voice: 20033060010 ……はぁ。 ああもう、話せばいいんだろ、話せば。

voice: 20033060020 こんなつもりじゃなかったんだ。 アイツにあんな顔をさせるのも、こうしてひとりで帰ってくることも。

voice: 20033060030 ラモーナ ああ。

voice: 20033060040 お前を巻き込むつもりもなかった。……そもそも、ワタシがアイツの問題に 首を突っ込むこと自体が間違いだったのかもな。

voice: 20033060050 voice: 20033060051 ラモーナ そんなことがあるものか。 雪はただ緋花里のことが心配だったんだろう?

voice: 20033060060 ラモーナ 心配する気持ちが間違っていることなんて、絶対にない。

voice: 20033060070 お前はよく堂々とそんな恥ずかしい台詞を……。

voice: 20033060080 ラモーナ それが私だからな。それにしても仲間外れなんて水臭いじゃないか。 こういう時こそ私の出番だろ?

voice: 20033060090 だからってワタシがお前に相談するのはなんというか……変だろ。

voice: 20033060100 ラモーナ 変?

voice: 20033060110 緋花里でもあるまいし、『ラモさん助けて~』だとか、 『お友達が心配なの~』なんて、ワタシらしくもない。

voice: 20033060120 それに、そうやってベタベタ甘えるのは嫌いなんだ。

voice: 20033060130 ラモーナ ふむ。 なんだか、懐かしい言葉だな。

voice: 20033060140 なんだ?

voice: 20033060150 ラモーナ いや、昔、大切な友人から教わったことがあるんだ。

voice: 20033060160 大切な友人だぁ?

voice: 20033060170 ラモーナ 『お前が甘えても、誰も笑ったりしない』 『お前に甘えてほしいやつも、沢山いる』と、な。

voice: 20033060180 お前、それっ……!

voice: 20033060190 ラモーナ ふふ。私を救ってくれた大切な言葉なんだ。 さて、誰の言葉だったかは忘れてしまったが。

voice: 20033060200 ……はぁ。

voice: 20033060210 voice: 20033060211 ラモーナ 私も、雪に甘えてほしいと思っているよ。 それに、私が入団したころから考えればもうずいぶん『雪らしくない』さ。

voice: 20033060220 ラモーナ 覚えてるか?  私が入寮してすぐの頃、引っ越し蕎麦を配りに行って――

voice: 20033060230 voice: 20033060231 タダなら蕎麦はもらう。だが、なれあう気はない。 ……お前、全員に蕎麦を配る気か? 

voice: 20033060240 ラモーナ そのつもりだ。もしや手伝ってくれるのか?

voice: 20033060250 蕎麦の礼だ、忠告してやる。 どうせ時間のムダだ、やめとけ。

voice: 20033060260 voice: 20033060261 (そうだ。あの頃は、全員が敵だった。  いや、それよりももっと昔から)

voice: 20033060270 緋花里 雪ちゃん! よろしくね。 じゃあ、よろしくの握手をしよう!

voice: 20033060280 握手はしない。

voice: 20033060290 緋花里 えっ? ……そ、そっか、急にごめんね。

voice: 20033060300 ラモーナ ああでも、あの頃の雪は私に忠告をしてくれたな。 銀河座は厳しい。たしかに、お前の言う通りだった。

voice: 20033060310 (あの日、握手だってしなかったのに、  今は緋花里が話さないことに腹を立てるなんて)

voice: 20033060320 ……はぁ。すっかりお前のお節介がうつったみたいだ。 心配だの、仲間だの、全部お前のせいだからな。

voice: 20033060330 ラモーナ おや、それは光栄だ。 ふふ、銀河座の二代目お節介誕生というわけだな。

voice: 20033060340 緋花里 ねえ、カミラちゃん。 私らしいって、与那国緋花里らしいってなんなんだろう。

voice: 20033060350 カミラ ……。

voice: 20033060360 カミラ ……あー……。 うーん、ウチが思うヒカりんらしさはもちろんあるんだけど……。

voice: 20033060370 カミラ ……多分、それを今言ったら、 ヒカりんまた、無理しちゃうっしょ。

voice: 20033060380 カミラ ちなみにさ……ヒカりんはさ、どんなことが『自分らしい』って思うん?

voice: 20033060390 緋花里 それは……。 元気で、エネルギッシュで――

voice: 20033060400 緋花里 私らしい? ……それって?

voice: 20033060410 voice: 20033060411 カミラ えっ? うーん、なんていうか、 いっつもエネルギッシュ! パワフル! 元気で笑顔! みたいな?

voice: 20033060420 緋花里 ……いっつも、笑顔。

voice: 20033060430 カミラ たしかに。ヒカりんの笑顔見てると、めっちゃ元気もらえる。 ウチもつられて笑っちゃうって言うかさ。

voice: 20033060440 カミラ そこはヒカりんのめっちゃいいとこだよね。

voice: 20033060450 緋花里 ……ありがとう。

voice: 20033060460 カミラ じゃあウチのことは? どういうとこが『阿岐留カミラらしい!』って思う?

voice: 20033060470 voice: 20033060471 緋花里 うーん、明るくて、気配り上手でしょ、 それにおしゃれで、おしゃべりもメイクも上手!

voice: 20033060480 カミラ あはは、べた褒めじゃん。ありがと~。

voice: 20033060490 カミラ じゃあさ、ウチが凹んでたら、ヒカりんはウチらしくないって言う?

voice: 20033060500 緋花里 ……ううん、言わない。

voice: 20033060510 voice: 20033060511 カミラ でしょ? 『らしい』って多分、それに縛られたらもう違うんだよ。

voice: 20033060520 緋花里 ……。

voice: 20033060530 カミラ ウチってさ、ぶっちゃけ『ウチらしくない』ことばっかで! やってることバラバラすぎ! ウチらしいってどれですか~ってレベル!

voice: 20033060540 カミラ 電姫入るか迷ってた頃さ、友達に言われたんだ。 電姫ってカミラっぽくないし、どうせすぐ飽きるからやめとけって。

voice: 20033060550 カミラ まあぶっちゃけ、自分自身でもそう思ってた。

voice: 20033060560 カミラ 電姫入ってからも、 カミラが真面目に稽古とか想像つかね~って友達に笑われた。

voice: 20033060570 カミラ もちろん、そんなん関係なくウチは楽しいから電姫にいるんだけど。 でもさ、この前さらに新しいことに挑戦することになって。

voice: 20033060580 カミラ その時、リリヤさんに言われたんだ。

voice: 20033060590 緋花里 リリヤさんに?

voice: 20033060600 voice: 20033060601 カミラ うん。 好きな服を着られる自分でいればいい。服に自分が馴染めばいいって。

voice: 20033060610 緋花里 服?

voice: 20033060620 カミラ そ。ウチ、この前雑誌に出たじゃん。 あれってさ、正直、反対意見ゼロってわけじゃなかった。

voice: 20033060630 カミラ ああいうのは阿岐留カミラじゃないとか、似合ってないとか。 電姫に入る時と同じ感じのことを、今度はネットで言われたりしてさ。

voice: 20033060640 緋花里 そんなことないさ! 私も、あの特集すっごくかっこいいと思ったもん。

voice: 20033060650 カミラ ありがと。ウチもやってよかったって今でも思ってるし、 ヒカりんみたいにほめてくれる人がたーっくさんいた。

voice: 20033060660 カミラ 電姫のこともさ、そりゃアニメもゲームも全然知らんけど、 みんなといて楽しいし、演劇だって全然飽きてない。

voice: 20033060670 カミラ 『どうせすぐ飽きるよ』って言った子も、 今はウチの舞台観に来てくれるし、応援してくれてる。

voice: 20033060680 カミラ どっちに応えたい? ってさ、そりゃウチを応援してくれるひとじゃん? ウチが自分で決めたこと嫌がるって、ウチのファンじゃないし。

voice: 20033060690 緋花里 ふふ、うん。

voice: 20033060700 カミラ だから、ヒカりんも好きにしてたらいいと思うんだ。

voice: 20033060710 カミラ 笑いたい時に笑う。元気な時に元気。 それがヒカりんらしさだよ。

voice: 20033060720 緋花里 ……。