voice: 20003020010 望有 失礼します。八恵を連れてきました。

voice: 20003020020 シャモ ええ、ご苦労様。

voice: 20003020030 八恵 え……シャモさん? えっと……シャモさんがここにいるってことは――

voice: 20003020040 シャモ ええ。あなたに話があるの。

voice: 20003020050 八恵 (そ、そんな! まさかシャモさん直々……。わ、私、自分が知らないうちに  とんでもないことをしてしまっていたんでしょうか!?)

voice: 20003020060 シャモ ふふ、そう緊張しないで。 まずはこの手紙を読んでくれるかしら?

voice: 20003020070 八恵 あ、は、はい!

voice: 20003020080 voice: 20003020081 八恵 差出人は……世界演劇リーグ? えっと……新妻八恵殿をダイスターとして認める……!?

voice: 20003020090 八恵 こ、これって……!

voice: 20003020100 シャモ おめでとう。あなたも今日からダイスターに名を連ねることになったわ。

voice: 20003020110 八恵 ……! 私が……ダイスター……!

voice: 20003020120 八恵 ……あの、これは本当なんですか?

voice: 20003020130 シャモ あら、私を疑っているの?

voice: 20003020140 八恵 い、いえ! そういうつもりでは!

voice: 20003020150 八恵 でも、このタイミングということは、 先日の『オペラ座の怪人』で認定が決まったんですよね?

voice: 20003020160 八恵 私は主役じゃなかったのに、どうして――

voice: 20003020170 シャモ 主役かどうかは問題じゃない。 大切なのはあなたが役者として優れた演技をしたかよ。

voice: 20003020180 八恵 ……っ! あ、ありがとうございます!

voice: 20003020190 望有 ダイスターの認定式とトロフィーの授与式があるからそのつもりでね。

voice: 20003020200 八恵 は、はい……!

voice: 20003020210 八恵 (私が、ダイスター……!)

voice: 20003020220 八恵 (ずっと追いかけていた夢が今まさに叶ったんですね!  この手紙、宝物にして大事にしまっておかなくっちゃ)

voice: 20003020230 八恵 (……それにしても、この封筒、とても――)

voice: 20003020240 望有 ……どうしたの? 封筒、まだ何か入ってた?

voice: 20003020250 八恵 いえ……この封筒、キラキラして綺麗ですね。 まるでシンデレラの舞踏会の招待状みたい。

voice: 20003020260 シャモ 夢を叶える為の鍵、というわけね。

voice: 20003020270 voice: 20003020271 八恵 あ、いえ。そこまで考えてなかったんですが…… ……でも確かに、シャモさんの言う通りですね。

voice: 20003020280 シャモ ふふふ。そういうとこはまだ無邪気ね。

voice: 20003020290 望有 そうですね。 普段はしっかりし過ぎてるくらいですけど。

voice: 20003020300 八恵 え……?

voice: 20003020310 八恵 (私、そんなにしっかりしてるつもりはないのですが……)

voice: 20003020320 望有 八恵、シリウスに着いたわ。タクシーにお金払うから、先に降りて。

voice: 20003020330 八恵 は、はい。

voice: 20003020340 八恵 (認定式……無事に終わってよかったです。  トロフィーも頂いて……これでダイスターの仲間入りなんですね)

voice: 20003020350 八恵 (あの手紙が招待状なら、これは夢に近づくガラスの靴)

voice: 20003020360 八恵 (……なんて、ちょっと子どもっぽいですかね)

voice: 20003020370 ここな 八恵ちゃん、おかえり!

voice: 20003020380 八恵 ここなさん、静香さん!

voice: 20003020390 ここな わあ、すごいトロフィー! 八恵ちゃん……本当にダイスターになったんだね。

voice: 20003020400 ここな 改めて、ダイスター認定おめでとう、八恵ちゃん!

voice: 20003020410 静香 先を越されちゃって悔しいけど、絶対に私たちも追いつくから。

voice: 20003020420 八恵 ええ、おふたりならきっと……!

voice: 20003020430 記者 すみません、新妻八恵さんですね? 私、新聞社の者です。 ダイスターになられた今のお気持ち、聞かせていただけますか?

voice: 20003020440 ここな わあ! 早速取材? さすが八恵ちゃん……!

voice: 20003020450 静香 八恵ちゃんの今の気持ち……私も興味あるわ。

voice: 20003020460 八恵 (え……! きゅ、急にそんなことを言われても――)

voice: 20003020470 八恵 えっと……今の気持ちは、その……。 ……シンデレラのような気持ち、です。

voice: 20003020480 八恵 (って、私何言ってるんでしょう)

voice: 20003020490 記者 なるほど……コメントありがとうございます!

voice: 20003020500 八恵 あ……。

voice: 20003020510 八恵 (あんなコメントで本当によかったんでしょうか?)

voice: 20003020520 voice: 20003020521 八恵 さて、昨日はバタバタしてましたし、今日はしっかり稽古を―― あら? みなさんもう稽古場に集まってらっしゃるみたいですね。

voice: 20003020530 ここな 『シンデレラのような気持ちとは、  魔法が解けてもガラスの靴がシンデレラを証明したように――』

voice: 20003020540 ここな 『役から離れても女優の本質は自分に残るという自信の表れであろう』 ……って、新聞に書いてるよ!

voice: 20003020550 静香 さすが八恵ちゃん。あの一言で、ここまで言い表せちゃうなんて。

voice: 20003020560 ぱんだ 新妻っち、相変わらず言うことが深いですね~。

voice: 20003020570 知冴 うん。マリアナ海溝並に深いね。

voice: 20003020580 カトリナ そうね……。こんなコメント、あの歳でそうそうできるものじゃないわ。 さすがダイスターに選ばれただけあるわね。

voice: 20003020590 八恵 (そ、そんな訳ないじゃないですか~~~~)

voice: 20003020600 八恵 (むしろ、あそこまで深読みできた記者さんが凄いんですよ……!)

voice: 20003020610 八恵 (薄々感じていましたが、皆さん、私のこと少し誤解なさってるのでは……  私は全然立派でも深くもなくて……ただの小学生なんです!)

voice: 20003020620 八恵 (ほめていただくのは嬉しいです。でも……  このまま皆さんに勘違いされたままなんて――)

voice: 20003020630 八恵 嫌です。私はもっと皆さんと仲良くなりたいです。

voice: 20003020640 八恵 冗談を言って笑い合ったり……そんな気軽な関係に……。

voice: 20003020650 八恵 (もっと皆さんとお近づきになるために、何かしなくては……!)

voice: 20003020660 望有 ちょっと、手が空いてる子いる? 用事を頼みたいんだけど――

voice: 20003020670 ぱんだ はいはーい! ぱんだ空いてますよ~。

voice: 20003020680 知冴 右に同じく。

voice: 20003020690 望有 助かるわ。 なら、あともうひとり――

voice: 20003020700 八恵 (これは……もしかして、お近づきになるチャンス!?)

voice: 20003020710 八恵 は、はい! 私も手が空いてますので―― 是非っ、お手伝いさせてくださいっ!