voice: 20066050010 ラモーナ ふー……今日は、このくらいにしておくか。 妻に刑を言い渡すシーン、厳格さに悲痛さを滲ませるべきか……。

voice: 20066050020 ラモーナ ん?

voice: 20066050030 本日はありがとうございます。 先達である皆様とお話出来て、身が引き締まる想いです。

voice: 20066050040 それでは。

voice: 20066050050 voice: 20066050051 ……。 あら?

voice: 20066050060 ラモーナ お疲れのようだな、さっきまで上層部の会議に出ていたのか?

voice: 20066050070 いえ、OGの皆さまとお話を。 ホロスコープシーズン内の公演ですから、気を引き締めるようにと。

voice: 20066050080 ラモーナ そうか……、お疲れ様だな。

voice: 20066050090 それが私の役目ですから。 ラモーナさんの方こそ、お疲れ様です。

voice: 20066050100 自主練ですか? おひとりなんて珍しいですわね。

voice: 20066050110 ラモーナ あ、ああ……まぁ、そうだな。

voice: 20066050120 ……ラモーナさん、共用スペースに行きません? 休むにしても、廊下じゃ誰かの邪魔になりかねませんから。お互い。

voice: 20066050130 ラモーナ ああ、分かった。

voice: 20066050140 どうぞ、コーヒーですわ。

voice: 20066050150 ラモーナ ありがとう、暦。

voice: 20066050160 ……。

voice: 20066050170 ラモーナ ……。

voice: 20066050180 ラモーナ (き、気まずい……)

voice: 20066050190 ラモーナ (何か、話を振ろうにもな……。  あの暦をこうして一休みに付き合わせること自体ほとんどない)

voice: 20066050200 ラモーナ (……暦は、どこまで知っているのだろうか。  私の進退のこと、私が求められている銀河座らしい役者像のこと)

voice: 20066050210 ……最近は、ちゃんと休んでおられますか? ずっと張り詰めていては、大事な瞬間に緊張の糸が切れてしまいますよ?

voice: 20066050230 ラモーナ ……その、暦……それは、上層部や演出家の先生から聞いたのか? お前は……、今の私のことをどこまで知ってる?

voice: 20066050240 ……そうですわね、大方のことは聞いていますわ。

voice: 20066050250 次の公演、あなたのクビがかかっていること。 あなたが銀河座から相応しい役者としての姿を求められていること。

voice: 20066050260 ラモーナ そうか……。

voice: 20066050270 まぁ、聞かずとも何かあったのではないかと気づきそうですけれどね。 最近のあなたは……どこか、焦っているようでしたので。

voice: 20066050280 ラモーナ 焦っている……そうか、焦っている……。

voice: 20066050290 ラモーナ ……ふふっ、緋花里やリリヤ、雪にも気づかれていたよ。 そんなにも、私は分かりやすい奴だろうか。

voice: 20066050300 少なくとも私よりかは。 普段明るくあけすけな分、分かりやすいですわね。

voice: 20066050310 話……くらいなら聞きますわ。

voice: 20066050320 ラモーナ 暦……?

voice: 20066050330 座長ではないけれど、今回の舞台の演者の一人。 王が迷っているようでは、舞台の成功は望めませんから。

voice: 20066050340 ラモーナ 暦……。

voice: 20066050350 ラモーナ ……。

voice: 20066050360 ラモーナ 私は……私は、どうすればいいか……もう、わからないんだ。

voice: 20066050370 ラモーナ リリヤが言ってくれた……。 この劇団の中、戦うことこそが私の美しさだと。

voice: 20066050380 ラモーナ 雪が叱咤してくれた……。これまで演技で認めさせてきたのなら、 今回もそう言い切って見せろ、じゃないと共に舞台に立つ甲斐がないと。

voice: 20066050390 ラモーナ 緋花里は笑いかけてくれた。私がここに居ることで助けられている人が、 私が思うよりもたくさんいると。

voice: 20066050400 ラモーナ 皆、これまでの私を買ってくれている。 ……好きだと言ってくれた。

voice: 20066050410 ラモーナ それを想えば、私は今回も自分のやりたいことに一歩踏み出すべきだ。 皆の協調を図り、舞台の完成度を向上させていく。

voice: 20066050420 ラモーナ これまでやってきたこと……、私が役に立てることだ。 それは、私だって分かっているんだ……。

voice: 20066050430 ラモーナ 分かっているのに……! もう、ここには居られないかもしれないと思うと、 一歩踏み出すのが怖いんだ……!

voice: 20066050440 ラモーナ 情けない……っ! あれだけ皆の為と言っておきながら私は!  我が身可愛さに、皆のことも自分の信念からも目を逸らすのか……っ!!

voice: 20066050450 ラモーナさん……。 ……最近のあなたは、よく泣きますわね。

voice: 20066050460 ラモーナ ……っ、すまない、暦……すまない……っ。

voice: 20066050470 構いません、胸を貸すのは前に経験済みですから。 まったく、世話が焼けますわ……あなたは。

voice: 20066050480 ラモーナ すまない……。

voice: 20066050490 ……私は、あなたには辞めずにこの銀河座に残って欲しいと思っています。

voice: 20066050500 それは、あなたがこれまで劇団にあなたなりの方法で貢献した。 ……それだけが理由ではありません。

voice: 20066050510 いろは 私から、母さんたちにお願いしたんです。 父さんも、おばあさまも、『それがいい』って言ってくれました。

voice: 20066050520 どうしてですか?  だって、言っていたではありませんか。

voice: 20066050530 いつか、一緒に銀河座の舞台に立ちたいって、 ふたりで一緒に、いっぱいの拍手を浴びたいって。

voice: 20066050540 いつか共演しようって約束、守れなくてごめんね。

voice: 20066050550 私にも一緒に舞台に立とうと言ってくれた人がふたり、居ましたわ。 けれど、そんな方々は私の前から消えていった……。

voice: 20066050560 あなたくらいなのです。私の傍に立つと、追い抜いてみせると言って、 今もなおこの劇団に残っているのは。

voice: 20066050570 ラモーナ 暦……。

voice: 20066050580 ラモーナ (そうだったのか……、以前暦が言っていたな。  去っていった者たちを失望させたくないと)

voice: 20066050590 ラモーナ (今だって抱え込んでいるんだ、去りゆく者を気に病まないはずがない。  なら、私はこのまま何もせずにいるべきなんじゃ……?)

voice: 20066050600 ラモーナ (徒に、暦の心を搔き乱すくらいなら……、  それこそが銀河座に出来る貢献なのではないか……?)

voice: 20066050610 けれど、自分の信じるべき軸を失った今のあなたでは……、 隣に立たれても意味がありませんわ。

voice: 20066050620 ラモーナ ……!

voice: 20066050630 そのおせっかいに、銀河座の役者らしからぬ協調を図る姿勢。

voice: 20066050640 そんなあなたが入ったことで吹き込んだ新しい風が、 銀河座を、更に高みに押し上げたことは否定できませんわ。

voice: 20066050650 あなたのやってきたことは、無駄じゃなかった。 ……それだけは、忘れないでくださいまし。

voice: 20066050660 ラモーナ 暦……。

voice: 20066050670 私を越えるのでしょう? 後ろをついてくるだけでは、一生越えられませんわよ。

voice: 20066050680 ラモーナ そうか……そうだな。 そうだった。

voice: 20066050690 ラモーナ 私は、私のやり方でお前に並び立ち、追い越すと誓った。 それなのに、萎縮していては並び立てるはずがない。

voice: 20066050700 ラモーナ 自分の決めたことなのに、忘れてしまうところだった。 ……ありがとう、暦。

voice: 20066050710 ええ、気を付けてくださいまし。

voice: 20066050720 (ラモーナさん、あなたはそのまま突き進めばいい。  それが役者ラモーナ・ウォルフなのだから)

voice: 20066050730 (何かあれば、私が盾になる。  皆に降りかかる火の粉を払う、私はそう決めたのだから)