voice: 20038060010 知冴 はぁ、はぁ……。 なんとか逃げられてよかった……。
voice: 20038060020 八恵 はぁ……。 ふふ、急にエチュードを始めるからびっくりしました。
voice: 20038060030 知冴 ごめん、どうしたらいいか思いつかなくて。ロミオのセリフも メチャクチャになっちゃったし、ボスが聞いてたら怒るだろうな。
voice: 20038060040 voice: 20038060041 八恵 原典以上に、とっても積極的なロミオでしたね。 でも……よかったんでしょうか。
voice: 20038060050 知冴 なにか気になることでもあった?
voice: 20038060060 八恵 その……私たちと握手したくて並んでいらっしゃる方たちが たくさんいらっしゃったので……。
voice: 20038060070 八恵 それに、ここなさんたちと食べるかき氷も買えていませんし……。
voice: 20038060080 voice: 20038060081 知冴 ああ、そっか。 うーん……まあ、いいんじゃない?
voice: 20038060090 知冴 ここなたちは多分許してくれるし、 ファンの人たちも、偶然見てた人たちも多分怒ったりしないよ。
voice: 20038060100 八恵 そうでしょうか……。
voice: 20038060110 知冴 うん。ファンは役者に似るって言うし。 新妻が怒らないならファンの人も怒らない。
voice: 20038060120 八恵 ふふっ。それって、そういう意味なんですか?
voice: 20038060130 知冴 じゃあ、もしも怒られたら、私も一緒に怒られることにしよう。 ぱんだによく怒られて、慣れてるし。
voice: 20038060140 八恵 それはあまりよくないんじゃ……。
voice: 20038060150 知冴 新妻は普段が優等生すぎるから。 このくらいマイペースでも、大丈夫大丈夫。
voice: 20038060160 八恵 いえ、こんなにマイペースで許されるのは 流石さんくらいかと……。
voice: 20038060170 知冴 そう? じゃあちょうどいいよ。
voice: 20038060180 八恵 ええと……どういう意味でしょう?
voice: 20038060190 知冴 ぱんだが言ってたんだ。 『新妻っちにさっすーの日記を見せてやりたい』って。
voice: 20038060200 知冴 『毎日こんなメチャクチャなやつもいる』って教えてやりたいんだって。 だから、ちょうどいいでしょ?
voice: 20038060210 八恵 ……。
voice: 20038060220 知冴 みんな平等に相手してたら疲れちゃうしさ、 新妻も、困りますって顔してたもん。
voice: 20038060230 知冴 さっきだってダイスターとか、有名な役者~っていっぱい言われてたけど、 今日は小学5年生の新妻八恵でしょ?
voice: 20038060240 voice: 20038060241 知冴 ファンサービスしに来たわけじゃなかったし、 それに、ちょっとだけ右足をかばってるみたいだったから。
voice: 20038060250 八恵 えっ! 気づいていたんですか?
voice: 20038060260 知冴 うん。今年の私の自由研究は『ダイスターの観察』だからね。 ごめん。急に抱き上げちゃったけど大丈夫だった?
voice: 20038060270 voice: 20038060271 八恵 だ、大丈夫です! すみません、気を遣わせてしまって。
voice: 20038060280 知冴 ううん。あ、絆創膏いる? 鼻緒のとこに貼るだけでも、だいぶ変わると思うよ。
voice: 20038060290 知冴 はい、どうぞ。
voice: 20038060300 voice: 20038060301 八恵 あっ……ありがとうございます。 ……って、この柄は……?
voice: 20038060310 知冴 ん? ルアー柄。可愛いでしょ。 ロッド柄もあるよ。好きなのどうぞ。
voice: 20038060320 八恵 ふふっ、全部釣りの道具の絵柄なんですか? では、こちらを。
voice: 20038060330 知冴 おお、リール柄とはセンスがいいね。
voice: 20038060340 voice: 20038060341 八恵 ありがとうございます。 ……よし、貼れました。
voice: 20038060350 知冴 うんうん、これでばっちり。 新妻、すぐ囲まれちゃうし、人気者で大変だね。
voice: 20038060360 八恵 いえいえ、そんなことないですよ。 ファンの皆さんも、優しくていい方ばかりですし。
voice: 20038060370 八恵 それに流石さんだって、たくさんの方に見つめられていましたよ。 ファンサービスをせずとも慕われているのは、素晴らしいことだと思います。
voice: 20038060380 知冴 そうかな? 普通にしてるだけなんだけど。
voice: 20038060390 八恵 『普通』でできるからすごいんですよ。
voice: 20038060400 知冴 へへ、そう言われると照れるね。 じゃあ、そろそろぱんだが心配するから戻ろうか。
voice: 20038060410 八恵 はいっ。 流石さん、ありがとうございました。
voice: 20038060420 知冴 どういたしまして。
voice: 20038060430 ぱんだ やっと戻ってきた! おーい、さっすー! どこ行ってたんだよ!
voice: 20038060440 知冴 ごめん、ぱんだ。 あっちの方が気になって。
voice: 20038060450 ぱんだ だからって新妻っちまで連れて消えるなっつの! ここちゃんたちがすっげー心配してたぞ?
voice: 20038060460 voice: 20038060461 八恵 すみません! その、私が――
voice: 20038060470 voice: 20038060471 知冴 まあまあ。細かいことは気にしない。 ねえ、ぱんだ。そろそろ寮に帰らない?
voice: 20038060480 ぱんだ はぁ? そんな急に……。
voice: 20038060490 知冴 昨日たくさん花火を買ったんだ。 出店に人も増えてきちゃったし、そろそろ帰ってみんなで花火しようよ。
voice: 20038060500 ぱんだ んなこと言ったって、 ここちゃんたちもまだ来たばっかだろ?
voice: 20038060510 voice: 20038060511 知冴 それは、私から謝るから。 ねえ、いいでしょ?
voice: 20038060520 ぱんだ ……。
voice: 20038060530 ぱんだ わかったよ。なんか考えがあるんだろ?
voice: 20038060540 voice: 20038060541 ぱんだ もぉー、ほんとマイペースなんだから……。じゃあ、ここちゃんとこ行こうぜ。 新妻っちも、それで大丈夫ですか?
voice: 20038060550 八恵 はっ、はい!
voice: 20038060560 八恵 あの、流石さん。 私の足のことでしたら大丈夫ですので……。
voice: 20038060570 知冴 んー? うん。 でもお祭り以外にも新妻とやりたいことまだまだあるからさ。帰ろうよ。