ、ぉぉぉおおおっっ!!!』

voice: 1500320440 ヨロズ商会員 な、なんなんだ……あれ。

voice: 1500320450 今のおぞましい気配……。 まさか、あれが巫女様の言っていた災厄……?

voice: 1500320460 八恵 『帝国が保管している、はじまりのステラリウム。  その内から私に届く声です』

voice: 1500320470 八恵 『かの意志は邪悪かつ、私たちひとりひとりがちっぽけに見える程に、  強大です』

voice: 1500320480 八恵 『今、私たちは大いなる意志によって、破滅の道へと踏み出しています。  手を取り合わなければいけません。終末に向かう足を止めるために』

voice: 1500320490 あの子の声が、この場にいる皆に届いていく……。 ――そうか、考えたね巫女様。

voice: 1500320500 (こんな規模の会合を、帝国が嗅ぎつけないわけがない。  すべて承知でアタシとの取引の場を用意した……!)

voice: 1500320510 (自分の身さえエサにして、声を届ける機会を作ったってこと?  ……甘かったのは、アタシの方だったか)

voice: 1500320520 ヨロズ商会員 姐さん? なに笑ってるんです?

voice: 1500320530 いや、もしあんなものが解放されたとしたら、 アタシたちも商売どころじゃないなって。

voice: 1500320540 ……それに、賭けてみたくなったのさ。 アタシが下らないと切り捨てた、可能性に。

voice: 1500320550 帝国兵 今の話、上層部から聞いた話と違うぞ……。 今の禍々しい声、本当にあれがステラリウムの……?

voice: 1500320560 帝国指揮官 狼狽えるな! 望国の卑劣な情報戦略だ! 砲撃用意! 目標、敵艦艇!

voice: 1500320570 望国兵 艦長っ! このままでは……!

voice: 1500320580 八恵 届かないのですか……! 私の言葉は……!

voice: 1500320590 撃ち方、はじめっ!!

voice: 1500320600 帝国指揮官 ――ぬおっ!? な、何事だ!?

voice: 1500320610 帝国兵 今の砲撃、望国からじゃない……まさか、そんなバカな!! ヨロズ商会からの砲撃です!

voice: 1500320620 帝国指揮官 な、なんだと!? 血迷ったか萬容!!?

voice: 1500320630 ヨロズ商会員 帝国艦に命中確認! 姐さん、すげぇ! っぱ、姐さんなんすわぁ!!!

voice: 1500320640 でしょ~? まっ、こんな兵器は初めて使ったんだけどね! 流石アタシのセンス!

voice: 1500320650 八恵 萬さん……どうして……!?

voice: 1500320660 『アタシは商売人だよ。  守るべきは部下と自分の生活』

voice: 1500320670 『だから一方に肩入れなんかしない……けど、あんな物が解き放たれるなら、  話は別だよ。お金があっても、使う場所がなければ意味がない』

voice: 1500320680 『それに、貴女のその在り方……気に入った。  アタシは……いや、ヨロズ商会はアンタに全ツッパする!』

voice: 1500320690 帝国兵 し、司令官! 商会の全飛空艦の砲門がこちらに!

voice: 1500320700 帝国指揮官 ぐっ……!

voice: 1500320710 アタシは売りたい奴には売る。売りたくない奴には売らない。 商品もケンカもね。

voice: 1500320720 アンタら帝国との取引は完全停止。 この空に沈みたくないなら、即刻降伏しな!

voice: 1500320730 帝国兵 し、司令官……。

voice: 1500320740 帝国指揮官 うぐぐっ……! 商売人風情が……っっ!! やむを得ん……私とて部下の命を預かる身。……降伏する。

voice: 1500320750 アンタの声、確かに届いたよ……新妻八恵。

voice: 1500320760 八恵 萬さん……ありがとうございます……!