voice: 20048030010 リリヤ はぁ……。 明るいうちからお風呂に入るのは、気持ちいい……。

voice: 20048030020 緋花里 だからよ~。 露天風呂、サイコーさー……。

voice: 20048030030 voice: 20048030031 緋花里 ……。 『マクベス』ね、色々迷ったり、大変だったけど……。

voice: 20048030040 緋花里 こんな風に旅行に行かせてもらえるなんて、頑張って良かったよね。 これもリリヤさんと暦さんのおかげだよ。

voice: 20048030050 リリヤ 私の……?

voice: 20048030060 リリヤ ううん。 緋花里の演技もすごく良かったと思う。

voice: 20048030070 リリヤ みんなそれぞれ美しかった。 こんな風に温泉に来られたのは、みんなのおかげ。

voice: 20048030080 ラモーナ ふふ。やはりリリヤは、『マクベス』を経て変わったな。 銀河座の皆は、良い方向に進もうとしている。

voice: 20048030090 緋花里 温泉、暦さんとも一緒に入りたかったねぇ。

voice: 20048030100 リリヤ 来ないの……? 裸の付き合いで、もっと仲良くなれると思ったのに。

voice: 20048030110 ラモーナ さっき別れただろ? 急に用事ができたとか言っていたが……。

voice: 20048030120 緋花里 今日はお休みなのにね。 暦さん、ちゃんと温泉浸かれるといいな。普段忙しそうだもん。

voice: 20048030130 緋花里 ねー、雪もそう思うよね?

voice: 20048030140 ……。 ふぅ……。

voice: 20048030150 緋花里 雪?

voice: 20048030160 ……んー? なんだ?

voice: 20048030170 緋花里 暦さんも来られたらよかったねって話。

voice: 20048030180 同じ旅館には泊まってるんだから、 勝手に入るだろ……。

voice: 20048030190 緋花里 ちがうさー! 一緒に入りたかったの!

voice: 20048030200 はあ? なんでだよ……。 騒がしい奴らと入るより落ち着いて入ったほうが、暦サンも気が楽なはずだ。

voice: 20048030210 ラモーナ だが、先ほどまでの暦の様子は少し気がかりだな。

voice: 20048030220 リリヤ なにかあった?

voice: 20048030230 ラモーナ 今日は休みだというのに、重要な連絡を返しているようだった。 急に入った用事も大方、それに関係するものじゃないか?

voice: 20048030240 ワタシは興味ない。 他人を詮索して面白いことなんかひとつもないからな。

voice: 20048030250 ラモーナ 詮索しているわけじゃない。 ただ、なんの用事か告げずに出て行ったからだな……。

voice: 20048030260 ……はぁ。それを詮索って言うんだ。 もういいか? 今は静かに温泉に入りたいんだ。

voice: 20048030270 何も考えず風呂に入る時間なんて、そうそうない。 お前もムダなことに力を使うな。

voice: 20048030280 ラモーナ ……ああ、わかっている。

voice: 20048030290 ラモーナ (……詮索、か)

voice: 20048030300 ラモーナ (わかっている。私が足掻いたところで、  今この時……暦の力になれるわけじゃない)

voice: 20048030310 私は信じます。この銀河座を築いてきた先人の知見を。 変わりゆく新たな『マクベス』を。

voice: 20048030320 ですからもしまだ、皆さんが迷われているのでしたら。 やり場の定まらない想いに、悩まれているのでしたら。

voice: 20048030330 皆さんの熱意を、どうか座長である私に……いえ。 変わりゆく新たな『マクベス』に、預けてはいただけませんか。

voice: 20048030340 ラモーナ (『マクベス』で皆が進む道に迷っていたあの時――  道を示し、場を収めたのは暦だ)

voice: 20048030350 ラモーナ 私はお前を倒す。千寿暦に比肩する演劇人となって、 孤独なエースの座から引きずり落としてやる。

voice: 20048030360 ラモーナ (あんな大言壮語を吐いておきながら、私は結局、場を混乱させただけだった。  今の私は、暦の隣に並ぶ資格など――)

voice: 20048030370 リリヤ ラモ?

voice: 20048030380 ラモーナ ――はっ。

voice: 20048030390 ラモーナ ……どうした? リリヤ。

voice: 20048030400 リリヤ ぼうっとしているみたいだから、のぼせてないかと思って。 顔も少し赤い。

voice: 20048030410 ラモーナ そ、そうか……? 私は平気だよ。

voice: 20048030420 リリヤ ……。

voice: 20048030430 ラモーナ なんだ? まだ何か用か?

voice: 20048030440 リリヤ そろそろ身体を洗いたいから、ラモも一緒にどうかと思って。 背中をひとりで綺麗に流すのは、大変だから。

voice: 20048030450 ラモーナ そんなことだろうと思ったさ。 ……構わない、付き合おう。

voice: 20048030460 緋花里 背中流しっこ! 楽しそう! いいな、私もやりたい!

voice: 20048030470 はあぁ? お前らいい年して、身体もひとりで洗えないのかよ?

voice: 20048030480 リリヤ 初めてじゃない。ラモと私は、もう裸の付き合いをしているから。 前に髪だって乾かしてもらった。

voice: 20048030490 緋花里 ふぇ……!?

voice: 20048030500 ラモーナ お、おい……! 誤解を招くようなことを言うんじゃない。 ただ、リリヤとは前にもしりうす湯に行ったってだけだ。

voice: 20048030510 緋花里 そ、そっか。

voice: 20048030520 にしても、背中を流すだの髪を乾かすだの、 まるでお嬢様みたいだな……。甘やかすのもたいがいにしておけよ。

voice: 20048030530 ラモーナ ははは……。 そんなつもりはないんだがな……わかったよ。