voice: 20066030010 ラモーナ ……。

voice: 20066030020 ラモーナ ふふっ、とんでもない人物に目をつけられたものだ……。 ……はぁ。

voice: 20066030030 ラモーナ (私は、本当にこの劇団を離れることになるのかもしれない……)

voice: 20066030040 演出家 次の演目は『円卓騎士物語』。 古くから銀河座で行われてきた古典演目だ。

voice: 20066030050 演出家 配役については、主役のアーサー王をラモーナ・ウォルフ。 ランスロットを千寿暦、グィネヴィアを与那国緋花里。

voice: 20066030060 演出家 モルガンをリリヤ・クルトベイ、モルドレッドを王雪。 以上が主要人物の配役だ、次に準主要人物としてトリスタン役を――

voice: 20066030070 緋花里 やったね、ラモさん! 主演だよ! 主演!

voice: 20066030080 ラモーナ ん、あ、ああ。 そうだな……。

voice: 20066030090 なんだよ、やけに反応が薄いじゃないか。 もしかして……既に余裕と言った所か?

voice: 20066030100 リリヤ そうなの? ラモ。

voice: 20066030110 ラモーナ はは、いや……そんなことはないさ。ただ驚いているだけさ。 主役は久方ぶりだからな。

voice: 20066030120 ……。

voice: 20066030130 ラモーナ 『今、剣はわが手にある! 私はユーサーの息子!  全ブリテンを治める正当なる王である!!』

voice: 20066030140 演出家 まだだ、そんな演技では諸侯はおろか、兄のケイですらついてこないぞ! もっと役を自分の中に落とし込め!!

voice: 20066030150 ラモーナ ……っ! はいっっ!!

voice: 20066030160 緋花里 すごい……でーじ燃えてるね、ラモさん。

voice: 20066030170 まだホロスコープ期間内ではあるからな。 それに久方ぶりの主演で肩に力が入ってるんだろ?

voice: 20066030180 リリヤ ……。

voice: 20066030190 (ラモーナさん、焦ってらっしゃる?  ……無理もないでしょう)

voice: 20066030200 (今、ラモーナさんは危うい立場にいる。  彼女のやってきたことの成果はあれど、ここは銀河座)

voice: 20066030210 (こうなるやもしれないことは、前から分かっていた。  けれど……。)

voice: 20066030230 ラモーナさん……。

voice: 20066030240 ラモーナ んぐっ、んぐっ……ふ~。

voice: 20066030250 リリヤ ラモ。

voice: 20066030260 ラモーナ ん、おおっ! リリヤか! どうした?

voice: 20066030270 リリヤ 稽古を見てて、なんだかいつもと様子が違ったから。 ……なんだか焦っているみたいで。

voice: 20066030280 ラモーナ あ、ああ! 主演は久方ぶりだからな。だからこそ、 一刻も早く演技の練度を上げないとと思ってな!

voice: 20066030290 ラモーナ 要らぬ心配をかけたのなら、申し訳ない。

voice: 20066030300 リリヤ ……。 流石に誤魔化されない。

voice: 20066030310 ラモーナ 誤魔化されないって……誤魔化したわけじゃ。

voice: 20066030320 リリヤ ラモとは長い付き合い。 元気のない時の貴女も、私は知ってる。

voice: 20066030330 ラモーナ リリヤ……。

voice: 20066030340 リリヤ 話したくないなら、それで良い。 けれど、出来れば知りたい……ダメ?

voice: 20066030350 ラモーナ ……本当に、なんてことはないんだ。 今まで自分がやってきたことの清算をしなければいけなくなっただけで。

voice: 20066030360 リリヤ それって?

voice: 20066030370 ラモーナ この前、劇団上層部に呼ばれてな。 ……私は今クビがかかっている。

voice: 20066030380 リリヤ ……!

voice: 20066030390 ラモーナ 次の演目、主演なのだから銀河座の役者らしい姿を見せろと言われてな。 さもなければ、劇団から去れ……と。

voice: 20066030400 リリヤ そう……。

voice: 20066030410 リリヤ ……私は、自分の求める美の為に、舞台に立っている。

voice: 20066030420 ラモーナ え……?

voice: 20066030430 リリヤ 前に温泉旅館に行ったときに言った。 戦う姿こそが、ラモの美しさだと思う。

voice: 20066030440 リリヤ どうするかは、ラモ次第だけど……。 私は、その美しさを大切にしてほしい。

voice: 20066030450 ラモーナ リリヤ……。

voice: 20066030460 リリヤ それじゃ、夜も遅いから。遅寝は美の大敵。 モイモイ……ラモも早くおやすみ。

voice: 20066030470 ラモーナ あ、ああ。おやすみ……。

voice: 20066030480 フィンランドにしては、まともなこと言うじゃないか。 ったく……、普段からそうしろっての。

voice: 20066030490 ラモーナ あ、雪……。

voice: 20066030500 はー、辛気臭い顔しやがって。 ワタシはただ寝る前にお茶を飲みに来ただけだってのに。

voice: 20066030510 ラモーナ そ、そうか……悪い、邪魔したな。

voice: 20066030520 なんだよ、えらく聞き分けが良いじゃないか。 いつもは出くわせば面倒なくらい絡んでくるだろ。

voice: 20066030530 ラモーナ はは、そうかな。 私も丁度自分の部屋に戻ろうと思ってたからな。

voice: 20066030540 ふーん、そうか。

voice: 20066030550 ……ワタシは別に今のままでも良いと思ってる。 これまではドイツ、お前が来て少し変わっただけに過ぎないからな。

voice: 20066030560 ラモーナ 雪、聞いていたのか。

voice: 20066030570 そりゃあ、ワタシはフィンランドと入れ違いで入ったんだぞ? ドア前に居れば話も少しは聞こえてくる。

voice: 20066030580 お前のクビがかかっているとか、 こんな共有の場所で入りづらい話題しやがって……。

voice: 20066030590 ラモーナ すまない……。

voice: 20066030600 話の続きだが、今の劇団全体の空気はワタシが入った時に戻っただけ。 銀河座は馴れ合う場所じゃない、ワタシには別に何の不都合もない。

voice: 20066030610 そしてお前がこれまでの在り方を変えるというのであれば、 ワタシからすればそれはそれで良いって思う。

voice: 20066030620 ラモーナ そう……だよな。

voice: 20066030630 だがな、お前がそんな風に顔を伏せるなら話は別だ!

voice: 20066030640 ラモーナ

voice: 20066030650 さっきああ言ってたフィンランドも、 『マクベス』の演技で美を求める執念を認めさせた。

voice: 20066030660 お前だって、これまでワークショップだったりを舞台での実力で、 黙認させてきたんだろ?

voice: 20066030670 らしくもなく怯えて顔を伏せるくらいなら、今度も主演を演じ切って、 認めさせるくらい言ったらどうだ! ラモーナ・ウォルフ!

voice: 20066030680 そうじゃなきゃ、同じ舞台に立つ甲斐がないだろ……。

voice: 20066030690 ラモーナ 雪、お前……。

voice: 20066030700 ……悪い、出過ぎた真似だ。 出るんだろ? おやすみ。

voice: 20066030710 ラモーナ あ、ああ……おやすみ、雪。