voice: 20032070010 まったく……。 断りにくい雰囲気を作ってから言い出すのはやめてくださいな。

voice: 20032070020 ぱんだ すみません! さすがに無理……ですよね。

voice: 20032070030 ……まあ、幸い今日の用事は済んでおりますから、 ご協力いたします。

voice: 20032070040 ぱんだ おおお、本当ですか! 引き受けてもらってありがとうございます……!

voice: 20032070050 voice: 20032070051 八恵さんの力になれるのは本望……いえ、 この施設にはお世話になっていますから。

voice: 20032070060 ぱんだ そうですか! 非常に助かります~。 子どもたちも喜ぶと思います。とっても元気なので~。

voice: 20032070070 さあ、行きましょうか。

voice: 20032070080 子どもG ぱんだお姉さん、やっと戻ってきたー!

voice: 20032070090 子どもF 次は何してあそぶー?

voice: 20032070100 ぱんだ そうだな、次は……。

voice: 20032070110 ふふ、それなら人形劇はいかがでしょうか?

voice: 20032070120 題して、『はらぺこライオンとかしこいウサギ』。 はじまりはじまり。

voice: 20032070130 あるところに、一匹のウサギがいました。 ウサギは群れの中で暮らしていましたが、あるときはぐれてしまいました。

voice: 20032070140 そんなとき、お腹を空かせたライオンが通りかかったのです。 ライオンはウサギを見て、すぐに追いかけます。

voice: 20032070150 voice: 20032070151 なんて美味しそうな獲物だろう。 ……がおー!

voice: 20032070160 子どもF わぁーっ!

voice: 20032070170 ぱんだ (おぉ……。  子どもたちがみんな注目した)

voice: 20032070180 ぱんだ (千寿さん、人形劇も上手いし……すごい迫力だな。  まさかこんな近くで演技観られるとは……)

voice: 20032070190 た~べちゃ~うぞ~。

voice: 20032070200 ぱんだ (そっか、子どもの扱い慣れてるんだ。  妹さんいるんだし当然か)

voice: 20032070210 子どもA ぱんだお姉さん、こっちでおままごとしよー。 先生は夫役ね!

voice: 20032070220 ぱんだ ああ、うん。

voice: 20032070230 子どもA あなたー。 今日のご飯はキャロットラぺですよ。

voice: 20032070240 voice: 20032070241 ぱんだ 何それ……。 もぐもぐ……おしゃれな味だな~。

voice: 20032070250 子どもA この前レストランで食べたの!

voice: 20032070260 ぱんだ へぇ~。どんな味?

voice: 20032070270 子どもB ぶぅ~ん、どーん!

voice: 20032070280 ぱんだ ――おわっ!

voice: 20032070290 子どもB あ……。

voice: 20032070300 子どもA ……ぱんだお姉さん、おうちこわしたー! うわあああーん!

voice: 20032070310 ぱんだ わーっ! ごめん! お姉さんがすぐ直すから、ね!

voice: 20032070320 ぱんだ コラ! 人に体当たりしちゃだめ! 危ないでしょ!? 積み木も倒れちゃったよ!

voice: 20032070330 子どもB ……ぼく、倒してない。 悪くないもん!

voice: 20032070340 ぱんだ あ……。 しまった、怒っちゃった。

voice: 20032070350 子どもA うぅ……うぇ~ん……。

voice: 20032070360 ぱんだ あ~、ごめんね。 えっと……これをこうして……。

voice: 20032070370 子どもD ぱんだお姉さん~。

voice: 20032070380 ぱんだ 次は……こうかな?

voice: 20032070390 ぱんだ ――って、いったたた!?

voice: 20032070400 子どもD おねーさーん!

voice: 20032070410 ぱんだ コラ、髪引っ張って遊ぶのはやめて……! ちょっと、ちょっと待ってってば……!

voice: 20032070420 子どもA うわぁ~ん……。

voice: 20032070430 ぱんだ ……っ。

voice: 20032070440 八恵 ぱんださん?

voice: 20032070450 ぱんだ 新妻っち。

voice: 20032070460 八恵 あらあら、積み木が倒れてしまったんですね。 それは大変でしたね。

voice: 20032070470 子どもA さっき、ぱんだお姉さんが壊しちゃったの……。

voice: 20032070480 八恵 悲しかったですよね。 でも、ぱんださんもわざとじゃないんですよ。

voice: 20032070490 八恵 大丈夫、もう一回、今度は一緒に作りましょう。 きっともっとすごいお家になりますよ。

voice: 20032070500 子どもA ……うん。

voice: 20032070510 知冴 よし、私がブラン城を作ってしんぜよう。

voice: 20032070520 八恵 流石さん。

voice: 20032070530 子どもA なあに、それ?

voice: 20032070540 知冴 ルーマニアの古城。 ドラキュラ伯爵がいたとされる場所だよ。

voice: 20032070550 子どもA ドラキュラ……?

voice: 20032070560 voice: 20032070561 知冴 そうそう、実在の人物がモデルなんだけどね。 うん、赤いのと白いので再現できそうだ。

voice: 20032070570 子どもA ……。 私もやる!

voice: 20032070580 知冴 おお、じゃあ一緒に作ろう。

voice: 20032070590 voice: 20032070591 ぱんだ ……。 新妻っち、ありがとうございます。

voice: 20032070600 voice: 20032070601 八恵 全然ですよ。ぱんださんのおかげで、 子どもたちを観察することもできましたし。今度は私に任せてください♪

voice: 20032070610 ぱんだ あとでさっすーにもお礼言わないとだ。 やー、甘く見てました。子どもの相手って大変ですね……。

voice: 20032070620 八恵 わかりますよ。 特に、ぱんださんの周りにはたくさんの子が集まってましたしね。

voice: 20032070630 八恵 私はあんな風に囲まれたことがないので、すごいです。 きっとぱんださんは特別なんですね♪

voice: 20032070640 ぱんだ ……多分、ちょうどいい年上で、親しみやすいだけですよ。 オーラを持たざるものの宿命ってやつです。

voice: 20032070650 ぱんだ 新妻っちこそ、あんな風に諭せたり、読み聞かせに没頭させたり……。 そもそもこの活動を続けてて、すごすぎますよ。

voice: 20032070660 八恵 そんなことないですよ。

voice: 20032070670 八恵 あっ、ぱんださん。 私、さっき休憩をもらったんです。

voice: 20032070680 八恵 ぱんださんが暦さんを連れてきてくれたおかげです。 少し余裕ができたので、お休みされては?

voice: 20032070690 ぱんだ あ……ありがとうございます。

voice: 20032070700 ぱんだ じゃあ、ちょっと外で休んできますね!

voice: 20032070710 ぱんだ ……はー。

voice: 20032070720 ぱんだ 怒らない、嫌がらない、笑顔笑顔~……。 子どもの情操教育にも関わることだかんな~……。

voice: 20032070730 ……ぱんださん?

voice: 20032070740 voice: 20032070741 ぱんだ 千寿さん! あ……飲み物買いに来たんです?

voice: 20032070750 ええ。人形劇で喋り続けていたので、少し喉が渇いてしまって。

voice: 20032070760 そういえば、遅番の保育士さんが出勤されて、 見る人が増えたみたいです。

voice: 20032070770 ピークは越えて、親御さんとともに帰られる子どもたちもいるので、 これから落ち着いていくと思いますよ。

voice: 20032070780 ぱんだ そうなんですか……。 せっかくお時間いただいたのに、すみません。

voice: 20032070790 ああいえ、ただ状況をお伝えしただけですわ。

voice: 20032070800 ぱんだ 千寿さんが来てくれて本当に助かりました。 ぱんだよりずっと、子どもの相手も上手ですし……。

voice: 20032070810 まあ……。銀河座で子ども向けの公演は何度かやっていますし、 慣れているのはあるかもしれませんね。

voice: 20032070820 ぱんだ それに対してぱんだは……。 正直、今日だけでヘトヘトです。

voice: 20032070830 ……。

voice: 20032070840 きっとぱんださんは、子どもに一番好かれてるんでしょうね。

voice: 20032070850 ぱんだ いや~、軽く見られてるだけですよ。

voice: 20032070860 意識するしないにせよ、相手の要求に答えてあげる。 だから多くの人に甘えられ、求められる。

voice: 20032070870 あなたはそういった部類の人だと思いますよ。 見ていてわかります。銀河座にも……そういう人はおりますから。

voice: 20032070880 ぱんだ ……そうなんですかね?

voice: 20032070890 ええ。だからきっと、疲れてしまうのでしょう。 今日は私も手伝いますから、ほどほどに。

voice: 20032070900 せっかく引き受けましたし、私も今日は最後まで付き合いますから。

voice: 20032070910 ぱんだ あ……ありがとうございます。

voice: 20032070920 ぱんだ (……そう言われたら、もう少しがんばるっきゃないじゃないですか)