voice: 20011080010 ラモーナ 『必要経費と、調査費はもらっておこう。  こっちはもう、私には必要ないから返すよ。十分観て楽しんだからね』

voice: 20011080020 リリヤ ラモの演技、とても良くなった。 いつものラモとも違うけど、変なラモじゃない。

voice: 20011080030 緋花里 うん! 余裕のあるかっこいい大人! って感じ! ラモさんの新しいかっこよさだね!

voice: 20011080040 ええ。肩の力が抜けた、という感じですわね。

voice: 20011080050 演出家 よし! 今日の稽古は以上! 各自、明日の公演初日に備えて最終確認を怠るな!

voice: 20011080060 一同 はい!

voice: 20011080070 お疲れ様です。ラモーナさん。

voice: 20011080080 ラモーナ ああ、お疲れ、暦。

voice: 20011080090 マーロウの演技、ずいぶんよくなりましたのね。 見違えるように、様になっています。

voice: 20011080100 ……あの日、なにかありましたの?

voice: 20011080110 ラモーナ なんだ、心配してくれていたのか?

voice: 20011080120 ……私を倒すと豪語した方に、 こんなところで去られては肩透かしですから。

voice: 20011080130 ラモーナ ふふ、そうだな。 まだ、銀河座を去るわけにはいかない。

voice: 20011080140 ラモーナ ……皆のおかげ。それだけだ。

voice: 20011080150 voice: 20011080151 ラモーナ 暦も、ずいぶん気を回してくれていたんだろ? ありがとう。

voice: 20011080160 いえ、私はなにも……。

voice: 20011080170 ラモーナ シュトーレンと、贈り物をありがとう。シュトーレンは皆で 美味しくいただいて、クリスマス前に食べ終わってしまった。

voice: 20011080180 ラモーナ 明日はついに公演初日。 ……私の主演舞台が、始まる。

voice: 20011080190 ラモーナ 背筋を伸ばして生きていたい気持ちも、 敬愛する両親のようになりたい気持ちも変わらない。

voice: 20011080200 ラモーナ けれど、今の私には仲間がいる。 遠く日本の地で出会った、少し不器用な仲間たちが。

voice: 20011080210 ラモーナ あの頃の私とぜひ見比べてみてほしい。 何が変わって、何が変わらないのか。

voice: 20011080220 ラモーナ チケットを送るよ。 簡単な旅程ではないだろうが、ぜひ観に来てほしい。

voice: 20011080230 ラモーナ ……絶対に、いい公演にしてみせるから。

voice: 20011080240 ラモーナ よし、明日に備えて寝よう!

voice: 20011080250 ラモーナ おや、雪。ずいぶん早起きだな。 おはよう。

voice: 20011080260 おはよう。新聞配達をしてきたんだ。 ドイツの方こそ、早すぎるんじゃないのか。

voice: 20011080270 ラモーナ 私は少し、用事があってな。

voice: 20011080280 用事?

voice: 20011080290 ラモーナ 手紙を出しに行くんだ。 よかったら雪も来るか?

voice: 20011080300 ……ふん。 ヒマだからな、ついていってやる。

voice: 20011080310 ラモーナ すがすがしい、いい朝だな。

voice: 20011080320 なんだ、急に。

voice: 20011080330 ラモーナ いや、ただ思っただけだ。 日本に来て、今日をこうして迎えられてよかったって。

voice: 20011080340 ……そうか。

voice: 20011080350 ラモーナ 雪にも、改めて礼を言わないとな。

voice: 20011080360 voice: 20011080361 別に。貸しは返してくれるんだろ。 シュトーレンの端もたんまりもらったからな。

voice: 20011080370 ラモーナ ああ。

voice: 20011080380 ……お前が、あのまま銀河座を去るのかと思った。

voice: 20011080390 ラモーナ 私が?

voice: 20011080400 ドイツに逃げ帰って、ひとりになるのを選ぶのかと。

voice: 20011080410 ラモーナ ……そうか。

voice: 20011080420 まあ、ドイツに限ってそんなことあるはずもなかったな。 ひとりで生きられないタイプだろう、お前は。

voice: 20011080430 ラモーナ ……。

voice: 20011080440 voice: 20011080441 な、なんだよ、黙るなよ。 まさか、本当に辞めようと思ってたのか?

voice: 20011080450 ラモーナ いや、まさか。

voice: 20011080460 はあ、びっくりさせるな。心臓に悪い。

voice: 20011080470 ラモーナ 雪は優しいな。

voice: 20011080480 な、なんなんだ!? お前、本当におかしいぞ!? ほめても貸しはまけてやらないからな!?

voice: 20011080490 ラモーナ はは。いや、私は元からこうだよ。

voice: 20011080500 ラモーナ さ、ほら。手紙を出そう。

voice: 20011080510 ……銀河座を去るつもりはないんだよな?

voice: 20011080520 ラモーナ もちろん。

voice: 20011080530 ラモーナ ギムレットには早すぎる、からな。