voice: 20034030010 叶羽 『ねえ、この鶴を千羽折るとね、願いが叶うんですって。 もしお兄様に叶えたいことがあるのなら――』
voice: 20034030020 voice: 20034030021 いろは 『いや、俺は……。 ……ナナリーは? 何かないのかい?』
voice: 20034030030 叶羽 『うーん……。 優しい世界でありますように』
voice: 20034030040 いろは 『お前の目が見えるようになる頃には、 きっとそうなってるよ』
voice: 20034030050 叶羽 『本当に?』
voice: 20034030060 いろは 『約束する』
voice: 20034030070 叶羽 『この前教えてもらったの、日本の約束の仕方』
voice: 20034030080 叶羽 『嘘ついたら針千本のーます! 指きった! ……ふふっ』
voice: 20034030090 いろは 『……。 こわいな、千本も針を飲まなくちゃいけないのか』
voice: 20034030100 叶羽 『そう。だから、嘘ついたらいけないんですよ』
voice: 20034030110 voice: 20034030111 いろは 『大丈夫。俺は嘘をつかないよ。 ……お前にだけは』
voice: 20034030120 要 ちょっとストップ。 いろは。
voice: 20034030130 いろは は、はいっ! なんでしょうか?
voice: 20034030140 voice: 20034030141 要 ここはたしかに重要なシーンだけど、力みすぎ。 まだシリアスじゃなく、ナナリーとの日常って雰囲気にしてみてくれる?
voice: 20034030150 いろは ……わかりましたっ!
voice: 20034030160 叶羽 ……。
voice: 20034030170 いろは 『大丈夫。俺は嘘をつかないよ』
voice: 20034030180 いろは ……すみません、今のは違いますね。 もう1回やります。
voice: 20034030190 いろは 『大丈夫。俺は嘘を……』
voice: 20034030200 いろは ……うーん。もっと……。 やっぱり、もう1回お願いします。
voice: 20034030210 いろは 『大丈夫。俺は……』
voice: 20034030220 要 いろは――
voice: 20034030230 いろは すみません、もう1回お願いします。
voice: 20034030240 叶羽 (……なんで、こんなことになってんの……? 空回ってるとかじゃない……完全に迷走してる)
voice: 20034030250 いろは ただ、もしも僕が迷っていたら助けてくれたら嬉しいです。 今回の舞台は僕たちふたりの出来次第って、要さんも言ってましたしっ!
voice: 20034030260 叶羽 はいはい。 ま、そんな日が来たら、先輩で天才のアタシがなんとかしてあげる。
voice: 20034030270 叶羽 ……いろは、急にどうしたのよ。 なんか、あった?
voice: 20034030280 いろは いえっ……。 ……すみません、叶羽ちゃん。
voice: 20034030290 要 わかった、一度休憩にしましょう。 10分後に再開するから、少し落ち着いて考えてみて。
voice: 20034030300 カミラ どしたん、いろっち。
voice: 20034030310 美兎 何回もやり直してたけど……。 大丈夫? わかんなくなっちゃった……?
voice: 20034030320 いろは ああ、いえ! なんだか、どう演じても違う気がしてしまいまして……。
voice: 20034030330 美兎 違う、って?
voice: 20034030340 いろは ルルーシュはもっと、何手も先まで見通していて、 だからこそナナリーに微笑みかけられるんだと思っていて……。
voice: 20034030350 いろは 今の僕には、ルルーシュの説得力やすごみが足りない気がするんです。 これじゃあ、叶羽ちゃんのナナリーの足を引っ張ってしまいます。
voice: 20034030360 美兎 ……。
voice: 20034030370 叶羽 まーさ、なんでもいいから1回好きなように演じてみたらいいじゃん。 途中で辞められたら、アタシらも要もどうこう言えないしさ。
voice: 20034030380 いろは 叶羽ちゃん……。
voice: 20034030390 要 そうね。まずはやりたいようにやってみて。 そこから『こうして』っていうのが私たちの仕事でもあるのよ?
voice: 20034030400 いろは ……そうですよね、すみません。 じゃあ、今、少しだけやってみますね。
voice: 20034030410 いろは 『大丈夫。俺は嘘をつかないよ』
voice: 20034030420 叶羽 なんだ、別にいいじゃん。
voice: 20034030430 蕾 そうだな。先ほどより肩の力が抜けて、 日常シーンでのルルーシュらしさが出ていると思う。
voice: 20034030440 要 そうね。まだ稽古も始まったばかりなんだし、いろはは気にしすぎ。 これなら叶羽のナナリーとも上手くハマるわよ。
voice: 20034030450 いろは ……。
voice: 20034030460 美兎 いろはちゃん……? 要さんもいいと思うって言ってるし、大丈夫だよ。
voice: 20034030470 いろは そうでしょうか……。
voice: 20034030480 美兎 えっ……?
voice: 20034030490 カミラ いろっち、どしたん? マジで大丈夫?
voice: 20034030500 いろは あっ、だ、大丈夫ですっ! すみません、僕、飲み物なくなっちゃったので、買ってきますねっ。
voice: 20034030510 美兎 ……。
voice: 20034030520 叶羽 ねー、要。 あれ、ほっといて大丈夫なん?
voice: 20034030530 要 うーん……。 まあ、大方好きが高じすぎちゃってるんでしょうけど。
voice: 20034030540 要 好きなキャラだから理想が高くなって、自分の演技に納得できなくなる。 演劇、とくにウチみたいな2.5次元界隈ではよくある話ね。
voice: 20034030550 要 ただ、特に好きな作品を演じるとなれば、 あらゆる役者が乗り越えなければいけないハードルでもある。
voice: 20034030560 叶羽 ふーん。
voice: 20034030570 要 そういえば、叶羽はそういうのないわね。
voice: 20034030580 叶羽 まーね。アニメとか漫画もそこそこ観るけど、 アタシはああいうタイプのオタクじゃないし。
voice: 20034030590 要 たしかに。 どんな役でもフラットに演じられるのは叶羽のいいところね。
voice: 20034030600 叶羽 でしょ。もっとほめていいわよ。
voice: 20034030610 要 すぐ調子に乗らない。
voice: 20034030620 叶羽 ちぇー。ケチ。
voice: 20034030630 叶羽 (このまま、面倒なことになっていかないといいけど)
voice: 20034030640 美兎 ……。
voice: 20034030650 蕾 白丸、大丈夫か?
voice: 20034030660 美兎 あっ、は、はい! ……美兎は、大丈夫です。
voice: 20034030670 美兎 ただ……いろはちゃんのことが心配で……。
voice: 20034030680 カミラ いろっちがあんな風になるとこ、見たことないもんね。
voice: 20034030690 美兎 うん……。 困ってるなら、助けてあげたいって思うんだけど……。
voice: 20034030700 美兎 ただ、美兎はいろはちゃんより演劇をやってきた期間も短いし、 こういう時に、どんな言葉をかけたらいいんだろうって……。
voice: 20034030710 カミラ そうさなー。 それで言えば、ウチなんかもっと素人だし。
voice: 20034030720 カミラ 元気出して―つってなんとかなるもんでもないんだろうし、 ハードルってやつを乗り越えるまで、見守っとくしかないんかねえ。
voice: 20034030730 蕾 ……そうだな。 それに、阿岐留にはまだやるべきこともあるんじゃないか?
voice: 20034030740 voice: 20034030741 カミラ げっ! はーい……ミステリアスな役作り、がんばります……。