voice: 20022060010 いろは 今日も練習付き合ってくれて、 ありがとうございました、みとちゃん。

voice: 20022060020 美兎 ううん、美兎で力になれてたならいいんだけど。

voice: 20022060030 いろは もちろん! みとちゃんのおかげで、ぼくは百人力ですよっ!

voice: 20022060040 美兎 ふふ。なら、うれしいな。

voice: 20022060050 美兎 ……オーディション、明後日だね。

voice: 20022060060 いろは はいっ。 なんだか、ソワソワしちゃいますね。

voice: 20022060070 美兎 うん……。

voice: 20022060080 美兎 (結局、蕾さんのこといろはちゃんにも話せなかったし、  オーディションの日程もそのままになっちゃった)

voice: 20022060090 美兎 (蕾さんにも無理させてるし、いろはちゃんにも隠し事して、  ……こんなのよくないよね。でも……)

voice: 20022060100 いろは (みとちゃん……。  やっぱり、ちょっぴり元気がないです)

voice: 20022060110 いろは (みとちゃんならきっと、  僕に話せない理由があるはず……でも……)

voice: 20022060120 いろは・美兎 (どうしたらいいんだろう……)

voice: 20022060130 いろは そうだ! 『シンクツ』の新刊の件、明日とかどうでしょう!

voice: 20022060140 voice: 20022060141 美兎 あ、明日……!? えっ、ええと、新刊の件……って…………。

voice: 20022060150 美兎 あっ、特装版買いに行こうねって話、だよね?

voice: 20022060160 voice: 20022060161 いろは はいっ! 明日なら土曜日で学校もおやすみですし、 どうでしょう……?

voice: 20022060170 美兎 ……え、ええと……。 明日は……。

voice: 20022060180 いろは あっ、すみません! 明日なんて急すぎましたよねっ! また今度にしましょう!

voice: 20022060190 美兎 ……あっ、うん……。ごめんね。 じゃあ、また、……来週。

voice: 20022060200 いろは はいっ。また来週、学校で。

voice: 20022060210 いろは …………みとちゃん……。

voice: 20022060220 よし。

voice: 20022060230 連日連夜の勉強の甲斐あってか、模試の成績は上々そうだった。 解答欄もすべて埋まったし、見直しの時間も十分とれた。

voice: 20022060240 これなら、良い報告をできるだろう。

voice: 20022060250 明日はいよいよ、『ファウスト』のオーディションだ。

voice: 20022060260 voice: 20022060261 くぁ……ねむ……。 いや、しかし、最後にきちんと詰めておかないとな。

voice: 20022060270 おはようござ――

voice: 20022060280 叶羽 やーっと来た。 高校の授業長すぎじゃない?

voice: 20022060290 本巣? どうした、今日は稽古もないはずだが……。

voice: 20022060300 叶羽 まー、いいから。 アンタ、今日ヒマ? ヒマよね。

voice: 20022060310 いや、明日がオーディションだから今日は最後の――

voice: 20022060320 叶羽 オッケー、ヒマね。

voice: 20022060330 本巣……どういうつもりだ?

voice: 20022060340 叶羽 どういうつもり、はこっちのセリフだって。

voice: 20022060350 叶羽 この前とか、稽古場の空気やばかったじゃん。

voice: 20022060360 この前?

voice: 20022060370 叶羽 なーんか、美兎もカミラも挙動不審だしさー。 要もなんかはぐらかしてたし、みんな隠し事してんじゃん、明らかに。

voice: 20022060380 叶羽 蚊帳の外って楽だからいいか~と思ってたけど、 勝手にギスられ始めていーかげんムカついてきた。

voice: 20022060390 ギスられて?

voice: 20022060400 voice: 20022060401 叶羽 気づいてなかったわけ? っはぁ~、占いだとか言って普段人にアドバイスとかするくせに。

voice: 20022060410 叶羽 あんたのこと、美兎とカミラがなんか要に言ってた。 いろはは聞かされてるのか知らないけど、まー察してるっしょ。

voice: 20022060420 叶羽 サインさせられながら要にカマかけてみたけど、なーんも教えてくんない。 こういう時ばっか、子ども扱いしてさ。

voice: 20022060430 ……。

voice: 20022060440 叶羽 だから、直接話聞きに来た。

voice: 20022060450 そうか……。

voice: 20022060460 叶羽 でも、その感じじゃあんたもなんも知らないパターンね。

voice: 20022060470 叶羽 も~、こういうの一番めんどいんだって~。 大人が何人もあつまって小学生に気を遣わせないでよね。

voice: 20022060480 叶羽 あんたはなんかないの? 心当たりとか。

voice: 20022060490 いや、……まったく……。

voice: 20022060500 voice: 20022060501 叶羽 あっそ。 ……はぁ~。

voice: 20022060510 叶羽 じゃ、もう直接呼び出すしかないかあ。

voice: 20022060520 よ、呼び出す?

voice: 20022060530 叶羽 蕾、一人暮らしよね。

voice: 20022060540 あ、ああ。

voice: 20022060550 叶羽 じゃあ、アンタ会場係ね。 好きなピザある?

voice: 20022060560 ピザ……? いや、会場係というのは……?

voice: 20022060570 叶羽 アタシ、炭焼きカルビにしよ。 ほら、早く言わないと全部同じ味にするわよ。

voice: 20022060580 え? ええと……照り焼きチキン。

voice: 20022060590 叶羽 はい、照り焼き一丁~。いろはたちは~……。 知らないけど、無難なのにしておけばオッケーでしょ。

voice: 20022060600 も、本巣? 私はこれからここでオーディションに向けて練習をする予定が……。

voice: 20022060610 叶羽 いいから、いろはたちにはアイスとか買ってきてもらいましょ。

voice: 20022060620 叶羽 『アイス買ったら、美兎とカミラ連れて、蕾の家集合しなさい』と…… おっけー、送信。

voice: 20022060630 叶羽 よし、蕾の家、行きましょ。

voice: 20022060640 いや、本巣――

voice: 20022060650 叶羽 あー、もうしつこいなあ! あんたは大人しく場所貸せばいいの!

voice: 20022060660 叶羽 あんたらがギスギスしてるせいでこっちだってやりづらいんだっつーの! アタシが解決してやるから、感謝しなさい!