voice: 20011060010 緋花里 っはぁ~~~、今日の稽古もつっかれたぁ~!

voice: 20011060020 またずいぶんな腹の虫だな。

voice: 20011060030 緋花里 へへ、聞こえちゃった?

voice: 20011060040 あれだけでかい音を出されればな。

voice: 20011060050 voice: 20011060051 緋花里 だって丸一日動きっぱなしだったから~……。 でも、雪もお腹空いたよね?

voice: 20011060060 ワタシは別に――

voice: 20011060070 緋花里 ほらぁ~!

voice: 20011060080 うるさいな、お前が腹が減ったとかいうからだろ!

voice: 20011060090 緋花里 え~!?

voice: 20011060100 緋花里 はぁ、この前みんなで食べたシュトーレン、美味しかったなぁ……。 1か月かけて食べるって、ラモさん言ってたけど……今日とかどうかな?

voice: 20011060110 知らん。ドイツに聞け。

voice: 20011060120 緋花里 えぇ~!? 雪だって食べたいでしょ? ふたりでおねだりしようよ~。

voice: 20011060130 子どもじゃあるまいし、自分でやれ。

voice: 20011060140 voice: 20011060141 緋花里 雪ってば意地悪さ~! もういい、雪の分はちょっとだけにしてってお願いしちゃうから!

voice: 20011060150 子どもか……。

voice: 20011060160 緋花里 ラモさ~ん……。 シュトーレン、今日とかどうかな? 食べる? 食べよう?

voice: 20011060170 ラモーナ ……。

voice: 20011060180 ドイツ?

voice: 20011060190 ラモーナ …………。

voice: 20011060200 おい! ドイツ!

voice: 20011060210 voice: 20011060211 ラモーナ わあ! な、なんだ、雪。……腹が減ったのか? 今日の稽古は長かったからな。お疲れ。

voice: 20011060220 ……はあ。

voice: 20011060230 そんな様子じゃ、お前の方がよっぽど疲れてるんじゃないのか。

voice: 20011060240 ラモーナ え?

voice: 20011060250 緋花里 そうそう! 今日も何回もつかまってたよね……。 ……ラモさん、本当に疲れてない? 大丈夫?

voice: 20011060260 ラモーナ 大丈夫だ。……すまない、心配かけてばかりだな。 次回はすんなりいくよう、きちんと練習しておかねばな。

voice: 20011060270 ラモーナ それで、ふたりは私になんの用だったんだ?

voice: 20011060280 緋花里 シュトーレン、食べようって。

voice: 20011060290 ラモーナ ああ! そうだな、みんなで好きに食べてくれ。 この前とは味が変わっただろうから、また楽しめるはずだぞ。

voice: 20011060300 『食べてくれ』って、お前は?

voice: 20011060310 ラモーナ 私は少し練習してから戻るよ。 いつまでもみんなの時間を使うわけにもいかないだろう?

voice: 20011060320 リリヤ ねえ、ラモ。

voice: 20011060330 ラモーナ どうした?  リリヤも腹が減ったなら好きなだけ食べていいんだぞ?

voice: 20011060340 リリヤ ラモはそれでいいの?

voice: 20011060350 ラモーナ ……と、言うと?

voice: 20011060360 リリヤ ずっと変なラモのままでいるの?

voice: 20011060370 ラモーナ ええと……?

voice: 20011060380 リリヤ 緋花里はラモを誘ったんだと思うけど、違う?

voice: 20011060390 緋花里 えっ、うん、そう……。 ラモさんと一緒に食べたいなって。

voice: 20011060400 リリヤ 雪も、ラモと一緒に食べたいんでしょ?

voice: 20011060410 ワタシは、別に……。

voice: 20011060420 緋花里 ちょっと! 『ワタシがやる』んでしょ?

voice: 20011060430 う、うるさい、わかった! わかったから!

voice: 20011060440 ……お前と食べたい。

voice: 20011060450 voice: 20011060451 リリヤ だって。私も。 暦は……多分『私もラモーナさんと食べたいですわー』って言ってた。

voice: 20011060460 平然と嘘ついたな……。

voice: 20011060470 リリヤ ラモは?

voice: 20011060480 ラモーナ 私は……。

voice: 20011060490 リリヤ 緋花里が泣きそうだって。

voice: 20011060500 voice: 20011060501 緋花里 え!?  えっ、えーん! ラモさんとシュトーレン食べたいさー!

voice: 20011060510 リリヤ 雪も、このままじゃ夜も眠れないって。

voice: 20011060520 はぁ!? ああもう! ド、ドイツと食べないと眠れないなー!

voice: 20011060530 リリヤ ふたりを泣かせて不眠にしても、練習する?

voice: 20011060540 ラモーナ ……わかった。 今日は寮に戻ろう。

voice: 20011060550 リリヤ うん。

voice: 20011060560 緋花里 じゃあ、今日は私が切るね!

voice: 20011060570 不安要素しかないな……。

voice: 20011060580 voice: 20011060581 緋花里 任せて!  やったことないけど、多分こういうの得意だから!

voice: 20011060590 緋花里 雪のはうす~く、このくらい……。 私のは美味しくこのくらい……。暦さんのは……って、あれ?

voice: 20011060600 voice: 20011060601 緋花里 ラモさん、中からなんか出てきた! ……紙? みたいだけど……。

voice: 20011060610 紙、ですか? シュトーレンから?

voice: 20011060620 なんか書いてあるな。 またドイツ語か?

voice: 20011060630 ラモーナ うん? 見せてくれ。 なになに……。

voice: 20011060640 ラモーナ これは……。

voice: 20011060650 リリヤ ……ラモ?

voice: 20011060660 ラモーナ ……っ、すまない。

voice: 20011060670 緋花里 えっ!? ラモさん、大丈夫!?

voice: 20011060680 ちょ、ちょっと、そんな急に――

voice: 20011060690 リリヤ ラモ、どうしたの?

voice: 20011060700 ラモーナ すまない、ちょっと、……大したことではないんだ。

voice: 20011060710 大したことがなくて、涙を流すものですか!

voice: 20011060720 緋花里 えっ! えーと、ど、どうしよう!? 拭くもの、台布巾しかないよ!?

voice: 20011060730 緋花里 ラモさん、台布巾は嫌だよね!? ティ、ティッシュとかならあっちにあったっけ!?

voice: 20011060740 お前ら、うるさい!

voice: 20011060750 緋花里 雪!?

voice: 20011060760 みんな一回出ていけ。

voice: 20011060770 こんな姿のラモーナさんを置いてなんて――

voice: 20011060780 いいから。ワタシが面倒みる。

voice: 20011060790 さっさとしろ。 『誰しも、ひとりで考えたいときだってある』んだろ?

voice: 20011060800 それは……。

voice: 20011060810 緋花里 ……雪、いいの?

voice: 20011060820 5人きょうだいをナメるな。 お前ら全員泣いたってワタシは面倒を見れるぞ。

voice: 20011060830 緋花里 わかった。 行こう、暦さん、リリヤさん。

voice: 20011060840 リリヤ うん。

voice: 20011060850 え、……ええ。