voice: 20040080010 クリスティーナ 話したいことって何? シリウス劇場でのことなら大丈夫よ。
voice: 20040080020 クリスティーナ 本当に、あなたが自分を責めるようなことはないわ。 過去を気にしてしまう私のせいだもの。
voice: 20040080030 ラモーナ ああ……。 お前は何度もそう言ってくれたが、一度顔を見て謝りたかったんだ。
voice: 20040080040 ラモーナ すまない。 お前の気持ちを無視して、無理やり向き合わせるようなことをして。
voice: 20040080050 クリスティーナ 本当にラミーはしつこいわね。 まあ、気持ちは受け取っておく。
voice: 20040080060 クリスティーナ じゃあ、この話はもうおしまいね。 せっかく会ったんだもの、もっと楽しい話をしましょうよ。
voice: 20040080070 ラモーナ ……それについてだが、 今日クリスを呼びだしたのは私じゃないんだ。
voice: 20040080080 クリスティーナ えっ?
voice: 20040080090 ラモーナ もうひとり話してほしい人がいる。 さっきの謝罪は、それも含めてだ。
voice: 20040080100 カトリナ ……こんにちは、クリス。
voice: 20040080110 voice: 20040080111 クリスティーナ カトリナ……? ちょっと、どういうこと?
voice: 20040080120 カトリナ アタシがモナさんに頼んだの。 あなたと話がしたいと思ったから。
voice: 20040080130 クリスティーナ 私はあなたと話すことなんてないわ。
voice: 20040080140 カトリナ ……。
voice: 20040080150 ラモーナ そう言わずに、どうか聞いてくれ。 カトリナは――
voice: 20040080160 カトリナ モナさん、少しだけそっとしておいてくれる? アタシが呼んだんだもの、自分から話したい。
voice: 20040080170 カトリナ クリス。 あなたはアタシの芝居を独りよがりだって言ったわね。
voice: 20040080180 クリスティーナ ……ええ。
voice: 20040080190 カトリナ そして、忘れちゃいけないことを思い出させようとした。 アタシのかつての失敗を。
voice: 20040080200 クリスティーナ そうよ。ワールドダイスターの娘であることを理由に、 あなたの傲慢さは許された。あんなに周りに威張って、命令してた。
voice: 20040080210 voice: 20040080211 クリスティーナ あなたのわがままでどれだけ傷ついた人がいたかも知らずにね。 それなのに……!
voice: 20040080220 voice: 20040080221 カトリナ それなのにアタシは、舞台上でセンスが使えなくなって……。 大事な舞台で、みんなの努力を全部台無しにしたわ。
voice: 20040080230 クリスティーナ よくわかってるじゃない。
voice: 20040080240 クリスティーナ 演劇は仲間と協力してこそいい舞台になるのよ。 それなのに、あなたは仲間を傷つけてばかりだったわ。
voice: 20040080250 カトリナ ……。
voice: 20040080260 クリスティーナ 上手く行かない責任を他人に押し付けようとして。 自分の焦りをごまかそうとしていた。私はそんなあなたが許せない。
voice: 20040080270 カトリナ ……そうね。
voice: 20040080280 voice: 20040080281 カトリナ あなたの言う通りよ。 ……本当に、本当にごめんなさい。
voice: 20040080290 ラモーナ カトリナ……。
voice: 20040080300 カトリナ 許してほしいなんて言わないわ。 ただ……謝りたかったの。
voice: 20040080310 クリスティーナ 今更謝られても、反応に困るわ。 過ぎた時は戻らないもの。
voice: 20040080320 voice: 20040080321 カトリナ そうよね。でも、これだけは言っておくわ。 アタシは……ずっと後悔してる。
voice: 20040080330 voice: 20040080331 クリスティーナ ……。 なによ、それ……。
voice: 20040080340 カトリナ あなたはこれから、日本で活動するのよね。
voice: 20040080350 クリスティーナ ええ、そうだけど。 オーディションは通過した、所属する劇団も決まったわ。
voice: 20040080360 カトリナ よかった。 同じ役者として、心から応援してるわ。
voice: 20040080370 クリスティーナ 嫌味にしか聞こえないわね。
voice: 20040080380 カトリナ 本当の気持ちよ。あなたはアタシより、演劇に大切なものがわかってた。 だから、絶対良い舞台を作ることができる。
voice: 20040080390 クリスティーナ え……?
voice: 20040080400 カトリナ それだけ伝えたかったの。 じゃあね。
voice: 20040080410 ラモーナ ……。
voice: 20040080420 クリスティーナ なんなのよ、あの子……。
voice: 20040080430 カトリナ はあ……。
voice: 20040080440 ここな あ、カトリナちゃんだ。
voice: 20040080450 静香 まだ入ってたの? とっくに上がったと思ってたのに。
voice: 20040080460 カトリナ 悪い?
voice: 20040080470 静香 誰もそこまで言ってないじゃない。
voice: 20040080480 ここな 顔が赤いよ。 そろそろ上がったほうが良いんじゃない?
voice: 20040080490 voice: 20040080491 カトリナ ありがと……。 ちょっと考え事してたら、長くなっちゃった。
voice: 20040080500 ここな 考え事?
voice: 20040080510 カトリナ この前、モナさんとクリスに会ってきたのよね。
voice: 20040080520 ここな そうなの!? ふたりとちゃんと話せた?
voice: 20040080530 カトリナ 伝えたいことは伝えられたと思う。
voice: 20040080540 ここな そっか、よかった。
voice: 20040080550 voice: 20040080551 カトリナ うぅ……。 のぼせてきたからもう上がるわね。
voice: 20040080560 静香 ちゃんと水分取りなさいよー。
voice: 20040080570 カトリナ ……はー。 お風呂上がりの冷たい水って美味しいわね。
voice: 20040080580 知冴 うんうん、わかる。 デトックスできたー、って感じだよね。
voice: 20040080590 voice: 20040080591 カトリナ 独り言だったんだけど? ……同意してくれてありがと。
voice: 20040080600 カトリナ ……あ。
voice: 20040080610 知冴 誰かから連絡?
voice: 20040080620 voice: 20040080621 カトリナ モナさんからだわ。 ……えっ?
voice: 20040080630 知冴 どうしたの?
voice: 20040080640 voice: 20040080641 カトリナ 公演のチケットをくれるらしいわ。 ……クリスの入る劇団の。
voice: 20040080650 voice: 20040080651 カトリナ 『応援してるって言うなら、言葉通り絶対観に行くように』だそうだ。 ――って。
voice: 20040080660 知冴 ふーん? よくわかんないけど、相手はカトリナに観に来てほしいんだね。
voice: 20040080670 カトリナ ……だといいわね。 返事しなきゃ。
voice: 20040080680 voice: 20040080681 カトリナ ……。 アタシも、頑張らなくちゃね……。